リピーターの多い老人ホーム!?

らぽーる上尾外観
今回取材にうかがったのは上尾市にある介護付有料老人ホーム「らぽーる上尾」。医療・リハビリなど専門的なサポート体制が評判のホームです。
定員140人の大規模なホームですが、設立してからの6年間でクレームや想像と違うなどの理由で退去された例は、なんと皆無!ご主人をこのホームで看取った奥様がその後に入居されるなど、家族でリピーターになるケースも多いそう。入居者満足度がとても高いホームと言えるでしょう。

ご家族からのお手紙やアンケートを大切にファイルしています。
それもそのはず、ホームのあちこちに入居者の声を聞くためのアンケート箱が設置され、ご家族からのアンケートやお手紙も職員で共有。
それらの声を活かすための会議も定期的に開催…入居している方が心地よく過ごせているかを知りたい、もっと快適になるよう改善し続けたい、という思いが伝わってきます。
医療と介護の連携をスムーズに行う秘訣とは?

支配人の大久保さん。人への愛情や、介護への情熱が伝わってきます!
現在入居されている方の比率は、お元気な方が15%、要支援13%、要介護72%。要介護の方が多く、3~4割の方は病院のベッドからそのままホームへ入居されるため、医療との連携体制はとても重要。
社長 兼 支配人の大久保光子さんに、お話をお聞きしました。
「経管栄養や胃ろう、気管切開、IVHなど、さまざまな状況の方をサポートできるように10人の看護師が働いており、24時間常駐しています。介護の体制も『入居者2人に対して介護職員1名』。特定施設入居者生活介護の基準の1.5倍以上の人員体制です。」
看護師の方が常にホームにいてくれるのは安心!でも、医師ではないのでできることは限られてしまいますよね?
「そうです。治療や診断などの医療行為は医師でなければできません。ただ、病気になりかかっている時や、様子のおかしい時に、その兆しを見つけるのは、むしろそばにいる看護師だからできることなんです。
このホームでは『指示待ちの看護師はいらない』と看護師達にはっきり伝えています。老人ホームは病院ではありませんから、常に医師がいるわけではありません。だからこそ入居されている方の状態を見て、病気の兆しを察知し、予測し、早めに医師へ連絡し指示をもらうことが大切なんです。」
力強い大久保支配人の言葉!その言葉も、経歴をお聞きして納得です。
大久保支配人は、もともと看護師として医療に携わり、看護部長、副院長などを歴任され、看護学校の講師も経験されてきました。現在らぽーる上尾で働いている看護師の多くも、大久保さんとともに病院で働いてきた信頼できる仲間たち。
「看護師は、介護職員と一緒に入居者さんのケアをしたりお話をしている時間がほとんど。そうして触れ合っていないと、普段の変化にも気づけません。」

隣はリハビリテーション科のある病院、向かいには歯科もあります。
「らぽーる上尾では協力関係にある病院がいくつもあり、ホームのすぐそばにも病院があります。」
「でも、それだけで安心はできません。夜間に何かあると救急搬送になりますが、ベッドに空きがなかったり専門医がいない場合などは、受け入れてもらえないのが実態。私自身、病院勤務が長かったので、その事実はよく理解しています。だからこそ、救急搬送という事態にならないことが重要なんです。」
100人を超える入居者と、要介護度の高さにも関わらず、らぽーる上尾の救急搬送の頻度は、3ヶ月に1回程度!救急搬送は、ご本人はもちろん、ご家族にとってもスタッフにとっても、心身への負担が高いもの。避けられるのが一番ですね。

健康相談室は事前予約制。医師や看護師による健康相談、管理栄養士による栄養相談を行っています。
「普段のケアや健康相談などで病気の予兆を見つけたら、訪問診療の回診時に診てもらったり、医師に連絡をとって事前に指示を受けるように徹底しています。また訪問診療も、24時間対応で緊急時に駆けつけていただける先生にお願いしています。」
またターミナルケア(看取り)も行っています。病院で最期を迎える形、ホームで最期を迎える形、それぞれを見てこられた経験をふまえ、ご家族ともしっかりとお話をされるそうです。
「そのほか、理学療法士も常駐しています。一人一人に合わせた機能訓練計画書を作成しリハビリを実施。健康な方も含め自由に参加できる体操も週に1回行っています。」

