介護付き有料老人ホームを取材!
レクリエーションにもリハビリの要素をさりげなく取り入れている「さかえグリーンハート川口」。今回は、医療との連携および「看取り」の方針についてご紹介します。
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経営母体の医療法人に“セカンドオピニオン”を求めることができる

郡山にある「さかえ内科クリニック」
「さかえグリーンハート川口」の経営母体は、栄心会という医療法人。郡山市で、循環器、消化器、呼吸器、神経内科および人工透析を手がける「さかえ内科クリニック」を運営しています。この医療の専門性をバックボーンにしているところに、同ホームの強みがあるといえます。
同ホームでは、日中は看護師が常勤。夜間も、呼ばれればすぐに対応できる体制を組み24時間スタンバイ。近隣にある救急病院の東川口病院や悠翔会在宅クリニック川口などの医療機関と提携し、万一の場合はスムーズに対応が可能です。

常駐の看護師が健康状態をケア
ここでポイントとなるのが、バックボーンである医療法人の存在。提携医の診断に疑問がある場合、常駐の看護師や介護スタッフ・家族などが、医療法人に気軽に“セカンドオピニオン”を求めることができます。
「提携医に質問しにくい場合もあるでしょうが、そんな時こそ経営母体の医療法人に遠慮なく聞くことができる。これは、スタッフや入居者、ご家族にとって心強いと思います」と施設長の渥美浩一さんは言います。
入居者にとって真の“終の棲家”を目指す
“終の棲家”を謳う介護付き有料老人ホームは数々ありますが、実際は入居者が終末期を迎えると延命治療を前提に積極的に病院に送るホームが多いのも事実。施設にとっては、終末期は何かと負荷がかかり、スタッフを対応させ切れないという事情もあるようです。それに対し、同ホームではあくまでも入居者にとって真の“終の棲家”でありたいと自らを位置づけ、それを前提に終末期に対応しています。
「さかえグリーンハート川口は2015年3月に開設したばかり。なので、まだホームとしての実績はありませんが法人の豊かな経験を活かして、当然、ここで看取りまで対応させていただきたいと考えています。看取りの内容は、入居時ご家族に確認を行い必要時に同意書をいただいています。そして、そのご意思を尊重したケアをさせていただきます」(渥美さん)。
ただし、一般的に「延命治療は不要」という意思を確認しても、いざその時になって延命治療を希望する家族も少なくないとか。「そんな時は、もちろんご希望に従う」と渥美さんは言います。

入居者とスタッフとの関係性がホーム運営の基本
延命治療を希望した場合は、医師と連携をとり状態によって医療機関やホームで治療を施すことになります。
一方、延命措置を行わず、自然に最期を迎えることにも同ホームは積極的に関わる方針です。「これは個人的な思いですが…」と断った上で、渥美さんは次のように語ります。
「口や鼻にチューブを繋がれて数日生き永らえるよりも、最期の最期まで食べたいものを食べ、飲みたいものを飲んで死んでいきたいと願う。それをかなえて差し上げるほうが、その方の人生はより充実した形で全うできる、という考え方に、私は同意します。そんな食事を用意させていただくなど、看取りの充実にもしっかり取り組んでいきたいと考えています」
入居者の人生の終末期をより充実したものにするためには、入居者とスタッフの間に、より深く温かい関係性が必要――。同ホームの根底に流れるそうした理念が、介護や諸サービスの質を支えているといえるでしょう。
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