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介護疲れや貧困が原因で無理心中…そんな悲しい結末を迎えないために

2016年7月21日

2016年6月、介護者である娘が母親、父親と無理心中を図り、父母が亡くなった事件の判決が下りました(*)。この事件は、2015年11月、13年間、認知症の母親の介護を献身的に続けてきた女性が起こしたものです。女性と一緒に介護をしてきたものの、体調を崩した父親が将来を悲観して女性に心中を持ちかけたのが事件の発端でした。女性が車を運転して車ごと川に進入。入水心中を図ろうとし、結果、女性だけ死にきれなかったという事件です。女性には2人の姉がいましたが、母親の介護は同居するこの女性が父親と2人で担っていました。2人の姉は処罰しないよう求めていましたが、判決は懲役4年の実刑判決でした。

 

なぜ助けを求めようとしなかったか

image001女性は3年前に介護離職。貯蓄はほとんどなく、両親は無年金でした。一家の収入は74歳の父親による新聞配達の給料約20万円だけ。女性の姉2人からも経済的援助を受けるのは難しかったそうです。また、自分達で介護していきたいと、ずっと母親の要介護認定の申請をしておらず、介護保険のサービスは使っていませんでした。

 

父親が体調不良で新聞配達を辞めると、一家は無収入の状態に陥りました。しかも、父親は手術が必要な状態。女性は「生活が苦しくなりそうなので」と、生活保護受給の相談に行き、そこで要介護認定を受けるよう勧められます。すぐに認定を受け、その後、生活保護の受給申請も行っていました。しかし、認定結果も受給決定も待たずに、事件に至ってしまいました。

 

なぜ、ずっと介護保険のサービスを利用しなかったのか。なぜ生活保護の受給申請をしたのに、結果を待たずに心中を図ったのか。他者に助けを求めようとしなかったのか。それは本人たちにしかわかりません。実刑判決については異論があるかもしれませんが、判決を下した裁判長の「社会的援助を受けて生きることもできた」という言葉に、共感した人も多いのではないでしょうか。

 

自分達だけで何とかしようと思いすぎないこと

image003一般に、集団はそのメンバーが密接にまとまっていると、集団内は心理的に安定しますが、集団外の人たちへの偏見や敵対心が起こり、排他的になりやすくなります。つまり、家族も内向きに団結する力が強いと、他者が入り込みにくく、本人たちも他者を受け入れにくくなる心理が働くのです。この一家も家族だけで強くまとまっていたことから、外に目が向きにくく、社会的援助を受けることへの抵抗感が強かったのかもしれません。

 

非常に悲しい事件ですが、この事件から私たちは、介護を、自分達の生活を、自分達だけでなんとかしようと思いすぎないことの大切さを学ばなくてはなりません。自分の家族を自分達だけで世話したいと思うのは、とても尊い気持ちです。しかし、人は万能ではなく、限界というものがあります。ギリギリまで頑張ると、バタリと倒れてしまったり、この家族のように、外からの援助を受け入れにくくなったりしてしまうことがあります。

 

弱音を吐ける相手を、家族以外にも持つこと。少しでもいいから介護サービスを使っておくこと。外部の相談機関に、顔つなぎだけでもしておくこと。

 

終わりの見えない介護を続けるためには、介護サービスを上手に使い、金銭的にも精神的にも余裕を持つことが大切です。この一家のように、「家族の介護は家族だけでしたい」と考えている人も、ぜひこうした“保険”をかけておいてほしいのです。そうすることで、何かあったときに外部からの援助を受けやすくなります。“家”を閉め切らず、風が通る穴を少しでいいので開けておくのです。

 

頑張りすぎないことが、介護をしていく上ではとても大切であることを、改めてお伝えしたいと思います。

 

<文:宮下公美子 (社会福祉士・介護福祉ライター)>

 

* 利根川心中、三女に懲役4年「両親の顔忘れず生きて」(朝日新聞 2016年6月23日)

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