サービス付き高齢者向け住宅を取材!
サービス付き高齢者向け住宅「リーフエスコート あじさいの丘II」(以下あじさいの丘Ⅱ)では、グループの医療機関のつながりを最大限に生かし、元気な方から看取りが必要な方まで、さまざまなケースの受け入れに対応しています。
<取材・文 中条佳子>
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「サ高住だから看取れないということはありません」

広々とした廊下は温もりのある木目調
「介護度が重くても、医療依存度が高くても、まずはお客様の情報を一度お預かりして、改めてご相談させていただきます。荒井商店という住宅運営会社だけでは解決できない課題であっても、グループ内の在宅クリニックドクター、看護師や、ケアマネジャー、サービス提供管理者などと話し合い、どうすれば当住宅に住むことができるかを提案させていただいています。ご家族にはメリットとデメリットをすべて提示して、それでもうちで良ければ入ってください、というスタンスでご相談を受けております」(錢村敏史さん)
他社に委託するのではなく、グループ内の横のつながりで解決していけるのが、「あじさいの丘Ⅱ」の強みだということです。逆に看取りのケースの受け入れについて、訪問看護の看護師さんから相談を受けることもあるそうです。
「もともと在宅医療・看護、介護に携わっていたグループのメンバーが当住宅を紹介するケースもあり、ご家族にも安心していただけます。それにサ高住の良いところは、高い入居一時金が必要なく、看取りに必要な期間のみご契約させていただくこともできます。サ高住だから看取れない、ということは、あじさいの丘Ⅱではありません」(錢村さん)
自然な形のコミュニケーションを大切に

お食事の配膳やイベントが開催される共有リビング
「あじさいの丘II」では寄り添ったケアができるように、一人ひとりそれぞれのニーズに適時対応しています。そのために30戸の小規模で、サービスの目が行き届く人員体制による運営が行われています。
「大規模だと自由度が少なくなりがちで、一人ひとりの声を拾い上げるのは難しくなります。一方で当住宅では、テーブルを囲んでお話を伺ったりすることもでき、そのなかで自然な形でコミュニケーションをとりながら、個々のニーズに対応しています。すでにあるサービスから選んでいただくということではなく、イベントなどもお客様にご意見を伺いながら企画をしています。逆に興味がなさそうならやりません。お客様に喜んでいただくために、ここではやりたいことは基本的に、自由に出来ることになっています」(錢村さん)
パンケーキ作りやたこ焼きパーティなど、家族も一緒に参加できるイベントは、施設の行事というよりもホームパーティのような雰囲気です。今後は、ひとつの鍋を囲んで施設内のみんなで郷土料理を食べるなど、他の施設や住宅にはない行事も企画されているそうです。
「食事がきっかけで、話題作りができるようにスタッフが心掛けていこうと考えています。お食事の場でご入居様同士が盛り上がって仲良くなり、毎週一緒にタクシーで温泉へ行くようになったご入居者の方もいらっしゃいます」(永井秀之さん)
なかには高齢者住宅にありがちな「特別扱い」を敬遠され、一般住宅と変わらない生活を望まれる方も多いとのこと。そういう方の意志も尊重し、今まで自宅で習慣となっていた「朝にほうきで玄関をはいたり、敷地の一角の花壇の雑草取りをしたり」することも自由にしてもらっているそうです。
「お客様によっては、そこまで一般家庭と変わらないなら、入居する必要がないのでは? と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、今後の社会の流れによって介護保険制度が変化し、要介護の方や要介護度が軽度の方などは、ヘルパーさんを頼めなくなったりするかもしれません。仮にそうなったとしても、当住宅では建物の管理の一環として安否確認をするなど<前回記事参照>、介護保険になるべく頼らなくても住み続けることのできる見守りある住宅を目指します」(錢村さん)
とはいえ、お客様のなかには、「入ってみないとわからない」という声が数多く上がっていることもあり、現在、キャンペーンとして1泊2日から最大で1か月間の体験入居を実施しています(2013年8月時点、希望の場合は事前に確認のこと)。自由な快適さとともに、安全・安心を実感してみてはいかがでしょうか。
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