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認知症になった母は、デイサービスが大好きになった~介護体験談 Mさん2

2015年5月18日

うつ病の心配を10年近くしていたのに、気づくと認知症になっていた……。その時の家族のショックは大きいものだったようです。あんなにしっかりした母が、子どもみたいになってしまう。しかし、お母様の表情は明るくなり、時に童女のように笑うようになりました。今回は、認知症が進むお母様の様子をお伝えします。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

怪我したことも忘れてしまって

a0001_010549_m父から「かあさんが転んで動けない」と連絡を受け、私は飛んでいきました。父は車の運転ができないので、やむなく救急車を呼び、病院まで付き添って行ったといいます。母は足首をひねり、踵の骨にひびが入っていました。頑丈なギプスをつけられたところで、病院に駆けつけた私と会い、3人で実家に戻ることにしました。

 

「ゴミ出しをしようと思って転んじゃったの?」と母に聞くと、あいまいな笑い方しかしません。横で黙りこくる父の表情は固く、私もまた、母が認知症ではないかと気づきました。
母がうつ病になり、家事を受け持ち、こんなにがんばっているのに、妻は認知症なのか? この先、自分と意思の疎通もなくなる妻の介護なのか――? 父の落胆ぶりが伝わってくるようでした。私もまた、衝撃を受けました。うつ病になったときも驚いたし、ショックを受けたけれど、今回のほうがもっとつらい。母が家族という枠からはみ出して、違う人になってしまうような、そんな恐怖を覚えました。

 

母は、足を怪我したことさえ忘れがちでした。動かすと痛いので、かろうじて足をいたわっていましたが、もし痛みがなければ、体重をかけたり歩いたりして、ますます状態が悪くなっていたところでした。家で母を見守っている父も、「動けないのはかわいそうだけれど、足が治るまで、どうにかおとなしくしていてほしい」と祈るように言っていました。

 

子どもたちも中学生になり、夕食のしたくをしておけば、暗くなるまで私が不在でも、なんとか夫と子どもとで過ごせるようになっていました。私は仕事が休みの平日は、できるだけ1日、実家にいるようにしました。家事だけでなく、さまざまな支払い、父にはなかなかできないこびりついた汚れの始末など、やることはたくさんありました。

 

母が回復してくると、今度は母の行動に目を光らせなければならなくなりました。買い物に出かけて、帰り道がおぼつかなくなり、なかなか帰ってこなくなったり、お金を落としたり。役所に相談して、ケアマネジャーさんを紹介してもらい、要介護認定を受けると、要介護2になっていました。

 

ケアマネジャーさんにデイサービスに通うことを勧められ、見学に行ってみると、母はとても気に入ったようでした。認知症になってから、ご近所の方々との交流も途絶えていて、人見知りな母でも、やはり人恋しくなっていました。家に引きこもっていると、ますます認知症が進んでしまうので、私としても、ぜひ行って欲しいと思いました。

 

ところが、父が猛反対でした。「かあさんをあんなところに連れて行くなんて」と、憤慨するのです。また、週に2回ほど、生活介護のヘルパーさんを入れて、母と一緒に買い物をしたり、調理をしたりすることをお願いしようと思いましたが、それも拒否するのです。「家に人が入るのはいやだ」と。よくある話だと言いますが、このままでは、父も家事と介護の両立ができず、私に負担もかかります。ケアマネジャーさんと一緒に説得し、私も週に2度は通うことにして、なんとか父の心を収めました。

 

母は今が一番幸せなのかも……

2_2こんな顛末を、姉は「悪いわね、今、決算で忙しくて」とまるで他人事のようなそぶりです。忙しいのは私も同じ。子どももいるし、非常勤といっても仕事はあるのです。姉の会社は外資系で評価が厳しく、平日になかなか休みが取れないのはわかります。けれど、週末や夜など、もっと実家に顔を出すことはできるはず。電話だけでも頻繁にかけてくればいいじゃない――。私の不満はたまっていきます。

 

そんな私や父のイライラなどどこ吹く風、母はマイペースで日々を過ごしています。うつ状態で家から一歩も出ず、笑顔も見せなかった頃がうそのようで、週に2回のデイサービスの日を心待ちにし、帰ってくると「楽しかったわぁ」と満面の笑みを浮かべました。ヘルパーさんと調理をするときも、鼻歌を歌いながら皮むきや後片付けまで楽しんでいます。

 

思えば、自分を前に出すことのない人生でした。祖父同士が知り合いだったことで、父の嫁となり、企業戦士の父につかえて外出もままならず、ふたりの子供を黙々と育ててきました。ハメをはずすこともなく、自分の楽しみのために時間を使うこともほとんどありませんでした。父が大病したあと、うつになったのは、背負いすぎた荷物を降ろしたかったのかもしれません。今、こうしてのんびりと自分のために過ごす日々が、もしかしたら、母にとって一番幸せな時期かもしれない。父のために、子供のためにやっていた家事も、今なら楽しくできるのかもしれません。童女のようになった母の顔を見ながら、そんなことを考えていました。

 

次回はM・Iさんが入院し、母親も入院するという大ピンチの状況をお伝えします。

 

*写真はイメージです。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

プロフィール

M・Iさん(女性 53歳)塾講師
東京都在住。夫、社会人の長男・長女がいる。車で20分ほどの実家に85歳の父親がいる。84歳の母親は8年ほど前から認知症を発症し、デイサービスに通っていた。半年前に骨折し、現在はリハビリ病院に。急速に衰えていく母親に心を痛めながらも、病院から自宅に戻ることはないだろうと予測している。ひとり残した父親も気がかりである。2歳上の姉と協力して介護をすることになっているが、知らず知らずのうちに負担が増え、無責任な姉との間で衝突が起きる。介護が深刻になると勤務していた予備校を一時休職。現在は復職している。

 

介護体験談はこちらの記事も参考に

私が思う「良い老人ホーム」より
●デザイナー・東海大学講師/山崎 正人さん
●モデル・タレント・ビーズ手芸家/秋川 リサさん
●フリーアナウンサー/町 亞聖さん
●エッセイスト・ライター/岡崎杏里さん
●フリーアナウンサー/岩佐 まりさん
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●漫画家/岡 野雄一(ぺコロス)さん

 
さまざまな介護体験を語っていただいています
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→ 介護体験談<妻・夫の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<祖父母の介護 編> 一覧
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