みんなで行う「あしこしほね体操。車イスでも参加でき無料です。

さまざまな器具で、自分のペースでトレーニングができます。
食べる楽しみを大切にしたい
らぽーる上尾のもう一つのこだわりは「食事」。ホーム直営レストランでは1日3食手作り料理を提供していますが、昼食はセレクトメニューと言ってメイン料理を2種類から自由に選ぶことができます。またその時の体調によって、直前にご飯をおかゆにしてもらったり、材料を変えてもらったりという臨機応変な対応も可能。もちろん、身体の状態に合わせた治療食やミキサー食などにも対応しています。
お祝いごとがあったときのイベントメニュー、月一回のお誕生日会食や、リクエスト投票で決めるメニュー、お出かけのお弁当があったりと趣向が凝らされ、毎日の食事を楽しめます。

入居されている方が88歳に!米寿記念に用意したイベント膳。

元気な方はレストランで食事。庭が見える席もあります。
入居者さんに聞いてみました!

春野さんは東京の日本橋生まれ。チャキチャキの江戸っ子です!
とても元気で若々しい春野陽子さん(仮名)。実年齢は80歳ですが骨密度は60代前半だそう!
「らぽーる上尾に来る前は一軒家に一人で暮らしていました。でも広すぎて掃除も大変だし、寒いし、さみしいし…体が元気なので、最初はマンションに引っ越すつもりでしたが、結局、老人ホームにしました。将来、またマンションから老人ホームに引っ越すのも大変ですから(笑)」
友達と一緒に、老人ホームを十数カ所は見学したという春野さん。

ジャグジー機能のある浴室。他に介助浴室と機械浴室もあります。
「収納なし、ベランダなし、キッチンなし。窓を開けると建物や電線・・・そんなところが多いんですよね。でもここは窓を開けると目の前が桜の木。富士山も見えるのが気に入りました。お風呂も5:00~22:00までの閒、毎日何回でも入れますし。」
「入居するにあたって、それぞれの施設の内容が異なると思いますが、らぽーるでは、入居者懇談会が2ヶ月に一度行われていて、入居者の悩み事や要望に対しての説明や回答があり、色々と改善される姿勢が見られました。また、入居者に対して「万が一」の時の保険も会社側が協会に加入されていて安心して生活ができると思いました。」
元気な春野さんはよく外出もされるそうです。
「外泊するときには連絡が必要ですが、基本的に出入りは自由。上尾駅は交通の便も良いですし、ホームから上尾駅まで毎日15往復も送迎バスがありますから外出もしやすいですよ!」

スタッフも絶賛!垣見さんの得意曲は氷川きよしの「情熱のマリアッチ」
続いてもうお一人お聞きしたのは垣見正康さん(89歳)。現在、要支援2だそう。
「神戸に住んでいましたが、夜間に急に体調が悪くなって病院に駆け込むことが何度かあり、息子が心配して近くに呼び寄せてくれました。」
「ここの看護師さんは心強いですね。入居してからも入退院を繰り返していましたが、そのうち看護師さんが『こんなに続くのはおかしい!』と、ほとんど無理やり病院に連れていかれて…(苦笑)。きちんと検査して治療を受け、今はかなり回復しました。病院の先生からも早く対処できたから命をとりとめた、と言われました。」

個室は18~43㎡までいくつかのタイプから選べます。
カラオケが大好きだと言う垣見さんは週に3回近所のカラオケ店に通っています。またホームにも週に2回カラオケ教室の時間があり、月に1度はホーム内に夜、即席カラオケバーが設けられます。スタッフがバーテンダーに変身しお酒も提供。みんなでわいわい楽しめるそうです。
『ラポール』とはフランス語で『信頼』。
らぽーる上尾は、入居者の方やご家族としっかりラポールを築いているホームでした。
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