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自宅に戻り、父の笑顔も戻った~介護体験談 Wさん 4

2015年2月9日

年老いて病気が重い親を自宅でみるのか、老人ホームのお世話になるのか。選択を迫られたときに、W・Tさんがとった道は……? 最終回は彼女の介護に対する思いが見えてくる結果になりました。きれいごととは違う、彼女の選択。私たちも、大いに参考にしたいですね。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

麻雀ができる日を心待ちに

4_1自宅に帰れると決まってからは、父親の態度ががらりと変わりました。病院のベッドで何もせずにぼんやりと時を過ごしていたのですが、俄然、リハビリに熱が入りました。週4日リハビリをすればいいのですが、父自ら担当医師に頼み、週5日に増やした行動力にも驚きました。リハビリの時間には真剣に取り組み、結果、父は、どんどん回復していきました。大腿骨の手術はできなかったので、しっかり歩行できるまでにはなりません。けれど、なんとか歩行器を使って歩ける程度にはなったのです。一歩一歩、踏みしめながら歩く様子は健気で、その後ろ姿を見ながら、涙が出ました。

 

父は、「帰ったらいつものデイサービスでまた麻雀をやるんだ」と、それを一番の楽しみにしていました。退院に際しては、「頭のリハビリも大切」とのことで、「院内でも麻雀をしてはどうですか」という理解ある医師の勧め。父はとびきりの笑顔になりました。さっそく私は麻雀のできる知人を集め、病院まで車で連れて行って、父と麻雀をしてもらいました。週に1度の麻雀の日を心待ちにし、その日は「1時間程度」と言われていたのに、結局3時間もすわりっぱなし。それでも熱中して楽しみ、疲れ知らず。好きなことをすると人はこんなに元気になるのだと、しみじみと感じました。

 

在宅生活の再開を決めてから、私は、家でも忙しく過ごしました。父が戻ってくるために、住宅改修が必要です。外階段の昇降機の取り付けだけでなく、父が部屋でできるだけ一人で不自由なく過ごせるよう、在宅時代のケアマネジャーさんと相談し、細かい部分まで整えることにしました。狭い部屋の中での移動は、車いすでは難しいので、歩行器を使うことになります。転倒を防ぐために、たたみからフローリングに替え、小さな段差もできるだけなくしました。廊下は歩行器で歩くものの、トイレやお風呂での転倒が心配です。そこで、父の状態にふさわしい手すりをつけ、風呂用のいすなども用意しました。

 

この住宅改修には、予想以上のお金がかかりました。家計費から改修費を出すのもはばかられ、「早く仕事を探して働かなきゃ」と、焦りました。以前よりも7歳も年取った自分を、雇ってくれる職場はあるのだろうか。腰痛持ちだから、立ち仕事はつらいな……。そんなことを考えながら、新聞の折り込みチラシを見る時間も増えました。

 

そんな折、以前働いていた歯科医院の奥様に、近所でバッタリ会いました。奥様もお父様の介護で大変だった時期があり、話を親身になって聞いてくれました。そして、「じゃあ、またうちで働いてくれないかしら。あれから何人も、若いパートの女性が来たのだけれど、主人がどうも気に入らなくてね。ときどきあなたのことを思い出しては、『あの人が良かったなぁ』なんてつぶやいていたの。また来てくれたら、きっと喜ぶと思うのよ」と言ってくれたのです。路上にもかかわらず、涙が止まりませんでした。何度も何度も頭を下げ、さっそく次の週から働かせてもらうことになりました。

 

父と過ごせる時間を大切に

4_2秋も深まったころ、父は退院し、戻ってきました。父も私も、もうここに戻ってくることはないだろうと思っていたので、本当に感慨深いものがありました。つけたばかりの階段昇降機に、戸惑いながら乗る様子も微笑ましく、「はい、上手に乗れました、合格!」と私が言うと、満面の笑みを見せてくれました。

 

若いころ、父は私に厳しく、帰りが少しでも遅いと玄関先で仁王立ちになっていました。就職するときも結婚するときも口を出してきて、「こんなにうるさい父親は本当にいやだ」と思ったものでした。けれど、今はそんな父に言いたい放題言っている。父のほうが気を遣って、私を怒らせないようにしていて。父が不憫になりました。「お父さん、私、うるさいでしょう? ごめんね」声をかけると、「じいさんは、娘の言うとおりにするよ」と、おどけた様子で返してきました。こんなふうに、気軽に話せる時間を大切にしようと、心に誓いました。

 

大腿骨骨折をし、前立腺肥大もあるので、以前からの酸素ボンベのほかに、尿道にも管を入れ、車いすでと、日常生活では不便が多くなりました。それでも、やはり我が家での暮らしは心地よいようで、笑顔が輝きます。退院2日後には、さっそくデイサービスへ。以前の麻雀仲間も待っていてくれたようで、初日から楽しく過ごして帰ってきました。

 

無菌状態の病院とは違い、また、尿道に管を入れていることもあって、感染症を起こしやすくなっています。退院して1週間で高熱を出したときには、本当に心配しました。けれど、40度の熱を出しながらも、次の麻雀の日を楽しみにし、私や医師のいうことをすべて聞いて3日で熱を下げ、その2日後にはデイサービスへと出かけていきました。「まったく、麻雀のためなら、なんでもできるのね」と、大笑いしたものです。

 

この先、どれぐらい生きられるのだろう。そんなことを考え始めたら、つらくなります。だから、父のいる生活を一日一日大事にしようと考えています。ただ、お互いにその気持ちが重荷にならないように。今日も私は「お父さん、私はでかけてくるよ。冷蔵庫の昼ご飯、自分でチンして食べてね!」とわざとつっけんどんに言います。父は父で、「おう、遊び人!」などと言って送り出してくれます。本当にこんな日々が長く続けばいいなと祈っています。

 

*写真はイメージです。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

プロフィール

W・Tさん(女性 56歳)歯科医院勤務
千葉県在住。夫、社会人の長男、大学生の長女がいる。8年前、同居した両親(父80歳、母71歳)が同時に体調を崩し、2人の介護に追われる。先に母親が死去し、その後は骨折や肺気腫の症状で呼吸不全を繰り返す父親の介護に明け暮れる。夫や子供たちは理解があるが、その状況をひとりで抱えてしまったW・Tさん自身が体調を崩し、早々にパートの仕事を辞めるが、2年ほどは腰痛に悩まされる。現在はもとの仕事にもどり、週3日出勤する。

 

介護体験談はこちらの記事も参考に

私が思う「良い老人ホーム」より
●デザイナー・東海大学講師/山崎 正人さん
●モデル・タレント・ビーズ手芸家/秋川 リサさん
●フリーアナウンサー/町 亞聖さん
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さまざまな介護体験を語っていただいています
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→ 介護体験談<祖父母の介護 編> 一覧
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