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夫の肝臓に癌が…途方に暮れる私を支えてくれた人たち~介護体験談Tさん2

2015年9月7日

文化施設の壁画や復元画を描き、画家のようなスタイルで描くイラストレーターとして活躍していた夫。その夫が脳内出血で倒れ、右半身麻痺になり、ふたりの日常が一変しました。大事な右腕を失ったも同然な夫は、失意のままベッドで過ごし、妻のT・Hさんは夫を支えることに必死です。しかし、リハビリをはじめると、さらに不幸が襲います。肝臓にがんがみつかったのです……。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

リハビリ病院のCTで肝臓に影が……

2_1リハビリ病院に移ると、すぐにリハビリが始まりました。リハビリに望みをつないで、イラストを描いていた右手を少しでも動くようにしたい。もしそれが難しくても、左手の動きをよくして、左手でイラストを描く方法も考えたい――。

 

世の中ではすでに、イラストをパソコンで描くことが主流になっていますから、左手でマウスを繊細に動かせれば、イラストレーターとして仕事ができるのです。絶望の淵にいた私たちですが、彼が倒れてから2カ月を過ぎたあたりから、少しずつ前を向き始めました。

 

病院は、それぞれ独自に検査をしますから、最初の病院でやった検査を、リハビリ病院でもう一度ひととおりやりました。血液検査も尿検査もCTの検査も全部もう一度した上で、リハビリの方針を立てようということです。その日、夫は同席せず、私と医師だけの打ち合わせと言われ、あれ、と思ったのですが。CTの画像を見せながら、医師はこれを私に言いたかったのだとわかりました。「ご主人の肝臓に、2~3センチの影が見えます」。

 

最初の病院の血液検査で、夫がC型肝炎のキャリアであることを知りました。医者ぎらいの夫は、これまでいくら言っても健康診断を受けることがなく、調子が悪いときも病院に行きませんでした。今回倒れて、数十年ぶりに血液検査をしてみれば、いわゆる成人病に値するような数値があれこれ出てきましたし、肝臓は「とても悪い」状態。通常50以下だというγ-GTPの値は500近くありました。すでに肝硬変になっている状態だと言われました。

 

しかし、単に数値が高いだけではない。影がある、要するに肝臓がんになっているというのです。なぜ、運び込まれた最初の病院でそれがわからなかったのか、疑問が残ります。が、とにかく「最初の病院に戻って検査入院をし、まずは肝臓の治療をするほうがいい」となりました。

 

さすがに、夫には言えませんでした。右手と右足が麻痺し、絶望の淵をさまよい、ようやく前を向き始めた矢先です。私だって、食べ物が喉を通らない、夜も眠れないのです。これ以上、夫の心にダメージを与えるなんて、私にはできません。
C型肝炎キャリアだということは本人も知っていましたから、「リハビリの途中だとしても、まずは肝臓の状態をよくしておいたほうがいいらしいよ。γ-GTPの数値を下げて少しでも肝炎をよくしておいてから、本格的にリハビリ病院に来てくださいって。前の病院でもリハビリはできるから問題ないって」。そんな言い方で、なんとかごまかしました。

 

彼に黙っていた分、私はつらかった。車椅子の生活なら、なんとか支えられると思えていたのです。彼はかわいそうだけれど、車椅子になっても、彼は私のそばにいてくれる。彼の息遣いさえ聞こえればいい。どこかに行きたいなら、私が車椅子を押せばいい。食事や排泄も、手伝うことができる。でも、がんを追い払うことは、私にはできません……。

 

今思い返しても、どうやって日々を過ごしていたのか、おぼろげな部分があります。ただ、友人や妹に支えてもらったんですね。毎日のようにだれかが病院に見舞いに来てくれ、彼を励ましてくれました。自宅にも、友達がちょくちょく訪ねてきてくれたり。そんな心遣いがあったからこそ、なんとか日々を送ることができました。
貯金も多少あったし、夫は1年後には障害年金をもらえることになったから、住まいを夫の実家に移せば、収入なしでもなんとかなるかな、とは思っていました。でも、入院のたびに、多めのお見舞い金をくれる友人の計らいも、本当にありがたかったです。

 

肝動脈塞栓術で肝臓がんを治療する

2_2最初の病院に戻ると、リハビリをしながらも、さっそく治療が始まりました。脳内出血をした人は、患部を切り取るような外科手術はできないので、肝動脈塞栓術という治療をしました。肝臓には肝動脈と門脈から血液が供給されますが、肝動脈からは20%程度しか血液は供給されません。しかも、がんに血液を供給しているのは肝動脈。
そこで、足の付け根からカテーテルを入れ、肝動脈からの血液の流れをシャットアウトします。抗がん剤もここから入れて治療します。

 

何もしなければあと1年の余命。治療を繰り返したら4、5年に延びる。それは朗報のようですが、「治療を続けても4、5年なのだ」という現実に、私は打ちのめされそうになりました。

 

いっぽう、リハビリをしても、夫の右手は動くようなことはありませんでした。リハビリで患部が動くかどうかは、脳の損傷の大きさや、損傷の位置にもよるようです。「俺の右手はもう動かないんだ……」。そう口に出して受け入れる夫を見て、涙が止まりませんでした。

 

でも、最初は自力でベッドに座れない状態から、リハビリに励み、杖を持って、ほんの数歩ですが、自力で歩けるようになったのです。入院して半年、彼は自宅の生活に戻ることになりました。

 

次回は、失意のまま退院したTさんとの自宅生活をお伝えします。

 

*写真はイメージです。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

プロフィール

T・Hさん(女性 64歳)ヨガ講師
東京都在住。20歳の頃から元同級生の夫と暮らす。イラストレーターの夫を支え、自らはマクロビオティックとヨガを生活の指針とし、ヨガ講師として週に数回のレッスンをこなす。Tさんと夫が58歳のときに夫が出先で倒れる。脳内出血と言われ、夫に右半身麻痺が残る。以後、リハビリ病院に転院し、ふたりの試練が始まる。子どもはなし。

 

介護体験談はこちらの記事も参考に

私が思う「良い老人ホーム」より
●デザイナー・東海大学講師/山崎 正人さん
●モデル・タレント・ビーズ手芸家/秋川 リサさん
●フリーアナウンサー/町 亞聖さん
●エッセイスト・ライター/岡崎杏里さん
●フリーアナウンサー/岩佐 まりさん
●映画監督/関口 祐加さん
●漫画家/岡 野雄一(ぺコロス)さん

 
さまざまな介護体験を語っていただいています
→ 介護体験談<親の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<義理の親の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<妻・夫の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<祖父母の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<その他の介護 編> 一覧

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