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連載スタート!認知症★ドタバタ介護日記

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【最終回】ゆずこ家の介護はまだまだ続く!~漫画★孫娘のガチンコ介護

7月25日

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認知症の義母をめぐって、夫とぎくしゃく~介護体験談 Rさん 2

2014年12月29日

読者の赤裸々な介護の真実を語っていただくこの連載。R・Mさんの2回目は、けがが原因で自宅療養するうち、義母が認知症だと気づき、以後、家族関係が一変したエピソードです。お嫁さんとしての立場に悩み、夫との対話に違和感を……。夫婦と親子、どちらの関係も微妙に揺れます。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

言えばわかるのなら、苦労しない……

a0001_006867_m義母が認知症なのではないか、という思いはどんどん強くなりました。そういえば、バラの季節に、まだ咲いていない蕾をどんどんハサミで切ってしまったり、毎日のように同じ惣菜を買ってきたり。でも、「おかしい」と思うほどのことでもないか、と思っていたのです。しかし、懇意にしていた女性の名前まで忘れてしまうのは、どう考えても……。

 

けがのときにお世話になったケアマネジャーさんに相談してみました。すると、「専門医に見てもらったら?」とのこと。要介護認定を受けたばかりなのに……、と思いましたが、「あのときはけがのことが中心だったでしょう? でも、けがをきっかけに認知症がすすんでしまう場合も多いから」と。言われるままに検査を受けてみると、はっきりとアルツハイマー型の認知症だとわかりました。

 

そもそも、縁側から落ちた経緯をもう一度詳しく聞いてみました。義母は、天気がいい日は、縁側脇のエアコンの室外機の上に、よく座布団を干しています。その室外機の座布団の上に乗ってさおにかかっている洗濯物につま先立ちで手を伸ばしたところで、落ちたのだそうです。

 

びっくりしました。ツルツルした室外機の上に乗せた座布団。そこに84歳のおばあさんがつま先立ちで登ったら、落ちてもおかしくはありません。しかも、義母の部屋からは高いところにあるさおに、自室から洗濯物を干したり取り込んだりしているなんて。リビング側に回れば安全に干せるのに、「だってそんなの、めんどくさいじゃない」と。毎日そうしていた、と。運悪く落ちたのだと思っていました。でも、むしろ今まで落ちなかったのが、運がよかったのでしょう。84歳という年齢を自覚していないのだろうか……。そういえば、「おてんばだからねぇ」と笑う義母に、認知症の検査の医師が「何歳ですか?」と聞いたとき、義母は「67歳」と答えていました。

 

それに、あんなに痛い思いをしたのに、私が仕事から戻ると、さおに自室からタオルを干したり取り込んだりしている形跡があるのです。真っ青になりました。「おかあさん、縁側からタオルを干しているの?」と聞いてみたら、「干していないわよ」と涼しい顔。嘘をついているのか、それとも、干したこと自体を忘れているのか。いずれにしても危険だと思い、ケアマネジャーさんと相談して、室外機の上に登れないように工夫し、さおの位置を変えるようにしようと思ったのですが、あろうことか、夫に反対されました。

 

「わざわざそんなことをしなくても、言えばわかる」と言うのです。骨折したのに干している、それなのに「言えばわかる」の!? この人までおかしくなってしまったのかと、愕然としました。けれど、何度も口論しているうちにわかりました。夫は自分の母親が認知症になったことを認めたくないのです。年齢以上に若いことを、義母も夫も自慢していました。義母が認知症だと認めてしまったら、自慢の母親像が崩れてしまうのかも……。「よくあることですよ。男性はお母さんが大好きなのよね」と、ケアマネジャーさん。それからは、義母に危険がないか常に目配りするとき、同時に夫を刺激しないようにするなど、2倍に神経を使わねばならなくなりました。

 

嫁は姑を世話する存在でしかないのか?

