有料老人ホーム・介護施設の資料請求ならオアシスナビ

広告掲載をご検討の方

オアシスナビ×ハートページ

旅先ではぐれ、会えたときの嬉しさが忘れられない~介護体験談 Tさん 3|オアシスナビ 介護の知恵袋では、お役立ち情報を毎日配信!

目的別に記事を探す

連載スタート!認知症★ドタバタ介護日記

W認知症・じーちゃんばーちゃんと暮らす、ゆず子の介護奮闘記!

どうなる?一人暮らしの認知症ばーちゃんの今後~漫画★孫娘のガチンコ介護

6月20日

どうなる?一人暮らしの認知症ばーちゃんの今後~漫画★孫娘のガチンコ介護

→続きはこちら

旅先ではぐれ、会えたときの嬉しさが忘れられない~介護体験談 Tさん 3

2014年10月13日

認知症がすすむ奥様を愛情深く見つめ、ユーモアあふれる介護を続けているT・Tさん。工夫をしながら旅行も楽しみました。旅のエピソードをまじえながら、ふたりの暮らしぶりを伝えてくれます。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

駅のトイレで行方不明に

a0050_000422_m妻が認知症になったことは、だれにでも包み隠さず伝え、どこへでも連れて行きました。恥ずかしいことでもないし、周囲の人に知ってもらったほうが、誤解もなく、スムーズですからね。旅行も何度も楽しみました。
JRの、夫婦で使える3日間1万2000円のお得なチケットがあるんですが、それを使ってよく旅をしました。新幹線にも乗れるし、指定席もとれるので、私たちのような年齢の夫婦にはありがたいチケットなんですよね。もちろんそのチケットは2泊3日で使うことを想定しているのですが、我が家は日帰りです。3日間のチケットでも、1泊もせず、家に帰ってはまた、出かけるんです。妻は家以外の場所で眠ると混乱してしまうので、旅館に泊まるのは遠慮しました。なので、青森に行って帰る、翌日は金沢に日帰り、次は山形、なんてね。全部往復ですから、とても安上がりでした(笑)。

 

仙台には妻の姉が住んでいるので、とりわけ何度も行きましたね。現地で姉と長時間過ごせるよう、夕方遅い時間の指定席をとるのですが、あるとき、昼ご飯をたべたら、「もう帰る」と言い出しましてね。まだ帰りの新幹線の指定の時間より、だいぶ早いんです。「もう少しここにいようよ」とすすめるのですが、帰るといってききません。しかたなく早めに新幹線駅に着いて、駅ビルで時間潰しをしていました。

 

すると、「トイレに行きたい」と言うのです。旅行でネックになるのは宿泊だけでなく、トイレも、なんです。観光地やデパートなどのトイレは、男性がいっしょに付き添うわけにいかないでしょう? それで、ひとりで行かせて、少し様子を見て大丈夫そうだったら、慌てて自分もトイレに行く、というようなことをしていました。

 

ところが、そのときに限ってなかなか出てこない。待てど暮らせど出てこないので、中にいる方に事情を話してお願いし、妻の名前を呼んでもらったのですが、「トイレにはいないようですよ」という返事が。トイレに列を作っていたらしく、私が男性用トイレに行っている間に、待ちきれずに出てしまったんですね。

 

さあ、大変です。フロアじゅう、探し回りました。迷子の呼び出しをかけてもらおうかと思ったのですが、たぶんちゃんと聞いてくれないだろうと思い直して、ひとりで探していました。でも、30分探してもいないんです。
途方にくれていると、むこうからトボトボと歩いてくる妻を見つけましてね。もう、うれしくてね。妻を抱きしめましたよ。怒る気になんてなれませんでした。妻はひとりで悪態をついて、こっちの気持ちなんてどうでもいいという様子でしたけれど。私にとっては、こんなにうれしいことはなかった。

 

空港で迷子になって、搭乗口まで走る、走る

a0790_000489_m忘れられないのが、沖縄旅行です。認知症だとわかってから4年ばかりたった頃、ふと沖縄旅行の安いチケットのことを知って、ふたりで行こう、という気になりました。飛行機で行くのですから、今度ばかりは宿泊ですが、どうしても行きたくてね。なんとかなるだろうと、手配しました。

 

でも、トラブルは起きました。那覇空港でポケットティッシュがきれているのに気づいたんです。荷物検査のところは長蛇の列。私は並んでいなければ、と思い、妻をひとりで売店に行かせたんです。ただ売店で、「ポケットティッシュください」と言うだけだから、大丈夫だろうと思って。でも、それがいけなかった。待っても帰ってこない。青くなりました。飛行機に乗れなかったらどうしようかと。今度はためらわずに放送をかけてもらいました。

 

必死に探すと、妻はぜんぜん違うところにいました。もう、搭乗までわずか。全日空の荷物検査はあいかわらずの長蛇の列で、職員さんの判断で、「日本航空から入れてもらいましょう!」。無理やり日本航空のところから入り、あとは妻と手をつないで、搭乗口まで走る走る。あんなに走ったことはない、というぐらい走りました。そしてギリギリセーフ。ドッと汗が噴き出しましたよ。

 

こんな思いまでして、旅行になんか行かなくてもいいんですけれどね。でもね、行きたかったんです。妻との思い出を作りたかった。妻のためだのなんだの言うよりも前に、自分が行きたかったんですよね。
介護だって、そうです。だれの世話にもならない、自分が妻を看るんだ、なんていうとカッコイイですが、自分が妻を独り占めしたかったんですよね。毎日手をつないで歩き、着替えさせては食事をさせて。着せ替え人形みたいな、ペットみたいな。そんな感じでした。妻も、私の言うことだけはちゃんと聞いてくれましたからね。ふたりの世界にひたって、日々を過ごす。そんな10年間を、私たちは送ったのです。

 

最終回の次回は、特別養護老人ホームに入所する奥様の様子をお伝えします。

 

*写真はイメージです。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

プロフィール

T・Tさん(男性 74歳)自営業
3人の息子さんとともに5人家族で暮らすうち、T・Tさんが62歳、奥様が60歳のときに、奥様が認知症を発症。デイサービスとショートステイだけを使って11年間、だれにも手伝ってもらわず、ひとりで介護を続けた。いつもふたりで寄り添い、旅行や買い物にもふたりででかけていた。歩行が困難になり、車椅子になってから2年、申し込んでいた特別養護老人ホームのあきが出て、10カ月前に入所。現在は毎夕、食事時間に訪問、仲のいい夫婦としてホームでも有名。

 

介護体験談はこちらの記事も参考に

私が思う「良い老人ホーム」より
●デザイナー・東海大学講師/山崎 正人さん
●モデル・タレント・ビーズ手芸家/秋川 リサさん
●フリーアナウンサー/町 亞聖さん
●エッセイスト・ライター/岡崎杏里さん
●フリーアナウンサー/岩佐 まりさん
●映画監督/関口 祐加さん
●漫画家/岡 野雄一(ぺコロス)さん

 
さまざまな介護体験を語っていただいています
→ 介護体験談<親の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<義理の親の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<妻・夫の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<祖父母の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<その他の介護 編> 一覧

関連する記事
コメントを書く
ユーザー名:40文字以内
コメント:200文字以内
この条件で検索

このページのトップに戻る

都道府県から老人ホームを探す