老人ホーム入居者はどんな日常を送っているの? 入居者同士やスタッフ、家族との人間関係は? 外からはなかなか見えにくい、老人ホーム内部の人間ドラマをお伝えします!
今回紹介するのは、「老人ホームに入居して人生初のモテモテ体験」です。
女性と接する機会が少なかったマサルさん
これまで身内や親族が老人ホームに入ったことがない人には驚きかもしれませんが、老人ホームの内部は女性上位の社会です。
もちろん例外はあるでしょうが、一般的に入居者の男女比率は、圧倒的に女性のほうが多いものです。
そんな事情をまったく知らずにサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入居した男性・マサルさんは、人生初の“モテ期”を迎えたといいます。
マサルさんは、70代前半というかなり若い年齢でサ高住に入居しました。いままでの人生は、とにかく女性との関わりが薄いものだったといいます。
中学から親元を離れて寮生活を送り、通った学校は男子校。そのまま学生生活を終え、就職した先はこれまた男性だらけの職場で、それは退職の時まで変わらなかったそうです。
お見合いで結婚し、子どもも授かったマサルさんでしたが、50代を前にして妻を亡くし意気消沈。徐々に酒量が増え、挙句に大病を患ってしまい、それが70代前半でのサ高住入居に繋がりました。
「話が合わない」とグチをこぼしていたはずが…
しかしマサルさんはサ高住入居以降、多くの人から「若くなった」と言われるといいます。
息子さんがその“からくり”をこう語ります。
「父の老人ホームを選ぶ際は、『息子の自分が住んでいる所から近い』というのを最優先事項にしていました。他にどんな人が住んでいるのか、などはあまり知らずに施設を選んだんですよね。
父もそれに異存はなかったのですが、幸か不幸か、父が入居したサ高住は入居者の大半が女性で、しかも父はぶっちぎりの最年少だったんです。
入居当初、父は『話し相手がいない』『話が合わない』と、かなり文句を言っていました」
そんなことから、施設が行うレクリエーションにはほとんど参加せず、自分の部屋に閉じこもってテレビを見る日々だったマサルさん。
しかしあることがきっかけで、他の入居者と交流を始めるようになったそう。
「他の入居者と交流しようとしない父の様子を見かねた施設の職員の方が、父と同郷の女性の入居者がいることを教えてくれたんです。
そうしたら、幸いにも話が弾んだみたいだったんですよね。
すると、他の女性の入居者たちが、『私も若い男の人とおしゃべりしたいわ』『私にも紹介して』『マサルさんは噂の人だったのよ』と言い出したみたいなんです」
今では、マサルさんの周りには常に女性がおり、さながらハーレム状態。マサルさんは、口では「あんなおばあさん連中にモテたって……」と、言っているものの、まんざらでもない様子で、身に付けるものなどにも微妙に気を使いだし、イキイキしてきたそうです。
老人ホームに入居することで若返る。そんな効果もあるようですね。
良い老人ホームの「見つけ方・選び方」
