介護付き有料老人ホームを取材!
要介護状態となっても、安心して過ごせる介護付き有料老人ホーム。ここで最期を迎える“終の棲家”と考えて入居する人がほとんどです。とはいえ、できるだけ長い時間、元気で楽しく自立して過ごせるに越したことはありません。そのために、多くの介護付き有料老人ホームがさまざまな工夫をこらしています。
今回は、その中でも、すべての入居者に常駐の作業療法士による個別機能訓練を実施しているホームをご紹介します。状態がよくなった入居者は、温泉宿風のお風呂も楽しめるといった“ごほうび”も。
武蔵野の自然が随所に残る東浦和にある「アースサポートクオリア 東浦和」。樹齢数百年の庭のけやきがシンボル的存在となっている介護付き有料老人ホームです。
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運営主体は“お風呂のアース”

施設長の萩原伸介さん
「アースサポートクオリア 東浦和」を運営するのは、アースサポート株式会社。平成8年11月1日のサービス開始以来、20年近くにわたって訪問入浴を中心に在宅介護サービスを提供してきている介護業界の大手企業です。現在は、沖縄を除く全国46都道府県で約7,500人のスタッフが日々、サービスを提供しています。
「各地のケアマネジャーさんには、“お風呂のアース”としてよく知られた存在です。ご自宅を巡回する入浴サービスを利用される方は、要介護度が重度の方がほとんど。当社では、そういった方に少しでも気持ちよく入浴していただけるようなキメ細かいサービスのノウハウを、時間をかけて蓄積してきました」と施設長の萩原伸介さんは言います。
要介護度に応じた4種類のお風呂
そんな同社が運営する「アースサポートクオリア 東浦和」の入浴設備は、もちろん特徴的なもの。「“アースらしさ”を意識して、4種類のお風呂を用意している」と萩原さん。その4種類とは、要介護度に応じた機能を備えたつくりになっています。

(左上)ストレッチャー式機械浴、(右上)パーソナルケア浴槽、(左下)バリアフリー個浴、(右下)温泉宿風のお風呂
1つめは、寝たきりの入居者が寝たままの状態でも入浴できる、ストレッチャー式の機械浴槽(ルピナス)。(=写真左上)
2つめは、車イス利用レベルの入居者が座ったまま入浴できる、パーソナルケア浴槽(パンジー)。(=写真右上)
3つめは、助けを借りながらも自分で浴槽をまたいで入れるレベルの入居者に向けた、バリアフリー個浴。(=写真左下)
そして4つめは、自立できている入居者向けのお風呂。浴室の天井が斜めになっていて、窓の外には坪庭を配し、あたかも温泉宿のような雰囲気を楽しめます。(=写真右下)
「当ホームでは個別機能訓練に力を入れていますが、その結果、要介護度が軽くなれば、お風呂もそれに応じたものに変えていきます。このことを機能訓練のモチベーションにしてもらえている入居者様もいらっしゃいますね」と萩原さん。
もちろん、入浴時のスタッフによるケアは、訪問入浴サービスで培ったキメ細かいノウハウが生かされているのはいうまでもないようです。
次回は、その個別機能訓練についてご紹介します。
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