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良い介護とは「介護される側の立場に立つこと」関口 祐加さん(1)

2015年6月23日

オーストラリアで映画監督として成功し、一児をもうけて29年間生活。しかし、横浜に住む実母がアルツハイマー型認知症になり、潔く当地での暮らしに終止符を打った関口さん。介護をしながら、お母さまの宏子さんを撮り始め、その作品『毎日がアルツハイマー』が、大きな注目を浴びました。
宏子さんを見つめるその目はユーモアとあたたかさに溢れていますが、いざ日本の”認知症介護””老人ホームのあり方”を話題にすれば、厳しい論調に。介護とは、ホームとはどうあるべきか? 映画監督として、この国で暮らす介護者として、熱く語っていただきました。

 

*このインタビューの1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

○●○ プロフィール ○●○
関口 祐加(せきぐち・ゆか)さん 映画監督
1_1横浜生まれ。大学卒業後、オーストラリアに渡って映画を学び映画監督に。1989年『戦場の女たち』で監督デビュー、数々の賞を受賞。オーストラリアでは結婚、出産、離婚を経験。2009年、自身のダイエットを記録した映画『THE ダイエット!』が日本で劇場公開。2011年1月、母の介護をしようと決意し帰国。以来、母宏子さんと二人暮らし。2012年、宏子さんを主人公に撮影しYou Tubeにアップした動画が注目を集め、『毎日がアルツハイマー』として映画化。2014年1月『毎日がアルツハイマー2〜関口監督、イギリスへ行く編』も上映。現在は『毎アル』の最終劇場公開版を製作中。著書に『ボケたっていいじゃない』(飛鳥新社刊)など。

 

毎日がアルツハイマー2 公式サイト

 

母の不安を感じたときに「一緒に住もう」と決めた

――関口さんは、29年間オーストラリアに在住し、生活や仕事の基盤を築いたのに、当地での生活に終止符を打って、2010年から横浜でお母様の介護をしていますね。
何がきっかけでお母様と二人暮らしをすることになったんですか?

長期休みには日本に来る息子の先人くん。宏子さんもうれしそう。「毎日がアルツハイマー」シリーズ公式facebookより

長期休みには日本に来る息子の先人くん。宏子さんもうれしそう。「毎日がアルツハイマー」シリーズ公式facebookより

母は子どもの頃から優等生タイプでした。6人きょうだいの末っ子だったので注目してほしくて、一生懸命に勉強をし、いい子でいたような人です。結婚してからも良妻賢母で堅実で、プライドも高く、人に弱みを見せない人でした。

 

ところが、認知症になってからの2010年のクリスマス。息子の先人(さきと・現在15歳)と里帰りしたときに、彼はおばあちゃんがクリスマスケーキを忘れるのを見越して、日めくりカレンダーに「ケーキ買うのを忘れないでね」と書いたんですよ。結果的には、私がケーキを買って、みんなで和やかに食べたんですけれど。
でも、すべて片付けが終わったときに、母はその日めくりを持って私のところに来て、「どうしよう、さきくんが書いてくれてたのに、ケーキ忘れちゃった!」って。その目が不安に満ちていたんです。

 

さっきケーキを食べたばかりなのに、忘れてしまったことには、驚きませんでした。その前から、記憶障害の症状は出ていましたからね。けれど、あんなにプライドが高くて、人に不安そうなところを見せない人が、プライドも取り払って、不安そうな目をして私を見てる。その目を見たときに、「ああ、もう母はひとりでは暮らせないんだ」と思ったんです。

 

それで、オーストラリアに帰って、アパートをたたんで、2週間で横浜に戻ってきました。むこうでは映画学校の講師をしていましたが、ちょうど新学期の前だったので辞めさせてもらいました。一緒に住んでいた息子の先人は、離婚した元夫に託して、ときどき会いに来ることにして。とにかく、すぐに母と暮らそうと思ったんです。思い立ったら行動はとにかく早いんで(笑)。

 

――妹さんのご家族が、お母様の実家の2階で暮らしていたんですよね? 何くれとなく、面倒を見てくれていたと思うのですが。

宏子さんと、孫の樹(こと)子ちゃん(妹さんの末娘)の2人は大の仲良し。『毎日がアルツハイマー』より

宏子さんと、孫の樹(こと)子ちゃん(妹さんの末娘)の2人は大の仲良し。『毎日がアルツハイマー』より

そうですね。ところがある日、妹から焦ってオーストラリアに電話があったんです。「お母さんが、自宅のドアにチェーンをかけて、入れてくれない!」って。妹は昔から母にストレートにものを言うし、ちょっと仕切り屋のところもあって。母は、自分が仕切り屋なので仕切られるのがすごく嫌いなんですよね。何か、カチンとくることがあったのでしょう。

