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【最終回】ゆずこ家の介護はまだまだ続く!~漫画★孫娘のガチンコ介護

7月25日

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とうとう義母がグループホームへ、そして……~介護体験談 Rさん 3

2015年1月5日

お義母さんと心を通わせることができずに介護を続けていたR・Mさん。次第に体重が減り、疲れやすくなってきました。在宅介護と仕事・家事・育児との両立の難しさを乗り切る手立てを与えてくれたのは、ケアマネジャーでした。以後は穏やかな日々、しかし、事態は急変します。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

「あと半年であなたが危ない」と言われて

a0002_009635_m「四の五の言わずに私の身の回りの世話をやってよ。頼めばいいのかしら? ほら、このとおり」。笑いながら私に土下座した義母の姿が、何度拭っても瞼の裏に焼き付きます。今になれば、「世話してくれるこの人に嫌われたら大変だ」と必死になった義母の、不器用な行動だったと思えるのです。が、心も体もクタクタだった当時は、「こんな仕打ちをされるなんて」と、打ちのめされました。私はますます食べられなくなり、眠れない日が続いて、久しぶりに会う人に開口一番「どうしたの…?」と言われるほどでした。

 

たまらずにこの話を夫にしたけれど、夫は「聞きたくない」という態度。夫は夫で、自分の母親が認知症になったことを受け止めきれないのです。それなりに仲のいい夫婦だったはずなのに、真ん中に義母をはさむことで、立ち位置が変わってしまい、心もうまく通い合えないようになってしまったことが、私にとって一番悲しいことでした。インターネットで調べてみると、「姑の介護をめぐって離婚するケースは多い」と書いてありました。

 

義母がけがをしてから、3年たちました。相変わらず仕事と家事と介護の両立はうまくいかず、また義母も、少しずつ弱ってきました。娘たちが励ましてくれ、手助けもしてくれて、夫もまた、義母の病院の診療の付き添いなども買って出てくれました。が、夫が関わると、私が義母のために「こうして安全に過ごしてもらおう」と考えることを次々に否定されるハメになるのです。「そんなことをしなくてもいい、まだ元気じゃないか」。たしかに、しっかりと歩き、食欲もあって、年齢よりずっと若く見られることに変わりはありません。でも、着実に症状はすすんでいるのです。家の鍵をなくす、脱いだ下着は新しいものとごちゃごちゃ。朝夕の区別がつきにくくなり、何度も庭の水やりをしてしまう。その頃には、自分が骨折したことも、療養していたこともすべて忘れていました。気性も激しくなって、私に「うるせえ!」と叫ぶことも多くなりました。そんなとき、ついカッとしてしまう私。
もっと大人になればいいのでしょう。ダメだな、私、ぜんぜん何やってもダメだ……。

 

あるとき、ケアマネジャーさんに言われました。「そろそろお義母さん、グループホームに入ってもらいましょう」。いや、ショートステイとデイサービスでなんとかいけますから。私は即座に返答しました。すると、ケアマネジャーさんは「あと半年このままだったら、あなたが危ないと思うの。病んでしまうわよ」と。

 

病む? この私が? ないない、ないでしょう。自分のことを「鉄の女」だと思っていました。どんなことがあってもなんとか乗り越えていける。心が折れることなんて、そうそうないんだ、と。当時もそれなりに、「大変だけれど、まだまだやることがたくさん。がんばらなくちゃ」と思っていたのです。けれど、周囲から見れば私は危うかったようです。「ご主人には、私が話して説得するから。あなたは黙っていていいからね」

 

おずおずと、夫は私を誘って、グループホームの見学に行きました。親身になってくれるケアマネジャーさんが紹介するところはどこも、「これならそんなにイヤじゃない」と思えるようなところでした。その1件に決めて、春のあたたかい日、義母は納得づくでグループホームに引っ越していきました。60歳ぐらいの気のいい女性の施設長さんが運営する、家庭的なホームでした。

 

私はまた、落ち込みました。私のせいだ、と思いました。けれど、夫は「いいよ、元気なうちにグループホームに入れてよかったんだ。弱りきってからじゃ、かえってかわいそうだ」と言ってくれました。せめてもの罪滅ぼしにと、週に1日、土曜日の昼間は、家に帰ってきてもらうことにしました。週に一度なら、やさしくなれる。「よく帰ってきてくれたね」と、昼食を作って待っていられる。現金なものですが、これが私の気持ちを安定させてくれました。また、週に一度顔を見ることで体調がわかり、義母も生活に変化がついて、いい習慣になってきました。私たち夫婦もグループホームとはいいお付き合いをしたいと考え、イベントの手伝いなども積極的にやりました。

