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2割の特養には空きがある!?なのに要介護3の入所が難しいのはなぜ?

2017年6月15日

一時は、入所待機者が52万人とも言われた特別養護老人ホーム。2015年4月以降、入所受け入れ要件が原則として要介護3以上となりました。
2017年5月、その影響もあり、今では2割以上に空きがあるばかりか、要介護3でも受け入れてもらえない実態があることが報じられました(*1、2)

 

特養入所後、状態改善で要介護2になったら退所!

image001そもそも、特別養護老人ホームの入所受け入れが要介護3以上に制限されたのは、2011年の調査で要介護1、2の入所者が約12%しかいなかったなどの理由からでした。
介護保険の利用者が増え続け、財政が逼迫していることから、介護保険政策はサービスを中重度者に集中させていくという方針にシフトしています。
特別養護老人ホームの入所者が要介護3以上とされたのも、その流れの一環でした。

 

しかし、その結果、冒頭で述べた2つの問題があらわになりました。

 

一つ目は「特養の2割以上に空きがある」。この制度変更以前から指摘されていたことですが、一部地域の特別養護老人ホームに空きが出ているのです。
高齢化がピークを過ぎた地方都市では、待機期間なしですぐに入所できる特別養護老人ホームもあります。東京都でも、青梅など多摩地区では入所待ち期間がほとんどないホームもあるといわれています。
入所待ちの人がいないのに、さらに要介護3以上という制限をかけたら、空きが出てもおかしくはありません。

 

もう一つは「要介護3でも受け入れてもらえない」という問題です。
入所後の要介護認定で要介護2以下になる可能性があることを考慮し、要介護3の人を敬遠する施設があることが明らかになっています。要介護2以下になったら退所してもらう必要があるからです。
入所者からすると、リハビリに努めると要介護度が下がり、退所させられる。施設からすると、リハビリで元気にすると、介護報酬が下がり、退所者を出してしまうことになる。
これではリハビリへの意欲を持ちにくくなります。

 

在宅介護が限界となり、ようやく施設入所が決まって家族の生活を立て直してきたのに、状態が改善したからといって退所させられては困る、という家族もあるでしょう。
施設側にしても、入所審査、受け入れまでの準備、受け入れて落ち着いて生活してもらうまでの配慮など、新規入所者には様々な対応が必要です。
そうした対応を経て、ようやく生活が安定してきたところで退所、そしてまた新規の入所者の受け入れというのは、かなりの労力が必要になります。
そのため、要介護3の人は後回しにしたいという意識が働いてしまうのかもしれません。

 

良心的な特養だけを評価することは難しい

image003要介護3の人が敬遠されるもう一つの理由は、特別養護老人ホーム側が、プラスで加算される介護報酬の算定要件を満たしたい場合です。
特別養護老人ホームの介護報酬には、様々な加算が設定されていて、それぞれどのような要件をクリアすれば加算が付くか、細かく決められています。

 

この場合、問題になっているのは「日常生活継続支援加算」です。この加算では、3つの要件が課されています。大まかに紹介すると、下記のような内容です。

 

(1)新規入所者のうち、要介護4、5の人が70%以上、または、認知症の状態が重い人が65%以上、または、喀痰吸引・経管栄養が必要な人が15%以上であること
(2)介護の専門資格である介護福祉士の人数が定められた人数以上であること
(3)入所定員や従業員の配置数が規定通りであること

 

このうち(1)の要介護4、5の人が70%以上という要件で、この加算を算定しようとしている施設は、要介護3の人が増えてしまうと加算を算定できなくなります。
そのため、要介護3の人の入所を制限するという事態が起きているのでしょう。

 

こうしたことは、これまでも同じような加算を創設するたびに起こっていました。政策の意図としては、重度の人を積極的に受け入れ、結果として重度者が多くなっている施設、事業所を評価し、加算を算定することでその努力に報いたい、ということです。
しかしその政策意図とは裏腹に、重度者を受け入れてそれ以外は受け入れない、という選別を行う施設、事業所がどうしても出てきてしまうのです。

 

そもそも加算算定を目指して、入所者を選別しているとしたら言語道断です。しかし、一度取得した加算を手放すことは、事業運営上大きなダメージになります。
本末転倒といえばその通りですが、何とか加算を維持したいという心理が働くことは十分想像できます。

 

介護報酬や医療報酬の改定後は、常にこうしたことが起き、それをまた制限するための様々な規定が設定されるという繰り返しになっています。
国の政策が悪いという指摘もありますが、良心的によい介護を提供している施設、事業所だけが正当に評価される仕組みをつくるのは容易ではありません。

 

利用者側であるご本人やご家族も、特別養護老人ホームにまつわる問題には、政策の意図や、施設、事業所の事情があることを理解し、今後の動きにも目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

●こちらの記事も参考に
→特養待機者が減少!でも、在宅介護も施設入所もできない介護難民が増える?

 

<文:宮下公美子 (社会福祉士・臨床心理士・介護福祉ライター)>

 

*1 要介護3 受け入れ敬遠 特養、2割以上に空き(毎日新聞 2017年5月5日)

*2 特養、受け入れ敬遠 国の制限「意味ない」(毎日新聞 2017年5月5日)

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