2_2それから数ヶ月の間に、義母の認知症はどんどんすすんでいきました。ひとりでは置いておけず、デイサービスに通ってもらうことにしました。当初、16時ごろ帰宅してからはひとりで過ごせていたのですが、出かけるのが大好きなので、夕方からでもふらっと散歩に行ってしまいます。でも、ときどき帰り道がわからなくなり、ガスをつければつけたことを忘れてやかんを焦がしてしまう。もう、ひとりでは置いておけず、デイサービスからの帰りを待ち構えるヘルパーさんをお願いし、19時まで過ごしてもらいました。

 

夫は義母がデイサービスに通うことも、ヘルパーさんを頼むこともおもしろくないようで、相変わらず「言えばわかるのに」と何度も言われます。家にいろいろな人が入ることも男性にとってはわずらわしいのはわかるのですが、介護も私にはこれで精一杯、日々やることがあふれます。運がいいのか悪いのか、春から昇進してますます仕事の面でも責任が重くなり、19時に家に帰ることすらままならない日も。そういう日は娘たちがみていてくれるのですが、試験前でも夏休みでも頼まなくてはならないのがはばかられて。何もかもうまくいかず、自分の力のなさを痛感……。私、何やっているんだろう。仕事よりなにより、一番大切なのは家族のはず。一度仕事を退職し、週2日か3日のパートに替えようか――。そう考え始めた頃、ケアマネジャーさんから、言われました。

 

「あのね、今、必死だから気づいていないと思うけれど、ずいぶん痩せましたよ。夜、きちんと眠れていますか? ご主人とのこと、大丈夫? 退職したら時間はできるけれど、その分、お義母さんと正面から付き合わないといけないのよ。精神的にはもっとつらくなるんじゃないかしら」。それに、とケアマネジャーさんがおずおずと言いました。「昔の人だから、嫁姑の関係を、何かこう、力関係みたいに思っているのかな。お義母さんね、お元気な頃は、『人の世話にはならない、そのかわり人の世話もしない』って言ってたんでしょう? でも、この間は、『私のことは一生、嫁にきっちりと世話させるから』って」

 

しばらく、口がきけませんでした。ケアマネジャーさんが帰ってからも、何もする気が起きず、床にヘタリ込みました。義母の世話をぜったいにしたくないわけじゃない。具合が悪くなったら、もちろん心配だし、できる範囲でしかないけれど、なにがしか世話をする。でも、そんなふうに私のことを思っているなら……。

 

数日後、意を決して、私は母に宣言しました。「お義母さん、お義母さんはこれまで『人の世話にはならない』っていうことで、私たちと触れ合うこともほとんどなくて、ここまできましたよね。だから、急に具合が悪くなっても、私、うまくお義母さんのお世話ができる自信がないです。もちろん、お医者さんに付き添うなど、必要なことはしますけれど、きめ細かいお世話を期待されても、できそうもありません」。

 

言ってしまった。義母はどう反応するんだろう。泣いたりしたら、かわいそうだな、年寄りにこんなことを言う自分も非情すぎる。認知症の人がやることなんだから、大目に見ればいいのに。私って、大人げない。やっぱり考え直して……、なんて思っていたら、義母は笑いながら、こう言いました。「四の五の言わずにやってよ。頼めばいいのかしら? ほら、このとおり」。そして、ヘラヘラと笑いながら、私に土下座したのです。

 

次回は決断をするR・Mさんを伝えます。

 

*写真はイメージです。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

プロフィール

R・Mさん(女性 54歳)団体職員
埼玉県在住。夫、ふたりの娘と4人暮らし。9年前、同居していた84歳の義母が縁側から落ちて右足のかかとを損傷。かろうじて歩けるようになったものの、2ヶ月後には認知症のきざしが。以後、徘徊、妄想などが始まり、本格的な介護が始まった。夫は義母の認知症を完全には認めないので、介護方針が立たない。どんどん病状がすすむ義母のサポートで疲れきり、軽いうつ状態になってしまう。

 

介護体験談はこちらの記事も参考に

私が思う「良い老人ホーム」より
●デザイナー・東海大学講師/山崎 正人さん
●モデル・タレント・ビーズ手芸家/秋川 リサさん
●フリーアナウンサー/町 亞聖さん
●エッセイスト・ライター/岡崎杏里さん
●フリーアナウンサー/岩佐 まりさん
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さまざまな介護体験を語っていただいています
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→ 介護体験談<義理の親の介護 編> 一覧
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