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高齢者の不幸な最期につながりかねない「医療機関の連携不足」

2017年11月30日

「介護・医療間」だけでなく「医療機関同士」の連携も不足

image001「地域包括ケアシステム」という言葉をよく聞くようになりました。
介護が必要になっても、住み慣れた地域で、できるだけ長く暮らし続けられるよう、支える仕組みのことを指しています。
その中には、医療や介護の専門職によるケア、日常生活を支えるご近所同士の助け合い、地域行政による介護予防の取り組み、暮らし続けられる住まいの整備など、さまざまな支える仕組みがあります。

 

この「地域包括ケアシステム」を進めていくためには、医療と介護の「医介連携」が必要だとよく言われています。
確かに、病院から退院して、在宅で介護を受けて暮らそうと思ったら、病院の医療職から地域の介護職への引き継ぎがほしいですよね。
この連携はとても大切です。

 

しかし、実は、医療と介護以前に、医療機関同士の連携もまだ不十分であることが指摘されています。
それは「病診連携」。つまり、入院設備のある病院と、地域住民を診る在宅医(診療所)の間の連携です。

 

残り少ない余命を知らされないまま退院した高齢者のケース

あるケアマネジャーが、こんな話をしていました。
ケアマネジャーとは、介護保険のサービスの調整など、在宅で介護を受ける高齢者の介護環境を整える役割を担う職種です。
そのケアマネジャーが、ガン末期の方を担当することになったとき、訪問診療を行う在宅医と共に初めて利用者の家を訪問し、病院から在宅医への引き継ぎのなさに驚いたそうです。

 

経験豊富なケアマネジャーから見て、その利用者の命はもしかしたら数日かもしれない、と思えるレベル。しかし、利用者の家族は、その見通しを詳しく知らされないまま主治医から退院を促され、利用者を自宅に連れて帰ってきていました。
そして、家族は在宅医に対して、自宅での治療の継続を希望したのでした。

 

医療職ではないケアマネジャーから見ても、それは現実的ではありませんでした。
1週間、命を保てるかどうかというレベルの利用者。その利用者を、何の引き継ぎもなく受け持つことになった在宅医。
利用者、家族は、まだ信頼関係も築けていない在宅医から、治療は困難であること、残された命はほんのわずかであること、穏やかに人生を終えられるよう見守っていく時期にあることを告げられることになったのです。
それが、本人や家族にとって非常に受け入れ難かったことは、十分に想像できます。
こうして経験から、医療に対する不信を抱いてしまう人も少なくないといわれています。

 

なぜ、こんなことになるのでしょうか。
地域の在宅医もケアマネジャーも、「病院がもっと早い段階で患者を地域に返してくれたら…」といいます。命を保てるのはあと数日、という段階でバトンを渡されても、自宅でできることはほとんどないといいます。
しかし、まだ動ける、話せる、食べられる状態であれば、自宅だからこそできることはたくさんあるのです。

 

もちろん、病院の医師からすれば、できる限りの治療を続けたい、という思いがあるのでしょう。それは、今も中心的に医療を担っている世代が、「医療にとって死は敗北」という教育を受けてきたことが背景にあるとも言われています。
一方、患者側は、とにかく治療を続けてほしいと願う人が病院から退院を促されると、「見捨てられた」という気持ちになることがあります。
こうしたことが相まって、余命わずかでの退院ということが起きてしまうようです。

 

早期退院の選択で、後悔のない最期を送れるかも

image003では、ターミナル期にある人が、もし早期に退院したらどんなことができるでしょうか。
介護タクシーを利用して、ストレッチャーのまま、花見に行ったという話を聞いたことがあります。自費で看護師を雇い、小旅行に行ったという話も聞いたことがあります。
そこまで大がかりでなくても、家族に囲まれ、やりたいことをして好きなものを食べて、残された日々を過ごすだけでもいい。
それができれば、本人はもちろん、そうさせてあげられた家族も、少しは気持ちが晴れることでしょう。

 

だとすれば、治療によって回復する見込みがないと明らかになったら、残された日々を有意義に使うことを考えたいですね。
医師からの提案を待たずに、患者の側から「退院して自宅で過ごしたい」と希望しても良いのです。

 

その際、異変があったらすぐに対応してくれる在宅医、訪問看護師、看取り経験のあるケアマネジャーを見つけておくと安心です。
入院先の病院の「地域医療連携室」にいるメディカルソーシャルワーカー(医療相談員)や、介護のよろず相談所である「地域包括支援センター」が相談に乗ってくれるはずです。
近所で耳にする評判も参考にすると良いでしょう。

 

こんなふうに親を看取りたい、自分の最期はこうありたいなど、自分なりのイメージを持っている方もいると思います。
そういう方は、医療や介護の専門職任せにせず、自分の親や自分自身の療養、介護、看取りの要望をしっかりと伝えていくとよいでしょう。

 

自分の最期は自分で選択して決めていく。近い将来、おそらくそんな時代が来るはずです。
まだ自分や親の最期をイメージできない方も、そんな心がまえを少しずつ身につけていきたいものです。

 

<文:宮下公美子 (社会福祉士・臨床心理士・介護福祉ライター)>

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