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自宅か老健か。介護は正念場に~介護体験談 Jさん 4

2015年4月6日

尿管から尿を出すようになり、首にはコルセット。痛々しくやせた体になった母親を、自宅でみる父親と姉、そして月1回の遠距離介護で支えるJ・Uさん。介護の年月が19年を数える今年、母親はまた、奇病に襲われます。家族が出した最後の決断、それは――。最終回でまた、考えさせられます。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

夜中に奇声を出すと止まらない

4_1さあ、今日は仕事をたくさん片付けよう、そう思った朝、姉から電話がありました。「できるだけ早く来てくれない?」 姉からこんな申し出があるなんて珍しいこと、不安な思いで「どうしたの?」と聞くと、「母さんがおかしいの、夜中に奇声を発して、止まらないのよ」

 

あわてて仕事に着手し、夕方までノンストップで働き、新幹線に飛び乗りました。中学1年生の娘の夕御飯も用意できず、夫の帰りも待たずに実家に向かうなんて、これまでなかったことでした。

 

けれど、明け方に奇声を発する前に家にたどりつかねば。その前に父や姉に話を聞かねば……。気ばかり急いてしまいます。

 

実家に着くと、拍子抜けするほど、母はいつもどおりでした。「あら、夜に到着するなんて、珍しいわね」と、私が遊びに来たかのようです。でも、ここ2日、明け方は大変なことになっていたそうです。母がひと声発生すると、その声が止まりません。4時か5時に声を出したら、5時間続いたのだそうです。自分で止めようにも止まらず、ほかの人にも止めようがありません。

 

実は、父は耳が悪く、ここ2年ほど、ほとんど耳が聞こえない状態でした。思い切って昨年、人工内耳を付ける手術をしたところです。しかし、充電をする必要もあって、夜ははずしています。だから、父は眠っている間は気づきませんでした。目覚めて人口内耳をつけたとたん、母の声が響き、仰天したそうです。

 

どうにかして止めようとするのですが、止める方法などみつかりません。あわてて往診の医師に連絡をしましたが、医師にも原因ははっきりつかめなかったといいます。しかも、医師が訪問に来たときには、すでに声は止まっていました。

 

ここのところ体調がいいので、精神安定剤を少なくしているせいなのか。あるいは、小さな脳梗塞の名残りが、脳神経の発声に関わる部分を刺激しているのか。いずれにしても、原因がわかったところで声は止めることができません。単にうるさいだけでなく、母は声を出し続けていることで口が乾いて、からんだタンも吐き出すことができず、口内の水分も失います。そして、ひどく体力も失うのです。

 

おまけに、2日目の明け方は、興奮状態にあったのか、壁側のベッドの柵を自ら乗り越えて床に落ちたのだそうです。床に落ちて助けを求めていた母の声が聞こえない父は、早朝に目覚めて一大事を知ったというのです。

 

母にとっても父にとってもつらい夜です。かといって、小学校の教員である姉が父のかわりに夜中に付き添ってしまったら、昼間の仕事に差し支えます。私に連絡をとるしかなかった経緯もわかりました。

 

私はその晩から、母の横で眠りました。朝4時半になると、やはり奇声を発する気配がありました。「大丈夫だよ、私がいるよ」と声をかけると、出しかけた声をひっこめました。やはり精神的なものなのか? わからないままに朝になりました。

 

しかし、翌日は私が隣にいても、5時になると奇声が始まりました。寝ているどころではありません。耐えられないうるささ。母が狂ってしまったのかと思う恐怖。でも、一番辛いのは当の本人です。

 

声は止まる日もあれば止まらない日もあり、原因はいまだわからないままでした。そして、眠れない日を重ねるごとに、父も私も姉も、体力の限界を感じてきました。

 

家族の誰もが限界に、最後は…

4_2「しばらく在宅介護をお休みしましょうか。少し介護のプロにまかせましょう」。ケアマネジャーさんが提案してくれました。以前いた老健とは別のところに、母をお願いしてみようというのです。

 

……最期の瞬間を病院で迎えるということ? それはいやだ……、と思っていると、察しているかのように、ケアマネジャーさんは「ほんの3カ月か半年よ。その間に歩く練習をしたり、マッサージをしたり、お母様の状態をよくするリハビリをしに行くと思ってください」

 

疲れきっていた父は、ふたつ返事でOKしました。姉は不満そうで、「私がもう少しがんばるから」と言うのですが、私の目から見ても、姉ももう限界でした。学級崩壊しているクラスを担任し、問題は山積。それを振り切るように帰ってきても、家にも問題が山のように積み重なっているのです。姉ももう53歳。今度は姉が倒れてしまいます。

 

母はまだ、この計画を知りません。以前の老人保健施設での薬漬け、誤嚥の記憶がよみがえり、恐怖を覚えるかもしれないのです。母に「いやだ」と言われたら、それでも強引に計画をすすめられるのか……? だれにも自信がありません。でも、だれもがもう限界です。私だって、月1回の介護のうしろめたさがあるにしても、家のこと、仕事があります。それに、姉にも父にも言っていませんが、ここ半年、更年期特有の症状にも悩まされています。

 

それでも、母が「家がいい」と言われたら、思いをかなえてあげたい。そう思っていたら、ケアマネジャーさんが言いました。

 

「万が一、在宅を選択することになったら、訪問介護をできるだけ多く入れましょう。食事も、宅配のお弁当を利用しましょう。入浴のサービスも使って、お父さんやお姉さんの負担を減らしましょう。これまで、お母様やお父様が嫌うからと、まったくそうしたサービスを入れていませんでしたよね? でも、いつまでも家族だけで介護をするのは違うんじゃないかな、と思いますよ。みなさんの人生のためにも、ここは折れてください。お母様が家にいたいといったら、交換条件として訪問介護を提案しましょうね。そうしたら、納得してくれるんじゃないかしら」

 

老健なのか、在宅か。まだ結論は出ていません。母にもまだ言っていないのです。でも、母は88歳、父も82歳になりました。介護は新たな局面を迎えています。いずれにしても、「家族だけの介護」を守り通すことから、家族は開放されるべき。ケアマネジャーさんの言葉が、私たちの心をほんの少し軽くしてくれました。

 

*写真はイメージです。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

プロフィール

J・Uさん(女性 47歳) グラフィックデザイナー
東京都在住。夫、中学1年生の長女の3人暮らし、実家のある名古屋市に実母88歳、実父82歳が暮らす。夫を亡くした姉(小学校教員)と21歳になる娘も同居している。足指の痛み解消のために行った手術をきっかけに、体調が悪化していく母親の世話をするために、故郷に行く回数が徐々に増えていく。はっきりとした病名がつけにくい病気にばかりかかり、周囲も気持ちが定まらないまま介護をする。父もまた大手術をするなど、老老介護もままならなくなり、8年ほど前から遠距離介護を続けている。

 

介護体験談はこちらの記事も参考に

私が思う「良い老人ホーム」より
●デザイナー・東海大学講師/山崎 正人さん
●モデル・タレント・ビーズ手芸家/秋川 リサさん
●フリーアナウンサー/町 亞聖さん
●エッセイスト・ライター/岡崎杏里さん
●フリーアナウンサー/岩佐 まりさん
●映画監督/関口 祐加さん
●漫画家/岡 野雄一(ぺコロス)さん

 
さまざまな介護体験を語っていただいています
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