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病院なのか家なのか…父親の幸せを願う選択~介護体験談Hさん3

2016年7月18日

脳梗塞の父親を、医療や介護のサービスを使いながら、在宅で見守ってきたH・Nさん。母親のサポートをしながら実家に通いつめ、父親によい刺激を与えようと、心をくだきます。父親も回復に向かうのですが……。今回は、次なるハードルを迎え、苦悩するHさんの様子をお伝えします。

 
*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

突然父の首が動かなくなった!

image001穏やかに在宅で暮らせていたのも1年あまり。2013年の3月、朝起きてみたら、父の首がまったく動かないのです。驚いた母が私の家に電話をかけてきたので、すぐに飛んでいきました。往診の先生も来て、診察をしてくれました。すると、神妙な顔で言うのです。
「脳幹が詰まっているのだと思います。これは……ダメかもしれません。このまま家で最期を迎えますか?」

 

さすがの私もくらくらしました。衰えてきたとはいえ、ついこの間までは元気だったのです。それなのに、今は言葉も出ずに、苦しんでいる。でも、もう時間の問題なのか……。何をしていいのかわからないまま、呆然と立ち尽くしました。医師が「夕方また来ます」と言って帰っていくその声も、遠くから聞こえてくるような、不思議な感覚でした。

 

しかし、少し時間がたつと、父の表情が変わりました。「あれ、少し回復しているのかな?」と私は思いました。あまり動くことができなくなっていたはずなのに、部屋の電気をつけていたら、「電気を消してくれ」というポーズをします。倒れてからは、起き上がることが難しいので、オムツにしていたのですが、オムツ替えするときにも、腰を少し上げて協力してくれるのです。

 

治るんじゃないだろうか。さっきのは、発作みたいなもので、おさまればいつもどおりになるんじゃないか? 願いも込めて、そう思おうとしました。それに、容体が急変したとしても、病院に行く必要はないかもしれない。訪問診療のお医者さんが言うように、この家で最期を迎えてもいい、と思うようになってきました。

 

そう思った矢先、同席していたケアマネジャーが、言うのです。
「病院、行かなくていいんですか? 後悔しませんか?」

 

言われて、気持ちがまたグラッと揺らぎました。訪問診療の先生は、看取りもするということで、在宅で亡くなることに慣れている。このまま最期を迎えるなら、治療はせずに、ゆっくり過ごせばいい、というのが先生の考えでした。でもケアマネジャーは、「少しでも病気が軽減するチャンスがあるのに、病院に行かないなんて……」と思っている。真逆のふたりの考えの間で、ただただ、揺れるばかりです。

 

どうしたらいいんだろう、と悩むと同時に、何かあったら、自分が全部責任を取れるのだろうか、という考えも頭をもたげます。
「どうせ、長くないのかもしれない、ならば住み慣れた家でずっと過ごしたほうがいい」、と思うそばから、「いや、人道的に考えたら、やっぱり病院に運ぶべきだろう」という考えが交互に浮かんでしまいます。

 

どんなに考えても考えがまとまらない。混乱する中で、決断したのは「病院に連れて行く」というものでした。そして、救急車を呼びました。自分の決断が正しいのかの判断がつかないまま、救急車は瞬く間にやってきて、父を、以前入院した急性期病院の集中治療室に呑み込んでいきました。

 

英語で受け答えができたのに…

image003父はもう、体のどこも動かせず、まばたきでしか自己表現ができないと、医師から言われました。涙を流す母、呆然とする私――。ふたりで父を一晩見守りました。知らせを受けた妹の家族が、朝になってアメリカから到着しました。

 

そのとき、父は驚いたことに妹たちを見て、うすく微笑んだのです。そして、アメリカ人の妹の夫が「How are you?」と聞くと、「I’m fine thank you」と答えたのです。そして、私に向かって、「いつ家に帰れるの?」と。

 

えっ、お父さん、回復したの!? みんなで声を上げ、急いでドクターを呼びました。1回目の入院のときに担当した若い医師がまた担当でした。すると、横柄な態度でやってきて、「そんなわけないでしょう」と言いながら、ドンドンドン!と乱暴に父の背中をたたき、「聞こえますか、答えてください!」とやるのです。余命いくばくもないかもしれない、苦しみながらがんばっている年長者に、こんな態度をするのか、と私がムカッと来そうになるより先に、妹の夫が猛然と怒り始めました。彼はつまらない遠慮などすることなく、英語で「無礼だ、年かさの患者に、そのようなことをするのは許されない!」と大声で抗議をし始めたのです。黙る医師、にらむ彼。気まずい空気をなんとかしようと、作り笑いをする自分が情けなく思えました。

 

次回の最終回は、父親の終末についての思いをお伝えします。

 

*写真はイメージです。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

プロフィール

H・Nさん(女性 48歳)イラストレーター
神奈川県在住。43歳の時に父親が脳梗塞で倒れ、入院。右半身麻痺となる。父親と同居の母親が主介護者だが、医師との面談や看護・介護の方針の決定はHさんが中心となる。仕事はフリーランスなので、時間の自由がきく。そのため、父親の入院中や退院後の在宅療養中は、仕事がないときはすべて父親に寄り添う。2度目に倒れた後の老人ホームの入居手続きもHさんが行う。しかし、2013年、父親は入居後すぐに死去。現在もイラストレーターの仕事を続けている。夫、高校1年生の長男と3人暮らし。

 

介護体験談はこちらの記事も参考に

私が思う「良い老人ホーム」より
●デザイナー・東海大学講師/山崎 正人さん
●モデル・タレント・ビーズ手芸家/秋川 リサさん
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●映画監督/関口 祐加さん
●漫画家/岡 野雄一(ぺコロス)さん

 
さまざまな介護体験を語っていただいています
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→ 介護体験談<義理の親の介護 編> 一覧
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→ 介護体験談<祖父母の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<その他の介護 編> 一覧

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