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介護殺人はなぜ起きる?近所の住民や知人は介護家庭に手助けを

2017年1月12日

介護家族が、介護を必要としている人を手に掛けてしまう介護殺人。家族が、介護をしている相手の命を奪おうとまで思い詰めるのは、周囲から孤立しているからだと思われていました。
しかし、2016年10月に有罪判決が下った、兵庫県で老老介護の夫が妻を殺害した事件は、同居の家族もいて、行政も相談に乗り、長年の知人も近所にいたのだといいます(*)。周囲は、思い切って介護家庭に踏みこんでいく必要があるのではないかと、この記事は指摘しています。

 

「認知症鉄道事故」の本人の権利は守られていたのか?

image001実際、家族の存在、介護サービスの利用がかえって介護者の孤立を深めたり、思考や発想の広がりを妨げたりするケースがあります。
たとえば、2016年3月、最高裁が「家族に責任なし」との判決を下した認知症を持つ高齢者の鉄道事故訴訟(詳しくはこちら)。多くのマスコミは、家族が認知症のある高齢者が家を抜け出さないよう、24時間見守り続けるのは事実上不可能なのだから、これで監督責任を問われたら在宅介護はできない、という論調だったと思います。

 

これに対して認知症に詳しいある医師は、本人の権利擁護という、全く異なる視点からこの事件の重要なポイントを指摘しました。その医師によると、亡くなった男性は資産家であり、数千万円の預金のほか、不動産も所有していたとのこと。一時期、老人ホームへの入所も検討されたものの、本人が在宅生活を希望していたことから、家族の判断で在宅介護が継続されたそうです。

 

しかし、もしこの亡くなった資産家の男性に、身寄りがなかったらどうだったでしょうか。おそらくは成年後見人が選任され、この男性が安心安全に暮らせる環境整備について、関係者で検討が行われたことでしょう。その結果、本人が在宅生活を希望したとしても、老人ホームで暮らす方が安心安全に暮らせて、本人の権利が擁護されるという判断となったかもしれません。そうした判断がされていれば、男性は今も存命だった可能性もあります。

 

医師が問いかけたのは、「このように鉄道事故で命を落とす可能性がある在宅生活を継続することが、本当に本人の希望にかなっていたのか。本当に本人の権利は擁護されていたのか」ということです。確かに、そうした視点から、この事件を改めて考えてみることも必要です。

 

介護サービスが入ると、近隣住民が手を引いてしまう実態

image003また、高齢者が在宅で利用する介護サービスについては、別のある医師がその功罪を指摘しています。認知症があったり、体が不自由になったりしながらも、地域で近隣の住民に支えられて暮らしている高齢者はたくさんいます。そうした高齢者に介護サービスが導入されると、何が起こると思いますか? デイサービスに通い、ヘルパーが来るようになると、近隣住民は「プロに任せておけば安心」「我々の出る幕はない」と、一気に手も目も離してしまうことが多いのです。

 

しかし、介護保険のサービスは、“点”での見守り、“点”での支えでしかありません。このため、介護サービスが入ったがために、支援を必要とする高齢者はそれまでの近隣住民の見守りや支えを失い、かえって生活の状態が悪化してしまうこともあります。

 

冒頭でお伝えした老老殺人の場合は、同居している長男が要介護の母親へのヘルパーの支援を拒み、それが父親(殺された要介護の女性から見ると夫)を追い詰めたのでした。要介護の女性には入院継続という選択肢も示されていましたが、家族が在宅介護を選択しました。
家族の判断には、周囲はなかなか口を挟めないものです。在宅での介護では、親しくしていた近所の人たちも同居家族がいるからと遠慮してしまい、強く手を差し伸べることはできなかったそうです。その結果が老老殺人。この家族と関わりを持っていた周囲の人たちは、本当にやりきれない思いでいることでしょう。

 

在宅で介護を続けていると、心や体、あるいは経済的に、追い詰められてしまうことはあります。そんなとき、当事者が声を上げられなくても誰かが気づける関係を、周囲の人たちとつくっておきたいものですね。そのためには、介護を受けている人も、介護している人も、介護している人が身近にいる人も、もっと気持ちも介護の場も、風通し良くオープンにしていくことが必要なのかもしれません。

 

<文:宮下公美子 (社会福祉士・臨床心理士・介護福祉ライター)>

 

*「老老介護」 殺人事件(毎日新聞 2016年12月15日)

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