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老人ホームにて…とうとう最期のときはやってきた~介護体験談 Rさん4

2016年10月17日

吐血をしてから、水分もとれなくなってきた義母。死の足音が迫ってきています。R・Mさんは義母がいる特別養護老人ホームに通いながら、毎日覚悟を強くします。自然死で看取るとは、どういうことなのか。Rさんが義母の最期を語ります。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

枯れていくのを見るのは、こんなにつらいのか

image001看取りの時期を迎える頃、私は「よい看取り」を示すような本を読んだり、人から話を聞いたりしました。食欲がなくなったら無理に食べさせたり点滴や胃ろうなどしないほうがいい、とおおかたの本に書いてあります。そして、自然に枯れていくのが一番いいのだと。

 

しかし、「自然に枯れていく」のを見守るのは、想像以上につらいものでした。食べられない、飲めない、体重がみるみる減っていく。毎日面会に行くたびに、腕も脚も細くなっている気がしました。それでも、「トイレに行きたい」と訴える義母。職員に介助され、起き上がると、やせたためにズボンが腰から滑り落ちました。あらわになった脚を見て、思わず目を背けました。

 

こんなに細い脚を見たことがない。バットの太さもない。物干しざお程度の細さ。骨の上にそのまま皮膚がのっているのではないかと思えるような細さです。お尻の肉もほとんど落ち、便器にすわると腰幅がなく、便器の中に腰が落ちてしまうほどでした。

 

ようやくベッドまで戻るとほっとしたように横たわる。けれど、痛みで顔がゆがみます。腕をさすったり、小さく歌を歌ったり。そんなことをしても痛みが消えるわけでもないけれど、何かできることはないかと思ってやってみるのですが、くぐもったうなり声が聞こえてくるのは変わりません。

 

こんなときこそ寄り添ってあげたい。けれど、見ているのもつらくて、結局は帰ってしまう。ホームの玄関を出るとき、自分の情けなさがいやになります。私は看取ってなんかいない、逃げているだけだ。義母はがんばっているのに、私は呆然とするだけだと。車のエンジンをかけてハンドルを握ると、きまって涙がこぼれました。

 

6年ぶりに母は家で眠る

image003翌日、いつものように特養の受付で名前を書いていると、生活相談員から呼び止められました。「そろそろ、最期に着るお洋服を用意していただけますか」。

 

ああ、とうとう来る時が来たと、思いました。そんな動揺を母に見せるまいと深呼吸をして部屋に向かいます。義母は眠っていました。声をかけて起こそうか、でも起きたら痛みがきてかわいそうだから、と迷っていたら、義母が目をあけて私を見ました。そして、花が咲くように大きな笑顔で私に笑いかけてくれたのです。もう声もほとんど出ない。眉根にしわを寄せて痛さをこらえてうなるばかりだったのに、こんな笑顔が出るなんて。

 

泣いてしまいそうな自分をこらえて、私もできるかぎりの大きな笑顔をつくりました。目を合わせて笑い合う。とても幸せな時間でした。

 

その2日後、母は亡くなりました。だれも見ていない夜中に、ひっそりと。家族全員で駆け付けると、職員さんは、「夜中、2人で30分おきにお部屋に見に行っていたんです。2時半、3時、3時半と、どれも小さなうなり声がありながらも眠っていらっしゃいました。でも、4時の巡回のときにはもう……。もっと早くご家族をお呼びすればよかった」。涙声になりながらの報告です。看取りの医師も駆けつけてきました。私たちも、この日、泊まればよかったと後悔しました。

 

けれど、義母はもしかしたら、ひとりでそのときを迎えたかったのかもしれません。つらいとき、苦しいときはいつも目をつぶりながら「帰りなさい、もう大丈夫」と言いました。泣き言を言ったり、すがりついたりすることはありませんでした。

 

母の寝顔はとても安らかに見えました。すべての苦しみから解放されて、ほっとしたようなその顔に、「97年間、よくがんばったね、ご苦労様」、そんなふうに声をかけました。さあ、我が家に帰りましょう。そして、今晩は一緒に寝ましょうね。ベッドの上の義母がほんの少し微笑んだような気がしました。

 

*写真はイメージです。

 

<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

プロフィール

R・Mさん(女性 57歳)団体職員
埼玉県在住。会社員の夫、ふたりの娘がいる。20年以上同居していた義母は10年半前、84歳のときにかかとを骨折。以後認知症となり、4年間の自宅介護の後にグループホームに入居。3年前からは、家からほど近い特別養護老人ホームに転居、ここで義母を看取ることとなる。

 

<さまざまな方に、介護体験を語っていただいています>

●体は弱っているのに他人の手を借りられない。威厳とプライドのある父親を介護して…
~Tさん(インテリアコーディネーター/54歳/女性)

 

●脳に血栓のある母親、骨折や肺気腫を繰り返す父親。同居して両親を介護するが…
~Wさん(歯科医院勤務/56歳/女性)

 

●同居していた義母が認知症に。徘徊・妄想が始まるが、夫は義母の認知症を認めず…
~Rさん(団体職員/54歳/女性)

 

●念願のマイホームを建て両親と二世帯同居。しかし引っ越し早々、母に認知症の兆しが…
~Eさん(主婦/55歳/女性)

 

●気づいたときには父はすい臓がんの末期。3人の子供を育てつつ実家に通う中で、奇跡的に…
~Yさん(主婦/52歳/女性)

 

●妻と二人三脚で事業を切り盛りしてきたが、気付くとしっかりものの妻の行動がおかしい…
~Tさん(自営業/74歳/男性)

 

●母が認知症?でも同居をしている兄夫婦も父も、介護に逃げ腰。別居の娘が業を煮やし…
~Sさん(会社員/53歳/女性)

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