 

よく、「きょうだいは平等に介護しなければ」と言うけれど、私は、それは介護する側の勝手な理由だと思うんです。親にだって、相性のいい子どもと、ちょっと苦手な子どもがいる。そして誰だって、相性のいい子どもの方に介護されたいでしょう? それなら、私が母のもとに帰ろう、と。ずっと離れて好き勝手をしていたんだから、私が介護しよう、という気持ちでした。

 

介護する側の価値観を押し付けないで

――映像を見ると、お母様は、かなり自由に物事をおっしゃっている感じがしますよね。
自由に遠慮なく物を言うようになったのは、認知症になってからです。かつての母は「きちっとすること」が大事と考えて、日々努力を重ねていました。でも、本来は、もっと自由に勝手にやりたかったんでしょうね。建前と本音にすごいギャップがあった人でした。でも、認知症になったら、その建前が消えて、本音の部分がたくさん出てくるようになった。

自由で伸び伸び。時にひょうきんな面を見せる宏子さん。『毎日がアルツハイマー2』より

自由で伸び伸び。時にひょうきんな面を見せる宏子さん。『毎日がアルツハイマー2』より

 

母は、「自分の人生は後悔だらけ」と今言っています。そこは、切ない。自分を殺して人の目を気にして、ほめられるためにだけがんばってきたんですよね。79歳で認知症になって、はじめて本音で生きられるチャンスを神様にもらったんだと思うんです。
だから、妹がいやなら「いやだ」って言える、母の心がそんな風に自由になれたことは、すばらしいって、私は思っています。

 

介護される側が「いやだ」と思っているなら、無理強いは絶対にしない。介護する側が、介護される側に合わせつつ、違うプランを考える。そこが重要だと思います。

 

――そういうふうに認知症を見られる人は、まだまだ少ないですね。
そうですね。同じ母を見ているのに、妹は「母親がわがままになって壊れていっている」という見方をします。
同じ対象を見ても、人によってぜんぜん違う見方をしますよね。たとえばそれって、コップの中に水が半分入っていたとして、「半分しか入っていない」と思うか、「半分も入っている」と思うか、ということでもあります。

 

『毎日がアルツハイマー』を撮ってから、介護に関する講演をよくするんですが、そこで「うちの母親は、顔を洗うのを忘れるんです」と泣く家族の方の訴えを聞いたりします。私は「えっ、どうして顔を洗わないといけないんですか?」と聞き返します。
毎日顔を洗って化粧をしないといけないと思うのは、介護する側の価値観でしょう? それを相手に押し付けて、できないことを許せないと思うのは、どうなんでしょうか。

 

Aというプランがあって、それがうまくいかなければ、プランBを持てばいい。顔を洗うことは大切だけれど、それができないなら、「顔をふく」というプランBではダメ?「なんで顔を洗えないの?」とプランAに固執することで、認知症の人を苦しめ、介護も自ら苦しくしていますよね。

 

いろんな人の介護の話を聞いていると、本当に人それぞれ。そして、その話から本人の考え方や生き方が見えてくるような気がします。つまりそれは、単に介護の悩みを人に話しているようで、実は介護する人の生き方を語っていることになります。

 

介護をきっかけに、ご自分の人生の価値観も考え直す。イマジネーションを駆使して、プランBを考えることが大切なのではないでしょうか。

 

<今回のまとめ>

関口さんの考える「良い介護のポイント」とは

 

・認知症は、我慢して生きてきた人が自由になれる「神様からのプレゼント」と、ポジティブにとらえる
・だれが介護するかを、介護する側の都合で決めない。介護される人が「介護して欲しいと思う相手」が介護をするのがベスト
・うまくいかないときは、もうひとつのプランを柔軟に考える

 

次回は、関口さんが考える「介護サービスや老人ホームでの介護の問題点」について語っていただきます。

 

*このインタビューの1回目2回目3回目4回目(最終回)はこちら

 

長編動画『毎日がアルツハイマー』と『毎日がアルツハイマー2』については、オアシスナビ映画紹介記事で詳しくご紹介しています

 

 

老人ホームを検討される方は・・・【初めての老人ホーム探しガイド】

現在老人ホームや高齢者向け住宅を検討中の方は、こちらのページも、ぜひ参考にしてみてください。

 

●本人と家族にぴったりの老人ホームを探すには→ 老人ホームの「見つけ方・選び方」

 

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