 

穏やかになった義母を支えて

a0960_005628_m義母は以前より、ずっと穏やかになりました。病状がすすんだせいもあるのかもしれません。が、ホームには、家族の面会が一度もない人もいます。そんな中、土曜日ごとに自宅に帰り、家族で過ごす自分を「恵まれている」と感じてくれたようです。私がつくる昼食を「おいしい」と食べてくれ、「いつもありがとう」と言ってくれるようになったのです。ホームに入る前にもっと仲良くなれたらよかったけれど、「これはこれでよかったのよ、おかあさん」と娘たちにも言ってもらいました。

 

そんな日々を送り、気づくとグループホームへの入居も3年を迎えました。義母がけがをした当時、中学受験をしていた次女も6年の月日を経て成長し、大学が決まりました。ほっとした3月、娘たちとお祝いの1泊旅行に出かけました。すると、翌朝早くに、グループホームから電話が。「お義母さま、今日、転倒したんです。たいしたことはないけれど、痛いっていうので安静にしています。念のためにお知らせしますね」。

 

えっ!? なんだろう、それ。転倒して痛がっているなら整形外科に連れていくべき。念のためどころじゃないでしょう、と思い、「私たちも旅先から引き上げますので、まずは受診してください」というのですが、渋るのです。聞けば、「今日は大事な会議があって……」。

 

あきれました。利用者のけがより、会議のほうが大事!? ここはひるむわけにはいきません。夫は出張で地方にいて、駆けつけられないのです。「とにかく私たちは帰りますから。その間に受診してください」。あわてて荷物をまとめて電車に飛び乗ると、途中で携帯電話に連絡がありました。「大腿骨骨折でした。救急で病院に行ってくれと言われているんですけれど、どこにしますか? 認知症だと大学病院とかは嫌われちゃうんですよ」。怒りがフツフツと沸いてきました。人目をはばからず、私は駅のプラットホームで叫びました。「なんで救急車に乗せないんですか!? 少しでも早く、救急病院に行ってくださいよ!」

 

結局、義母は市の病院の救急に運ばれました。家に荷物を置くなり自家用車を飛ばして救急外来に行くと、義母は私のほうを見て笑いかけました。「来てくれたの? 悪いわねぇ。けれど、私、なんで病院にいるのかしら。どこも悪くないのよ。心配しなくていいのよ、忙しいんでしょ、もう帰りなさいな」

 

認知症で病状がわからないとはいえ、痛さもあるのに、こんなときに気を遣うなんて。涙がどっと出てきました。それに、「嫁は忙しい人、だから迷惑をかけられないんだ」と思わせてしまっている自分も情けなくて、また涙が出てきます。

 

これから入院、手術と、義母には試練が待っています。「大丈夫、私がついているからね。がんばって元気になろうね」と、思わず手を握り締めました。

 

最終回はあらたなホームの入所を決断するR・Mさんを伝えます。

 

*写真はイメージです。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

プロフィール

R・Mさん(女性 54歳)団体職員
埼玉県在住。夫、ふたりの娘と4人暮らし。9年前、同居していた84歳の義母が縁側から落ちて右足のかかとを損傷。かろうじて歩けるようになったものの、2ヶ月後には認知症のきざしが。以後、徘徊、妄想などが始まり、本格的な介護が始まった。夫は義母の認知症を完全には認めないので、介護方針が立たない。どんどん病状がすすむ義母のサポートで疲れきり、軽いうつ状態になってしまう。

 

介護体験談はこちらの記事も参考に

私が思う「良い老人ホーム」より
●デザイナー・東海大学講師/山崎 正人さん
●モデル・タレント・ビーズ手芸家/秋川 リサさん
●フリーアナウンサー/町 亞聖さん
●エッセイスト・ライター/岡崎杏里さん
●フリーアナウンサー/岩佐 まりさん
●映画監督/関口 祐加さん
●漫画家/岡 野雄一(ぺコロス)さん

 
さまざまな介護体験を語っていただいています
→ 介護体験談<親の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<義理の親の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<妻・夫の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<祖父母の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<その他の介護 編> 一覧

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