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足先の壊死、かゆみ、そして食はますます細くなる~介護体験談 Rさん3

2016年10月10日

大腿骨骨折をしてから体が弱り、97歳の誕生日を迎えられたことも、奇跡のように思えたR・Mさんの義母。しかし、月を追うごとに義母の体力は衰え、命の灯は消えようとしています。今回は、看取りを受け持つ特別養護老人ホーム(特養)の職員との交流についてお伝えします。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

大好きだったお菓子ならのどを通る

image001食欲が衰え、ホームの出す食事をほとんど食べられなくなって、私はどうしたらいいかを考えました。甘いものが好きな義母。入院中も、食事はすすまなくても、大好きな大福やあんぱんは食べたがりました。ホームに相談し、買ったものを持ち込んでもいいかと聞くと、「とにかくなんでもいいから、口に入れてもらえればいいですよね」と、快く受け入れてくれました。

 

家の近くのスーパーマーケットに行くと、義母がよく買っていた蒸しケーキやプリンが目に飛び込んできました。これなら食べるかもしれないと買い込んで母に見せると、目を輝かせました。自分で手に取り口に入れ、「おいしい」と、蒸しケーキをひとつ、食べきりました。感激していると、職員たちもみな「おいしくてよかった、本当によかった」と言ってくれるのです。ああ、義母は家族だけに支えられているのではない、毎日義母をケアするこの人たちが強く支えてくれているから生きているのだ、と実感しました。

 

特養のスタッフはひとりあたりの仕事量が多く、ケアが行き届かないとよく言います。けれど、毎日特養に通って眺めてみると、みんな、工夫をしながら全員をきちんと支えようと、懸命に働いているのがわかります。ひとりに食事介助をしながら、ほかの利用者さんにもどんどん声をかける。義母にも「そのスープ、お好きでしょ? 飲み切っちゃいましょう」と励ましたり。汗だくで入浴の介助をし、髪をやさしくとかす。そんなひたむきさに触れるたび、老人ホームに家族を託していることのありがたさを感じます。

 

家で24時間みていたら、こんなに義母のことを愛しく思えただろうか。かつて疲弊して義母をうらんだように、最期を生きている義母に、言ってはならないことを言うかもしれない。プロの手を借りてこそ、義母は穏やかに生きて、安らかに死に向かうことができるのだと、しみじみ思いました。

 

胃が荒れて大量吐血をし、水分もとれなくなる

OLYMPUS DIGITAL CAMERAそうしている間も、義母は少しずつ死に向かっていきます。看取りの契約をしてから、平日は私が、週末は夫が面会に行き、だれもいかない日はない、というようにしていました。社会人になった子どもたちも、週末は時間を作って必ずホームに足を運ぶようになりました。こんなに通ってくるということは、自分は死ぬのだろうと、義母も覚悟がついていたのでしょう。日々穏やかに私たちを迎えてくれます。

 

怒ったり泣いたりすることはなく、衰弱する中でも笑顔を見せてくれます。時にはひょうきんな表情をしたり、盆踊りをするような手つきをしたりして、周囲の人たちを笑わせ、なごませてくれました。

 

とはいえ、体はきつかったのだと思います。右足に、ちょっとした傷があったのですが、それが治らず、どんどんひどくなっていきます。義母は心室に問題があって、心臓から送り出す血液が、スムーズに血管をめぐっていきません。心臓から遠い右足にはもっとも血液が送られにくく、足先は壊死していきます。

 

また、数年前に手術した皮膚ガンも、1年ほど前から再発しています。その部分を手術して取り去ってしまえば、また元気になるのですが、今の義母には手術なんて無理な話。ただかゆくて痛いのをがまんしなければなりません。

 

足先の壊死と皮膚ガンの症状をどうにかしようと思ったら、薬での対処しかありません。義母には痛み止めを処方されていました。しかし、薬はメリットもあればデメリットもあります。飲めば胃を荒らすから食事をとろう、と言われますが、大した量も食べられない義母には、それも難しい話。それでも定期的に痛み止めを飲んでいたら、ある日、大量吐血してしまいました。

 

そうなると、痛み止めの薬を中止しなければなりません。痛いから飲んでいた薬をやめれば、痛みがやってきます。起きていれば痛みを強く感じ、うなり声を上げることが多くなりました。

 

職員の人たちは、それでも起きていれば食卓へと導き、座らせてくれました。頻尿な義母の訴えを受け止め、日に何度もトイレに導きました。痛い右足を床に触れさせないように、ベッドから足を下ろすときは細心の注意を払う。歩くときは室内履きのはき方を工夫して、痛みを軽減する。どの職員も、さりげなくそんなきめ細かい介護をし、義母の最期の日々を寄り添ってくれます。

 

しかし、やがて痛いせいなのか、胃がとことん荒れてしまったからなのか、もう食べるものは一切受け付けなくなりました。食堂のテーブルにつき、食事を出されても、あえて自分から眠ってしまうようになりました。そして、少しずつとれなくなってきていた水分も、1日100cc程度の摂取がせいぜいになりました。水ぐらい飲んでほしいと思っても、体が受け付けません。そんなときに無理やり飲ませたら、それで窒息しかねない――。ほとんど水分が取れず、枯れてやせ細っていく義母を、職員も私も、ただ、見守るしかありませんでした。

 

次回は最期を看取るRさんの様子を伝えます。

 

*写真はイメージです。

 

<三輪 泉(ライター・社会福祉士)>

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

プロフィール

R・Mさん(女性 57歳)団体職員
埼玉県在住。会社員の夫、ふたりの娘がいる。20年以上同居していた義母は10年半前、84歳のときにかかとを骨折。以後認知症となり、4年間の自宅介護の後にグループホームに入居。3年前からは、家からほど近い特別養護老人ホームに転居、ここで義母を看取ることとなる。

 

介護体験談はこちらの記事も参考に

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さまざまな介護体験を語っていただいています
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→ 介護体験談<祖父母の介護 編> 一覧
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