介護付き有料老人ホームを取材!

幸楽壱番館
今回リポートをさせていただくのは、東京都八王子市にある介護付有料老人ホーム「幸楽壱番館」。医療法人社団 八九十(はくと)会から全面的なサポートを受けており、医療対応・リハビリ実績に定評があるホームです。
定員30名のこのホームは、JR八王子駅から徒歩18分というアクセスの良さも魅力のひとつ。街中ですが表通りからは少し奥まった場所にあり、静かな環境にあります。
「幸楽壱番館」は開設以来、常に入居率95%以上のホームです。常時ほぼ満室の状態を続けている理由は何なのか、取材に伺ってきました。
リハビリ~ひとつの目標に向けて全員でアプローチ

2012年4月より施設長に就任した木村友哉さん。介護職経験をもとに、「入居して良かった」と思われるホームを目指しています。
現在、入居されている方の割合は、要支援7%、要介護93%、平均介護度4と、多くの介護付有料老人ホームと比べて介護度が高くなっています。しかし、実際ホームを見学させていただくと、入居者がスタッフと談笑していたり、レクリエーションに積極的に参加したりと、非常に明るい印象を受けます。
「幸楽壱番館」のリハビリでは、大きな特徴が一つあります。それは「ひとつの目標に向けて全員でアプローチする」ということ。
「ひとつの目標」とは、歩けるようになりたい、一人で◯◯へ行きたい、あるいは自宅へ戻って生活したいなど、ご本人・ご家族が希望する、リハビリ後の将来像です。何のためにこのリハビリをしているのか、その目的が明確であればあるほど、ご本人のやる気に繋がります。
「全員でアプローチする」とは、リハビリを実践するのがご本人とリハビリスタッフ(理学療法士・作業療法士・柔道整復師など)だけでなく、ご家族・介護スタッフ・看護師・事務スタッフまで、言葉通り全体でサポートする、ということだそうです。
では具体的にどういった内容なのでしょうか。施設長の木村友哉さんにお話をお聞きしました。
「入居者様だけでなく、ご家族そして私達スタッフ全員の目標をひとつにすることが大切です。ですから、ケアプランを作成する際のカンファレンスには、ご本人、ご家族、そして現場のスタッフも皆参加します。
カンファレンスは、入居者様の例えば「歩きたい」という意思を確認し、「では、こういうところから始めてみましょう」という内容をご提案して、ご家族にも理解していただく重要な機会となっています。リハビリで成果を上げるには、ご本人、ご家族、そしてスタッフが皆で同じ目標に向かっていくことが必要ですから。」
全員の目標がはっきりしているから、「❍❍さん立つの上手になったね」など、介護職員や事務職員も積極的に声をかけますし、それが入居者さんのモチベーションを維持することにつながります。
また、幸楽壱番館では担当ヘルパー制を取っています。自分が担当する入居者様が立てるようになったり、自宅復帰したりすると、スタッフとしても成果がわかって達成感を得られる。そして、もっとこうしよう、ああしたほうが良いかもしれないと、より積極的になれるんです」
リハビリ~実際のリハビリ実践内容

電気治療器、牽引器など最新のリハビリ機器がそろったリハビリルーム。
具体的にはどのようなリハビリの内容を実施しているのでしょうか。
「常駐の柔道整復師が担当し、入居者さんの7割がほぼ毎日、それぞれの状態に合わせて15分から1時間のリハビリを受けています。また、手術後など重点的にリハビリが必要になった場合は、提携している高月整形外科病院の外来でリハビリを受けます。」
高月整形外科病院は、有名スポーツ選手の治療も行っていてリハビリについては定評があるそうです。

常勤の柔道整復師と入居者さまがリハビリをしながら楽しそうにお話し中。
「皆さん少なくとも3ヶ月に1回は高月整形外科で受診し、リハビリプランの再検討をします。また柔道整復師の職員も、定期的に研修を受けています。仮に骨折などで治療を受けた場合は、高月整形外科の理学療法士がこちらに来て、治療後のリハビリ内容について指導します。」
常に医療としてのリハビリテーションが密接に関係している印象です。
リハビリ~自宅復帰プログラム
一般的に有料老人ホームでは入居後は終身、一生涯ホームで暮らしていく、とお考えの方も多いのではないでしょうか。しかし、幸楽壱番館の「ひとつの目標に向けて」という内容には「自宅復帰」も含まれます。
「ここではリハビリを重ねて自宅に帰ることを目標にすることも可能なのです」と木村施設長。
昨年は2名、実際にホームから自宅復帰されたそうです。
「他県在住の方で、ストレッチャーに乗った状態で入居されました。恥骨溶解症という病気で痛くて歩くことができない状態だったのです。まずは提携病院でその方の症状に有効なお薬を探すことから始め、ビタミンDを摂取したり、日光を浴びるようにしたりして、骨の形成促進を試みました。リハビリを重ねるうちに状態は改善され、1年後には歩いてご帰宅されました。」
また、自宅に復帰するためのプログラムの一環として、2ヶ月間と期間を区切っての帰宅も行っています。
「いきなり自宅に帰るのは、ご本人もご家族も不安ですから、最初は試験的に帰宅していただきます。その際、こちらのケアマネジャーがご自宅に訪問し、手すりの設置など環境を整えるためのアドバイスをしたり、いろいろな情報提供をします。
その場合、こちらに籍を置いたままでの不在返金というかたちになります。介護保険を自宅で使っていただけますから、訪問リハビリなども利用できるんです。そうして実際に生活してみて、ご本人もご家族も自信がついたら、安心して自宅へ帰っていただいています。」
皆さんで外出するなどのイベントも、リハビリをがんばるための目標となっているそうです。

