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食欲不振、疲れ…母の病気がわからない~介護体験談Aさん4

2017年6月26日

母親の食欲不振はどんどんひどくなり、そしてある日、ぽきっと折れるように亡くなってしまいました。こんなに突然……。しかし、突然ではありませんでした。
母親の体に潜む病魔は、少しずつ広がっていたのです。それを見つけられなかったA・Tさんは自分を責めて……。いまも母親の死を悼むAさん。その思いに胸が痛みます。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

父から「かあさんが息をしていない」と……

image001デイサービスの職員に「ここ数日、おかあさんの様子がおかしい」と言われて、考え込みました。
たしかにおかしいのです。母の送迎車の受け渡しは、近くに住む私の担当なのですが、車から降りてくる母は、だんだん元気がなくなり、「疲れた、疲れた」と言うようになりました。
父母の家はマンションなので、建物の外で母を迎えるのですが、そこから玄関のドアまで、ほんの少しの道のりが歩けないのです。以前は鼻歌交じりだったのに……。

 

しかし、やはり朝になると元気に。それでまた私は「もう少し様子を見ていいのではないか」と思ってしまうのです。しかし、徐々に体力が落ちてきているのは感じます。
その翌日は、また「疲れた」と言って、車から降りるなり文句を言うのです。
なんとか部屋まで連れて行ったのですが、これは確かに変だ、このままではいけない……。そう思い始めました。

 

デイサービスの方にも「近いうち、必ず受診してくださいね。軽い脳梗塞を起こしているのかもしれませんし」とくぎを刺されました。
それが2014年10月の金曜日のこと。
そして、翌日の土曜日もデイサービスに行きましたが、その夕方の母は、体力が極端に落ちているようでした。デイサービスの車から降りると、もう歩けない。車いすに体を預けても、前にずるずると落ちてしまいそうな母を必死に支えて部屋に入りました。

 

食事も半分しか食べられず、抱えるように母の部屋に連れて行って寝かせました。あまりにも様子がおかしかったのですが、翌日は日曜日。月曜日には絶対に診療所に連れて行こうね、と父と話しました。
そして、何かあったらすぐに私や妹に電話してくれるように頼み、後ろ髪をひかれる思いで父母のマンションを出ました。

 

深夜、私の携帯が鳴りました。ふるえる父の声が耳に飛び込んできました
「かあさんが息をしていない。今救急車を呼んだ」

 

頭を殴られたようなショックでした。気を取り直し、深呼吸をして着替えて病院に向かいました。
しかし、救急外来の明かりに向かって全速力で走り、母に対面したときには、もう少し冷たくなっていました。

 

「疲れた」は「苦しい」と同じ意味だったのに

image003医師に言われました。「両肺とも真っ白ですよ。誤嚥性肺炎をこじらせましたね」
あっ、と声が出ました。誤嚥性肺炎を思い浮かべなかった自分に対し、猛烈に後悔しました。この間あったケアマネジャーの試験でまさに勉強したばかりなのです。
「誤嚥性肺炎は、当初は症状が現れないことがあるので、注意すべき」というテキストの1行がまざまざと思い出されました。
なぜ忘れていたんだ、なぜあの1行をここに結び付けられなかったんだ。なんのための勉強だったんだろう……。食べられなかったのも誤嚥性肺炎のせいだったのだ。

 

母は脳の機能がどんどん落ちてきていて、話したいことをあまり話せなくなっていました。だから、自分の身体の症状もうまく言えなかったのでしょう。
「疲れた」と言われたから、ただ疲労感があるのだと私は思っていました。でも、病院に運ばれたときは40度も熱があり、肺が真っ白だったのだから、「苦しい」と言いたかったに違いありません。

 

もし「苦しい」と言われていたら気づいたかもしれないけれど、母の言葉の意味が伝わらずに気づかなかった。
いや、そうじゃない。乏しい会話の中から、思いや体調をくみ取るのが、介護のプロではないか? 私はプロで、ケアマネジャーの試験にも受かって、介護については一人前だと思っていたのに、ぜんぜんダメじゃない。ひとりで自分を責めて、泣きました。

 

あれから、2年。いろいろと考えました。現場の介護職も好きだけれど、ケアマネジャーとしての自分を高めようと思うようになって、今は認知症型グループホームのケアマネジャーをしています。
学んだことを、少しでも利用者さんに生かせるように。ご本人やご家族の支えになれるように。

 

かつて、「介護に正解はないですよ」などと、利用者さんの家族によく言っていました。でも、自分はもう少し正解に近づきたい。
この仕事でがんばり、「良い介護とは何か」の正解に少しでも近づいていくことが、母の供養になるのではないかと思っています。

 

*写真はイメージです。

 

<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

プロフィール

A・Tさん(女性 50歳)ケアマネジャー
千葉県在住。自営業の夫、社会人の長男と長女がいる。現在は認知症型グループホームに勤務しながら、80歳の父親と同居中。母親が40歳のときに交通事故で脳挫傷となり、以後忘れっぽくなるなど認知症のような症状が出始める。64歳までは元気で仕事をしていたが、仕事を辞めてから出歩きやガス炊きで鍋を焦がすなどが多くなり、デイサービスに通うようになる。母親は2年前に誤嚥性肺炎がもとで71歳で死去。ケアマネジャー試験を受けたばかりなのに、母親の症状に気付かなかったことにショックを受ける。

 

介護体験談はこちらの記事も参考に

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さまざまな介護体験を語っていただいています
→ 介護体験談<親の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<義理の親の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<妻・夫の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<祖父母の介護 編> 一覧
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