サービス付き高齢者向け住宅を取材!
要介護度の高い高齢者から優先的に入居してもらう方針を掲げる、サービス付き高齢者向け住宅の銀木犀(ぎんもくせい)<西新井大師>。今回は、“くもん学習療法”や“ドラムサークル”などの認知症予防プログラムと、食事や浴室の特徴についてご紹介します。
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“脳トレ”や“ドラム演奏”で脳を活性化
前回、口腔ケアなどの介護サービスについて触れましたが、銀木犀では認知症予防プログラムにも力を入れています。
まず、“くもん学習療法”。入居者が20名ほどに達した段階から始めています。これは、公文教育研究会が“脳トレ”で著名な東北大学の川島隆太教授と、ある介護施設による共同研究で開発されたもの。誰でも100点が取れるようなやさしい問題を解いたあと、講師とコミュニケーションをするという内容で、前頭前野を活性化するプログラムです。
「ほかの銀木犀のケースでは、5年ほど認知症状が進行せずに済んでいる入居者もいますので、一定の効果はあると考えています」と所長の麓慎一郎さんは言います。

ドラムサークルで脳を活性化
もう一つは、“ドラムサークル”。希望者を対象に、ドラムを思い思いに叩いて演奏するという会です。と言っても、ただ叩いて終わり、ではありません。ほかの銀木犀では所在地の市の要請で「市民まつり」に出場し、ホールで観客を前に演奏するなど本格的な活動となっています。
「ドラム演奏を通じて自分を“表現”することは、やはり脳の活性化に効果があるようです」と麓さん。
また、不定期ですが室内で小型犬を放し飼いにして入居者に触れあってもらう“アニマルセラピー”も行っています。
味はもちろん、見た目も重視の食事
また、毎日の生活で最大の楽しみとなるのは、食事です。銀木犀は、食事についても、こだわりをもっているそう。
「食べることは、すなわち生きることへの意欲につながります。おいしくないと食べる意欲もなくなりますから、味はもちろん、見た目も重視しています」(麓さん)
肝心の味について。銀木犀では冷凍食材は使わず、生の素材を調理師が一から手づくりしています。
「スタッフも全員同じものを食べていますが、ほんとうにおいしいです」
見た目の面では、一般的な施設が割れにくいプラスティック製の食器をよく使用するのに対し、銀木犀では陶器や木製の器を使用。そしてご飯は基本的にテーブルごとにの“おひつ”から自分でよそって食べることになっています。

スタッフにも評判のこだわりの食事と、食堂の様子
食べる時間も、昼食なら12時から13時30分の間で自由に取ることができます。これも、自宅同様になるべく自由に過ごせるように、との配慮から。
そして、入浴。浴室にはスピーカーが設置されていて、自宅のように音楽を愉しみながら入浴することもできます。こうしたちょっとした配慮がうれしいですね。
次の最終回は、“駄菓子屋”を併設するなど、地域との交流についてご紹介します。
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