有料老人ホーム・介護施設の資料請求ならオアシスナビ

広告掲載をご検討の方

オアシスナビ×ハートページ

母の認知症に気付いたきっかけは、冷蔵庫の食材~介護体験談 Sさん 1|オアシスナビ 介護の知恵袋では、お役立ち情報を毎日配信!

目的別に記事を探す

連載スタート!認知症★ドタバタ介護日記

W認知症・じーちゃんばーちゃんと暮らす、ゆず子の介護奮闘記!

【最終回】ゆずこ家の介護はまだまだ続く!~漫画★孫娘のガチンコ介護

7月25日

【最終回】ゆずこ家の介護はまだまだ続く!~漫画★孫娘のガチンコ介護

→続きはこちら

母の認知症に気付いたきっかけは、冷蔵庫の食材~介護体験談 Sさん 1

2014年9月1日

身内が介護状態になると、親族は本当に大変です。仕事や家事や育児がありながら、終わりのないお世話に明け暮れる。想定外の行動や、健康状態の急変にも対応して……。
そんな介護の実態を、包み隠さずお話いただくのが、新連載の「私の介護体験談」。赤裸々な現実に驚きながらも、ひたむきに行動する方の心に触れることで、きっと読者のみなさんの心にも、変化が起きるのではないかと思います。

 

初回は、実のお母様(86歳)が認知症になってから16年。さまざまなドラマをくぐり抜けてきた女性S・Aさん(53歳)の体験談を4回に分けてお送りします。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

あるはずの食材を「ない」と言い張る母

1_1はじまりは、レタスでした。18年前、まだ幼稚園児だった子供たちを連れて、実家に泊まった翌朝のことです。

 

母に代わって朝食の準備をしていてパンを切り、サラダをボウルに盛ろうとして、何気なく母に声をかけました。「レタス、使うね」。すると、母は「レタスは切らしてるの」。あれ、でも昨日の夜、レタスは半分しか使わなかったのだから、まだあるはず。「あるでしょう?」「ないのよ」の押し問答で、埒があかないので、冷蔵庫の野菜室を開けて、「ほら、あるじゃない」とレタスを指さしました。
無言の母――。でも、とにかく朝食を、とサラダを作っていると、玄関のドアがバタンと音を立て、母は出ていってしまいました。

 

あれ? 朝からどこに行くのだろう。牛乳でも買いに行ったかな――。けれど、朝食がテーブルに並ぶ頃になっても、母は戻ってきません。父も「どこに行ったのかな」とつぶやくばかりです。味気ない朝食を終え、そして昼食を食べる頃になっても母は出かけたままです。私の胸はザワザワと音を立て始めました。

 

やっぱりそうだ、やっぱりそうなんだ……。数カ月前から、ひそかに母の異変に気づいていました。同じことを繰り返し言うようになった。言い置いたことをすっかり忘れていることも多くなった。70歳、それなりに忘れっぽくなる年齢だとしても、まだ「老化」と言うには早いのではないか、そうだとしたらちょっとマズイな。
車で30分の距離に両親が住んでいるのに、子育てと仕事の両立で多忙、と言い訳にして年に2,3回しか会わない。そろそろもう少し頻繁に母を見守りに来ないといけないかな、と思っていた矢先でした。

 

母も、自分の異変に気づいていたのでしょう。母の家系は認知症の人が多いのです。母の実の母親も、敬愛していた姉も、認知症になりました。
「私もいつかなると思う。そうなったら、施設に入れてちょうだいね。みんなに迷惑をかけるのはいやなのよ」。冗談まじりに言っていたけれど、目が真剣だったのも知っていました。そんな母に、私は、知っていながら「ほら、あるじゃない」と言ったのです。母が胸に押し込めていた「もしかしたら私は認知症かも」という不安に対して、「ほら、やっぱりあなたは認知症よ」と言い放ったのも同然でした。だから、苦しくていたたまれなくて出て行ったんだ……。なんてことをしたんだ、私は!
泣き叫びたくなったけれど、子供たちの手前、泣くわけにもいきません。気づいていない父を急に驚かせてもいけない。

 

出かけていたことすら忘れてしまうのか……

1_2日曜日なのだから、2階で二世帯同居している兄夫婦が家にいるだろう。私は2階に駆け上がりました。

 

半ベソ状態で「ねえ、母が認知症になっちゃったんじゃないかと思う。どうしよう」と吐き出したのです。すると、兄は「そうなの? やっかいだな。あんまりひどくなったら施設に入れるしかないかな。自分でもそう言ってたんだから」などとしどろもどろに言うのです。二の句が継げず、下に降り、いたたまれない思いで時間を過ごしていると、バタン、とドアがあいて、何食わぬ顔で、母は帰ってきました。

 

ここで怒ってもあやまってもダメだろうと思い、なるべく冷静に、「買い物に行ったの? ずいぶん長く出かけてたね」と声をかけてみました。すると、母は答えたのです。
「あら、角のお菓子屋さんにお菓子を買いに行っただけよ。そんなに長かったかしら?」
私は、自分がみるみる青ざめて行くのを感じていました。

 

それからです、母が数時間単位でプイと家を出るようになったのは。最初はふた月に一度ぐらい。父などに自分の失態を見られたときに、です。けれどそれが1カ月に一度になり、月に2、3回になり。そしてついに、警察から実家の父あてに電話がかかってきました。「奥様を保護しています。帰り道がわからなくなったようです」。

 

次回は、認知症が進んだ母親と父親との葛藤をお伝えします。

 

*本文中の写真はイメージです。

 

*この体験談の1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

プロフィール

S・Aさん(女性 53歳)会社員
母親は70歳で認知症を発症し、16年間介護を続けている。短期記憶の衰えから始まり、徘徊など、さまざまな行動も始まる。同居の父親は常勤の仕事を持ち、いわゆる昔の男として、母親に以前と同様の家事などを要求し、混乱を招く。2階に長男家族が住み、同居の際には両親の介護を請け負うのも暗黙の了解であったが、いざ直面すると逃げ腰に。S・Aさんは車で30分の距離に住まいを持つ。

 

介護体験談はこちらの記事も参考に

私が思う「良い老人ホーム」より
●デザイナー・東海大学講師/山崎 正人さん
●モデル・タレント・ビーズ手芸家/秋川 リサさん
●フリーアナウンサー/町 亞聖さん
●エッセイスト・ライター/岡崎杏里さん
●フリーアナウンサー/岩佐 まりさん
●映画監督/関口 祐加さん
●漫画家/岡 野雄一(ぺコロス)さん

 
さまざまな介護体験を語っていただいています
→ 介護体験談<親の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<義理の親の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<妻・夫の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<祖父母の介護 編> 一覧
→ 介護体験談<その他の介護 編> 一覧

関連する記事
コメントを書く
ユーザー名:40文字以内
コメント:200文字以内
この条件で検索

このページのトップに戻る

都道府県から老人ホームを探す