介護付き有料老人ホームを取材!
「まるで“陽だまり”にいるような心地よさで過ごせる施設を目指している」という運営方針が特徴的なケアポート八王子。2回目は、そのアットホームな雰囲気についてご紹介します。
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親を大切に思う家族が運営する施設

建物は鉄筋コンクリート造
まず押さえておきたいのは、そのような運営方針がどうしてできたのか、という背景です。営業次長の清水さんは、次のように説明します。
「オーナーの父親が要介護となったことを契機に、オーナーは介護サービス事業に関心を深めました。そして、父親を入居させる理想的な施設を自分で運営しようと思い立ったのです。こうして開業したのが、このケアポート八王子です。ですから、当初から自ずと親を大切に思う家族の立場で運営する方針となったわけです」

食堂や廊下の壁は明るいピンクが強調されています
そして、豊かな自然が残る八王子市滝山の地で見つけたた築20年ほどの旧社員寮(鉄筋コンクリート造、耐火建築物)を入手してリニューアルし、40代・50代を中心にベテランの介護スタッフを集めて、2010年4月にオープンさせました。現在でもオーナーの父親(90代)は入居しています。
スタッフの中には、70代の人もいます。入居者の子供世代以上が主体なので、「入居者様と話が合い、またスタッフは入居者様の気持ちもわかるので、心地よいサービスができている」と清水さん。
今日やるべきことに最善を尽くす

光が差し込む明るい居室
施設長の福富さんや清水さんは、スタッフに対して「今日やるべきことに最善を尽くしてほしい」と要望しているそうです。その理由について、清水さんは次のように言います。
「今できることを後回ししたり、『次にしっかりやればいい』と思って力を抜いてしまっても、その入居者様に明日はないかもしれないからです。ここは“終の棲家”であり、そういう入居者様のお世話をする仕事であるということを、肝に銘じてほしいのです」
とはいえ、最近はあくまでも全体的な雰囲気を変えないようにする範囲内で、少しずつ若いスタッフも採用しています。次の世代を育成する必要があるからです。
「秘伝のタレを継ぎ足すようなものかもしれませんね(笑)」と福富さん。
建物が古いことで、見学に来た人のうち30%程度の人は合わないと感じて帰るそうですが、多くは気に入って入居を決める人が多いそう。「母親を入居させる施設を探しにきた娘さんが、『自分が入りたい』と目を輝かせたこともあった」と清水さん。
「目に見えない雰囲気は、ちょっと見学しただけではなかなか伝わらないかもしれませんね。ですけれども、第一印象で“肌に合う”と感じていただける人はほぼ入居を決めていただけています」と清水さんは続けます。
そんな雰囲気をつくっていることには、ケアポート八王子のオープンな運営も奏功しています。次回は、そのことについてご紹介します。
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