介護付き有料老人ホームを取材!
人生の最後をどんな施設で過ごすのか……。本人や家族にとってはとても重要な考えどころではないでしょうか。自宅で過ごすことがままならない人の“終の棲家”となることの多い、介護付き有料老人ホーム。最近では、まるで高級ホテルのような豪華な設備や雰囲気の施設が増えています。また、介護は成長産業という側面があり新たに参入する企業も多く、20代の若いスタッフ主体で活気ある雰囲気の施設も増えています。
そうした中、築20年以上という生活の営みに馴染んだ建物で、ベテランのスタッフに囲まれ、かつ地域や家族にも開かれて、様々な接点が持てる施設があります。あたかも自宅にいるような感覚で過ごすことができ、しかも入居費用は地域最低価格。ここでは、そんな「ケアポート八王子」をご紹介します。
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“昔の自宅に戻った”感覚になれる

周囲は緑がたくさん残る自然豊かな環境。春には、施設は桜に囲まれます!
ケアポート八王子は定員42人で、入居者の70~80%は周辺地域の人。平均年齢は86歳です。立地するのは、市街地の北、「ひよどり山」という丘陵地を超えたところ。
「入居者の方々が若かりし頃、八王子はまだ田舎でした。いまでは駅周辺を中心に近代都市に発展していますが、施設の脇には小川が流れ、そばには桜並木や栗林があって緑も濃いなど、この辺りには昔からの自然が残っています。まさに入居者の方々が往時を過ごした頃の環境があるので、“昔の自宅に戻った”という感覚になれるのではないでしょうか」と施設長の福富茂さんは言います。
ケアポート八王子の運営方針は、まさに“アットホーム”。営業次長の清水雄三さんは、次のように説明します。
「まるで“陽だまり”にいるような心地よさで過ごせる施設を目指しています。入居者様には、着替えはご自分でしていただき、食事は食堂に降りてきていただくなど生活リハビリに取り組んでいますが、“がんばり過ぎない”ことにも留意しているんです」

施設長の福富さん(左)と営業次長の清水さん
食事にきめ細かく配慮

専任調理師による手づくりの食事
気になる食事は、専任の社員調理師が栄養士の作成したメニューを、すべて素材から手づくり。きざみ食などの加工や、糖尿病対応など入居者一人ひとりに応じた調理は当然ですが、さらにきめ細かい配慮がなされています。
「例えば、朝ごはんの際に飲み込みが思わしくなかったら、昼ごはんの際に細かく刻んで飲み込みやすくするといった処置がすぐにできます。それも、外部の給食事業者などに委託することなく内部で完結させているからこそできると考えています」(清水さん)
次回は、ケアポート八王子のその“アットホーム”な雰囲気についてご紹介します。
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