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増える40代の引きこもり。前期高齢者の子ども世代が引きこもる理由とは?

2017年2月23日

「引きこもり」と聞くと、以前は10代、20代のイメージがありました。しかし、2017年1月、全国の自治体にある、引きこもりについての相談窓口に調査した結果、40代の引きこもりケースに対応した窓口は6割を超えることがわかりました(*1)。
こういった引きこもりの中には、介護が必要な親と一緒に暮らす子どもや孫もいるようです(*2)。傍から見ると働けそうなのに働かず、高齢の親の年金を頼りにする。要介護者を訪問したケアマネジャーが、要介護者への支援と同時に、引きこもっている子世代への支援にもタッチしなくてはならなくなるケースもふえています。

 

団塊ジュニア、就職氷河期世代が引きこもりの中心世代

image001なぜ40代の引きこもりの人が増えているのでしょうか。
40代は、「就職氷河期世代」と重なります。新卒のときに希望通りの仕事に就けず、フリーターや派遣労働者になった人が少なくない世代です。希望と違う仕事について成功体験を積めなかったことで、次第に自宅にこもるようになった人もいるかもしれません。
また、40代は「団塊ジュニア」と呼ばれる世代とも重なっています。親世代である「団塊の世代」は、モーレツサラリーマンとしてがむしゃらに働き、厳しい同世代競争を生き抜いてきた世代。バブル景気も経験し、頑張ることで報われる経験をしてきた人も多いことでしょう。

 

これに対して、子世代の「団塊ジュニア」は、子ども時代にバブル景気を見ていたものの、自分たちの就職の時にはすでに好景気が去っていたという不運な世代です。挫折を経験したとき、もう一度頑張ろう、頑張ればまたいいことがある、という前向きな気持ちになれない時代環境にあったとも言えます。
この世代は、社会人になってもいつまでも親元から巣立とうとしない人が多く、そうした人を指す「パラサイト・シングル」という言葉も生まれました。パラサイト(寄生)したまま巣立つことができなかった人たちの中に、リーマンショックや派遣切りなどで仕事を失い、引きこもるようになった人がいるのかもしれません。

 

頑張れば手に入れられるものがたくさんあった親世代と、頑張っても報われないことが多かった子世代。時代背景の違いから、「頑張ること」の意義やその必要性についての認識には、かなりの差があるように思います。その差をあまり意識していない親世代から「失敗してもうまく行くまで頑張れ」などと言われると、成功体験の少ない子世代は、親世代が考える以上に反発や精神的な負担を感じてしまうのかもしれません。

 

ドアの外の世界にチャンスがあると思えない

image003引きこもることには2つの目的を感じます。一つは、自分を傷つけるものから自分自身を守ること。もう一つの目的は、自分を理解してくれない他者に対する怒りを、自分が傷つかない形で表現することです。
誰でも、失敗して傷つくことはあります。落ち込んで引きこもりたくなっても、もう一度ドアを開けて出て行こうという気持ちになれるのは、出て行けばまたチャンスがあると思えるからです。そう思えるのは、チャンスを与えてくれる社会への信頼があるから。また、自分自身の能力への信頼もあるでしょう。さらには、自分が足を踏み出せばそれを支えてくれる人がいるという、周囲への信頼があることも大きいと思います。

 

引きこもっている人たちには、残念なことに、こうしたものがなかったのではないでしょうか。就活でどれだけ頑張っても内定をもらえなかった。自分の能力に自信が持てなくなり、弱音を吐いたら、「努力が足りないからだ」と切り捨てられた――。
もちろん、何度、切り捨てられても立ち上がれるという人もいるでしょう。しかし、前述の“信頼”を持てなかった人たちには、そうでない人が少なくありません。それ以上傷つかないよう自分を守りたくなる。自分のつらさを理解しない周囲への怒りがあふれる。ドアの外に別のチャンスが待っていると考えるのも、難しくなる。そうなると、次第に安全な場に引きこもりたいと考えるようになっても不思議はありません。

 

居心地のいい居場所があれば、引きこもりから立ち直れる

40代を過ぎ、再び外に出て行くのは勇気がいることです。しかし、居心地のよい居場所さえ見つかれば、きっと少しずつ社会に戻っていくことはできるはずです。

 

ある介護事業所が、うつ病を患い、10年近く引きこもっていた人を受け入れました。職員やアルバイトとしてではありません。「ただいるだけでいいよ」といって受け入れ、居場所を提供したのです。利用者のお年寄りたちと、何をするでもなく過ごすその人を、事業所の管理者や職員は、時折、「大丈夫?」と声をかけながら見守り続けました。

 

何も強制されない。何も求められない。過ごしたいように過ごしていい。しかも、時々声をかけながら見守ってくれる人たちがいる。そんな環境の中で過ごしていくうちに、その人は次第に笑顔が増え、そのうちアルバイトとして働けるまでに回復しました。

 

「最初から“こうならなくては”という目標を掲げないほうがいい」と、その介護事業所の管理者は言います。無理を重ねて引きこもらざるを得なかった人に、さらに負荷を掛けることなく、長い目で見守っていく。そんな環境があれば、引きこもりから立ち直れる人は多いのではないかと思います。

 

<文:宮下公美子 (社会福祉士・臨床心理士・介護福祉ライター)>

 

*1 ひきこもり 40代が中心 相談窓口6割対応 家族会調査(毎日新聞 2017年1月23日)

*2 80代母の死で年金頼みの生活が崩壊!介護職員が見た“丸ごと一家引きこもり”の孤立無援(ダイヤモンドオンライン)

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