介護付き有料老人ホームを取材!
要介護度に応じた4種類のお風呂が特徴的な、「アースサポートクオリア 東浦和」。2回目は、同施設が力を入れている「個別機能訓練」についてご紹介します。
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「ああ楽しかった。明日もまたがんばろう」と思える雰囲気づくり

リビングルームに置かれたトレーニングマシン
「アースサポートクオリア 東浦和」には1名の作業療法士が常駐していて、基本的に入居者全員に「個別機能訓練」を実施しています。
広いリビングルームに、ドイツの安全規格を取得した4台のリハビリマシンを設置。立ち上がる訓練、姿勢を伸ばす訓練、体幹トレーニング、脚力アップの訓練などができます。入居者一人ひとりの状況に応じて機能訓練プログラムを作成し、これらマシンを使ってトレーニングを行います。
「最初は機能訓練に抵抗感を示す入居者様もいらっしゃいますが、作業療法士が入居者様一人ひとりとしっかりコミュニケーションを取り、その方に応じたモチベーションアップの方法を探りながら無理のないように行っています」と施設長の萩原伸介さん。
マシントレーニングは、入居者5人で1つのグループをつくって行う工夫をすることで、入居者同士が誘い合い、励まし合うことにより継続性を高めています。
「自分一人だけだと『今日は気分が乗らないから』などと休みたくなってしまうこともあるでしょうが、グループだとお仲間もいるので、休んではいられないという気持ちになっていただけます」
また、機能訓練の合間の休憩タイムでは、ほかの入居者の訓練のカウントを一緒に取って応援するといったひとコマも。
「終わった後、『ああ楽しかった。明日もまたがんばろう』と思っていただけるような雰囲気づくりも心がけています」
リハビリ目標を達成したら表彰も

キャッチボールでのリハビリの様子
右大腿部骨折を繰り返していたある入居者は、装具をつけていたため動くことを嫌い、入居早々、日中は寝て過ごす状態が目立っていました。
そうなると当然筋肉は落ち体力も低下するので、まずは起き上がっている時間を増やすことを目的に、キャッチボールを行うリハビリをスタート。その入居者がキャッチボールが好きだったこともあり、作業療法士と100回連続で投げ合うことを目標に取り組み、何度もやり直しながらチャレンジし続けた結果、ついに目標を達成したそうです。
「その入居者様は作業療法士と喜び合っていましたね(笑)」
4カ月ほど経つと装具を外す許可が下りたので、リハビリの第2段階として立位訓練とエアロバイクによる脚力アップの訓練をスタート。エアロバイクは漕いだ距離が表示されますが、この目に見える成果が入居者のモチベーションになり、熱心に取り組んだそうです。
「その方は、『目標を達成したら“クオリア通信”の表紙に出してほしい』と要望されました。見事、目標を達成されたので、“クオリア通信”という当社の広報誌の表紙にご登場いただき、インタビュー記事まで掲載させてもらいました(笑)。さらに表彰状まで作成して、大いに盛り上げさせていただきました」と萩原さんは目を細めます。
そんな同ホームの機能訓練の評判を聞いて、リハビリ目的で入居し、改善後に退去するという利用者もいるとか。できるだけ介護要らずで過ごす“健康寿命”を永らえるには、恰好の施設かもしれませんね。
次回は、同施設の環境面についてご紹介します。
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