老人ホームを見学するときには、さまざまな設備などをチェックする必要があります。もっとも多くの時間をすごす居室はもちろん大切ですが、共用スペースや食事などもとても重要です。
もし「もう見学を終えたけど、見逃したかも!」という場合には、体験入居でじっくり確認してみてください。
老人ホームの食事を確認
毎日の暮らしで、いちばんの楽しみは何でしょう? 毎日三度いただく食事を挙げる方も多いのではないでしょうか。
おいしく食べられるものを、というのはもちろんですが、将来のために、飲み込みの状態に合せて対応してもらえるか、などのチェックも必要です。
きちんと確認しましょう。
どこでどのように 作られているのか
老人ホームによっては、調理師を配置して施設内の厨房で調理をするところもあれば、外部の給食センターにお願いしているケースもあります。
厨房で調理をする施設にしても、食材を仕入れて作りたての料理を提供しているところもあれば、レトルト食品などを使用する場合もあります。
食事はどういった方法で提供されるのか、確認しておきましょう。
老人ホームの食事内容
食事は毎日のことなので、変化に富んだ献立を期待したいものです。
見学や資料請求の際に、1ヵ月分の献立表をもらってみてはどうでしょう。メニューの豊富さがわかります。
また、栄養のバランス、嫌いなものを避けてくれるのか、メニューが選べるのか。こういった点も確認すべき要素です。
また、好みの味付けかどうかも重要。見学や体験入居で実際に食べることで確認してみましょう。
病気、体力に合わせた食事を
糖尿病食など、各人の持病やアレルギーに合わせた食事の提供をしてくれるのか、という点も重要です。また将来的に嚥下が難しくなる可能性もあります。
ソフト食、ミキサー食などの提供は可能か、またそれら特別食の味などもチェックしたいポイントです。
【老人ホームの主な食事の種類】
・普通食
バランスやカロリーを計算した、一般的な食事です。
・糖尿病食
糖尿病による合併症を予防するために考えられた食事。バランス、糖尿病者に適正なカロリーを考慮しています。
・ソフト食
摂食、咀嚼、嚥下障害を持った方が食べやすいように工夫された食事。舌でつぶせる程度にやわらかく仕上げ、すべりのよい、飲み込みのよい惣菜で成り立っています。
・きざみ食・ミキサー食
噛む力がかなり衰えた人のために工夫された食事。十分に噛まないと消化不良の危険があります。
小さく刻んでいたり、咀嚼、嚥下機能の程度により、ミキサーにかけたりしています。
イベント・外食などの特別食の有無
老人ホームでの暮らしが長くなると、イベント用の食事や外食といった普段と違う特別食も楽しみのひとつです。多くの施設では、季節ごとのイベントや外食イベントなどを計画しています。
季節のイベントなら、クリスマスケーキやお正月のおせち料理、ひな祭りのちらし寿司、その他のイベントなら、誕生日のケーキや、地域・家族との交流会での屋台など、普段とは違う食事が楽しめる施設もあります。
特別な食事があるのかどうかなども確認しておきましょう。
老人ホームの共用設備を確認
それぞれの特色や個性を出すために、多くの老人ホームは、居室だけでなく、共用スペースにも力を入れています。
特に有料老人ホームは、設備が充実している傾向があります。主にどんなものを用意しているのでしょうか。
基本の設備
ロビー・フロント、食堂(レストラン)、浴室、トイレ、談話室、多目的スペースなど、必要最低限の共用施設ですが、その質はそれぞれの老人ホームによって異なります。
清潔か、使いやすいか、見学の際に確認してください。
施設によって違いのある共用設備
【大浴場】
広いお風呂は、リラックスできる最高の場です。
介護の必要のない方は時間内に好きなだけ利用できるホームや、中には屋上に設置した眺望自慢の老人ホーム、温泉をひいているところもあります。
【クアスパ】
大きいだけでなく、気泡で血行をよくするジャグジーや、バイブラバス、スチームサウナなどを取り入れている老人ホームもあります。
【室内温水プール・ウォーキングプール】
体や関節に負担をかけずに運動ができます。
【多目的ホール】
茶道、華道、カラオケ、書道など、サークル活動を活発に行えるよう、多目的ホールを充実させた老人ホームもあります。
【庭・畑】
散歩やガーデニング、家庭菜園を楽しみたいという入居者の声や、園芸療法(認知症ケアの一種)を取り入れる視点で、設置する老人ホームもあります。
【リハビリテーションルーム】
リハビリを行うためのスペースです。
【アトリエ】
陶芸や絵画など、創作意欲を持つ入居者に人気です。
【プレイルーム】
将棋や囲碁などを楽しめるスペースです。
【フィットネスルーム】
運動不足解消、病気予防のために利用されています。
【シアタールーム】
大型画面でDVD鑑賞会ができます。
【AVルーム】
好みのDVD、ビデオ等を鑑賞することができます。
【ラウンジ・バー】
多くの場合は入居者以外の方も利用できます。訪問した家族と語らうのに便利です。
【図書室】
静かに読書を楽しみたい、知的好奇心を満足したい入居者のための施設です。
【理美容室】
頭髪のカットなどの整髪が、外出しなくても可能です。
【売店】
外出せずに雑貨等が購入できます。
高級な老人ホームほど、これらの設備が備わっている可能性は高くなります。ただし、介護が必要になれば、利用したくてもできない設備もあるでしょう。どの設備を利用したいのか、現在や将来の介護の必要性なども考えながら、優先順位の高い設備を考えてみてはいかがでしょうか。
