介護付き有料老人ホームを取材!
介護スタッフが自主的に業務改善や自らの成長に取り組んでいる、「メディカルケアホーム与野中央」。最終回の今回は、“和”をあしらった施設の特徴や、「入居一時金が不要」という料金体系についてご紹介します。
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和める“和”の要素が随所に

玄関付近の“和”の雰囲気
「メディカルケアホーム与野中央」を訪れると、玄関上部の日本風の庇(ひさし)が目を引きます。そして、あたりには和風の植生もあり、どこか落ち着いたたたずまい。
施設内に足を踏み入れると、ロビーの一角にガラス戸で囲われた中庭が眺められます。応接セットに接したその中庭には、白い小石が敷き詰められ、大きな石と和風の照明が据えられています。
さらに足を進めると、正面の浴室の入り口も温泉旅館の大浴場のようなつくり。このように、入り口から1階のロビーにはどこか和風の宿のような雰囲気が漂います。

吹き抜けになった和風の中庭
「入居者様のご自宅も和風建築の家が少なくないと思いますが、やはり“和”の要素は日本人にはしっくり馴染んで和めるものがありますよね。介護施設は、介護サービスが効率的に行えるための近代的な洋風建築がほとんどだと思います。当ホームもそうです。しかし、少しでも和める要素を持たせたいと、ささやかですがそんな工夫を取り入れてみました」と施設長の鈴木善己さんは説明します。
たしかに、こうした要素があるとないとでは大きな違いがありそうですね。ちょっとしたことでも、入居者の生活に花を添える要素は大切なものだといえます。
また、同ホームで実施している花見や花火大会、近隣の公園にあるバラ園への散歩など、季節ごとのイベントも花を添える要素といえます。
入居一時金は0円で入居しやすく

近くの公園にあるバラ園への散歩レク
そんな老人ホームでありながら、気になる費用面では入居一時金が不要といううれしい対応。入居一時金が0円だと、その分、月額費用が高くなりやすいものですが、同ホームの月額利用料は一律21万円(税込)。ここに食費や電気水道代なども含まれています。
他に、生活するにあたってかかるのは、医療費やオムツ代などの介護用品・消耗品などの実費分。あとは、介護サービスの自己負担分です。どちらも、利用内容に応じて別途発生します。介護サービスの費用は目安としては、要支援1で6,699円、要介護5なら2万7,801円(自己負担が1割の人の場合)。わかりやすい料金体系ですね。
「最近では入居一時金がゼロという老人ホームが増えてきましたが、当ホームがオープンした2012年6月の時点では、周辺にはほとんどありませんでした。一時金はなくても、年金が得られて少しご家族の支援が受けられる方ならご入居いただけるように間口を広げたのです」と鈴木さん。
これも、地域に貢献しようという理念の表れといえるかもしれませんね。
<取材・文:髙橋光二>
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