外出イベントで山梨県へ。ぽかぽか陽気の中、バラ園を散策。

浅草寺へ。仲見世でのお買い物や外食を満喫!
「運営会社が山梨に果樹園を持っているので、入居者さん全員でさくらんぼ狩りやぶどう狩りに行きます。外出はとても楽しいイベントです。「ぶどう狩りをしたい」「浅草に行きたい」と目的ができると、「明日もリハビリがんばろう!」と思えますよね。」

1階食堂ホールは皆さんの触れ合いの場です。

食事はすべて館内の厨房で調理されています。
医療のフルサポートがあるからスタッフも安心
「介護は医療から始まると思っています」という木村施設長。通常のホームでは受け入れが難しい、鼻腔経管、気管切開などの方も受け入れていることを理由に入居を希望される方も多いそうです。
「提携している八九十会にはさまざまな医療機関があり、カバーしている専門分野は多岐にわたります。内科は月に3回、八九十会高尾病院から往診に来ていただいています。この病院では、もしもの救急時のために、つねに幸楽壱番館用のベッドを確保しています。また、緊急の場合は医師に直通のPHSを通して、確実に連絡できるのでとても安心。
他にも毎月、歯科、皮膚科、心療内科の往診をお願いしています。また、仮に緊急でCTなどの対応が必要となった場合にも対応できるよう、近隣の脳神経外科の病院と提携しています。」
皮膚科や心療内科まで往診があるのは珍しいですね!幸楽壱番館では、メンタルケアを重視しているそうです。
「うつや認知症の方はとくにそうですが、皆さん単純にこちらが声をかけていけばコミュニケーションが取れるというものではありません。医療の視点から、この入居者さんにはこういうアプローチが良いということが明確になることで、スタッフも自信を持ち、より質の良い対応ができます。」

以前は急性期病棟で勤務していた看護師の中重さん。
また24時間の看護師常駐は、「医療という視点からも必要なこと」。
「夜間を含め、入居者さんの状態を医療の専門知識を持つ者が把握することは、とても重要です。看護師は、あらかじめ医師から入居者さんひとりひとりに関する「予測指示書」を受け取っています。そこには、「こういう症状の時は何をする」といった細かな指示が出されているので、看護師はその指示にしたがってすみやかに処置ができるようになっています。」
看護師の中重ふみ子さんにも、お話をうかがうと、「医療体制がしっかりしているので、とても安心して働けています」とのこと。スタッフの安心感が、積極的に働ける環境を作り出しているんですね。

1階奥の介護室。お部屋にはさまざまなタイプがあります。

浴室には特殊浴槽を備えています。
入居者さんに聞いてみました!

看護師の中重さんと談笑するKさん。「皆さんと一緒に和やかな時間を過ごしています」
地元の八王子にご自宅がある、Kさん。自分のことを「のんびり屋さん」だというKさん曰く、「ここはおだやかで和やかな方が多いから、とても合っていると思います。」
日々の楽しみは、毎日行われているレクリエーションだそう。今日は習字に参加して、積極的に筆を動かしていました。

今日のレクリエーションは習字。スタッフの皆さんが声をかけ、和やかな雰囲気。
「こちらにお世話になってから、料理しなくていいしとても楽しい」とKさん。居室は2部屋ある広いタイプを利用されていて、くつろげる空間となっているそうです。「お家にいる時と変わらない感じです。のんびり暮らせて、私にはとてもいいなと思っています。」
幸楽壱番館では全居室大きさ・向き・入居金が異なるため、詳細は直接お問い合わせ下さい。
幸楽壱番館は、リハビリを集中的に頑張りたい、医療対応が必要、という方におすすめのホームです。アットホームでありながら医療・リハビリが密接と特徴的なホームなので、他県からわざわざ来る方が多いのも納得ですね。
気になった方は、是非、見学や体験入居をしてみてはいかがでしょう。
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