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親がアルコール依存症になったら?責めない、共感する…家族ができること

2016年9月8日

2016年、厚生労働科学研究の研究班が、アルコール依存症についての正しい知識を伝える市民向けのガイドライン(*1)を作成しました。それを受けて、2回に分けてアルコール依存症について伝えています。前回、アルコール依存症は、多量飲酒を続けると誰でもかかりうる身近な病気であることをお伝えしました。また、年齢を重ねるとアルコールの影響が強く出るようになるため、高齢者は飲酒量を減らす必要があることも紹介しました。今回は、アルコール依存症の怖さと依存症への対応について、お伝えしましょう。

 

知らぬ間になってしまう、アルコール依存症の怖さ

image001アルコール依存症が怖いのは、一つには、自分でそれと気づかないうちになってしまう場合があることです。日々、少しずつお酒を飲む量が増えていくと、度を超した飲酒量になっていてもなかなか気づけません。そもそも、お酒とは、「脳を働かせないように作用するもの」だからです。

 

飲酒で起こる問題も、最初は、同僚と飲みに行って酩酊状態になり、家まで送ってもらうなど、「飲み過ぎた」という程度。それが、飲酒量が増えるにつれて次第に問題が大きくなり、飲酒の頻度も増えていくことがあります。電車で眠り込んで自宅から遠く離れた終点で起こされた。鞄や携帯電話をどこかに置き忘れても思い出せない。知らぬ間に駅のベンチや道ばたで寝ていた。こうしたことが、月に何度も起こるようになったら要注意です。

 

アルコール依存症のもう一つの怖い点は、なかなか治療に結びつかないことです。飲酒によって問題が起きていても、本人は「たまたま起きたこと」「次から気をつければいい」と、問題から目をそらそうとします。そのため、自分から治療を受けようとすることが少ないのです。

 

また、周囲が異変に気づいて飲酒の問題を指摘しても、本人は否定してなかなか認めません。治療できないままでいると、問題が日常的に起こるようになり、さらに大きくなっていくこともあります。飲み過ぎによる欠勤がふえる。飲食店などでけんかをしたり、お金がないのに店で飲んだりして警察のお世話になる。朝から飲んでしまうなど、常にお酒が入っている状態になる。こうなると、周囲との人間関係や社会的な立場を悪くしてしまいかねません。

 

頼れる先がたくさんあれば、お酒だけに頼らなくてすむ

アルコール依存症になる人は、もともと気が優しく、思ったことをストレートに言えないタイプの人に多いと言われています。言いたいことを言えずにため込んでいる分、ストレスがたまります。そのストレスをお酒で紛らわせることが習慣化してしまうと、アルコール依存症のリスクが高まってしまうのです。

 

依存症に詳しいある研究者は、「依存」自体が問題なのではなく、何か一つにしか依存できないことが問題だと指摘しています。法に触れる覚醒剤など薬物への依存は別にして、お酒、ギャンブル、買い物などは、節度を持ってたしなんでいれば問題はありません。しかし、それにしか依存できないから問題になってしまう。依存できる対象がたくさんあれば、お酒だけ、ギャンブルだけと、一つに特化して依存せずにすむというのです。

 

責めるのは逆効果。まずはお酒に頼らざるを得ない“つらさ”に共感を

image003もしご家族が、度を超したお酒の飲み方をするようになったら、まずは飲酒の問題を責めるのではなく、お酒に頼らずにいられないつらい気持ちに共感してあげてください。責めるとますます飲酒量が増えてしまうことがよくあります。アルコール依存症の人は、自分の命綱であるお酒を取り上げられると思うと、それが不安でますますしがみついてしまうのです。ですから、抱えているつらさをどうしたら軽くできるかを、一緒に考えていきたいと伝えてあげてください。

 

まずはあなた自身がお酒以外の依存先となるのです。もちろん、あなた一人で背負うことはありません。依存先を一緒に探しながら、お酒以外の依存先がたくさんあることを、ご本人に気づかせてあげてほしいのです。

 

アルコール依存症から回復するには、最終的には断酒以外にありません。飲酒量をコントロールできない病気なので、飲む量を減らせばいい、と思っても、飲み過ぎてしまうからです。しかし、お酒に頼って自分を支えてきた人がいきなり断酒をするのは、とても難しいことです。少しずつでもお酒を減らす努力をする。その一方で、お酒以外に頼れるものを見つけていく。この二つがセットでなくては、なかなかお酒と縁を切ることができません。そのため、アルコール依存症を持つ人の自助グループや断酒会などへの参加がとても有効です。同じようにお酒の問題で苦しみながら立ち直ろうとしている仲間がいることで、自分も頑張ろうという気持ちになれるからです。

 

本人が飲酒の問題を認めていない場合は、専門の医療機関にまず家族などが相談することをお勧めします。どこを受診していいかわからない場合は、都道府県や政令指定都市に設置されている「精神保健福祉センター(*2)」に相談してみてください。

 

アルコール依存症は難しい病気です。前回もお伝えしたように、高齢者であればアルコール依存症が認知症への引き金になることもあるのです。親御さんの酒量が増えていないか。ぜひ気にかけるようにしてください。支える人が周囲にたくさんいればいるほど回復の可能性が高まります。家族や周囲の友人が早く気づき、責めるのではなく支えていくことで、重症化を防ぎ、回復を目指していただければと思います。

 

<文:宮下公美子 (社会福祉士・臨床心理士・介護福祉ライター)>

 

*1 市民のための お酒とアルコール依存症を理解するためのガイドライン

*2 精神保健福祉センター

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