サービス付き高齢者向け住宅を取材!

銀木犀 <西新井大師>外観。植栽が印象的
高齢者が賃貸マンション・アパートと同様の感覚で入居できる、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)。ここでは、2015年5月にオープンしたばかりの「銀木犀(ぎんもくせい)<西新井大師>」をご紹介します。
サ高住の「銀木犀」は、ほかに3カ所あり、2015年5月、シンガポールで行われた「アジア太平洋高齢者ケア・イノベーションアワード2015」の「Facility of Year Residential Aged Care部門」で最優秀賞を受賞。注目のサ高住、いったいどんなところなのでしょうか?
*この記事の1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
木を全面的に使用した明るく優しく温かい雰囲気
「銀木犀」が、「アジア太平洋高齢者ケア・イノベーションアワード2015」で評価された大きなポイントとして、まずは施設のハード面の独自性が挙げられます。運営会社の株式会社シルバーウッドは、元々は建築躯体メーカー。“施設”ではなく、あくまでも“住宅”として、木材を全面的に用いたモダンなデザインの住宅を新築して使用しています。

所長の麓慎一郎さん
「高齢者の介護施設というと、どこか病院のような暗い雰囲気があったり、マンションのような冷たい印象がしたりする建物が多くあります。『銀木犀』は、無垢の木の床など、木を全面的に使用した明るく優しく温かい雰囲気。“自宅”として心からくつろげると思います」と、銀木犀 <西新井大師>所長の麓慎一郎さんは言います。
部屋の窓からの眺望を考えて、住宅が隣接する部屋の窓は下側を擦りガラスにするなど細かな配慮をしています。建物の周囲には木を植生し、巣箱もつけて野鳥を招くなど、できるだけ自然を取り入れる工夫も。
遊び心のあるインテリアが随所に
イスやテーブルなどの家具は、和歌山の職人による手づくりのもの。
「テーブルは、車椅子で利用してもちょうどよい高さに調整してあります。既存の製品にはなかなかありません」と麓さん。

こんな仕掛けが随所に
また、リビングなどの壁には、ネコとネズミの小部屋の扉が模擬的につけられていたり、コーヒーカップを模した照明があったりと、ユニークなインテリアが随所にあって遊び心を感じさせます。
リビングの壁際には大きな木の本棚があって、ここでゆったりと好きな本や雑誌を読むことができます。
そして、目を引くのが家具職人オリジナルのポスト。入居者全員分の郵便受けがあり、入居者は基本的に自分で郵便物や新聞などを取りに行くことになっています。

家具職人オリジナルのポスト
「ここは“自宅”ですから、郵便物もご自分で取りにいっていただいています。毎朝新聞を取りに行く。ご家族や友人からの手紙を楽しみに取りに行く。そんな日常を大切にしたいと考えているからです」と麓さんは言います。
次回は、要介護度の高い高齢者から優先的に入居してもらう方針や、介護サービスについてご紹介します。
*この記事の1回目、2回目、3回目、4回目(最終回)はこちら
こちらのページもあわせてご覧ください
●本人と家族にぴったりの老人ホーム探しのために→ 老人ホームの「見つけ方・選び方」
