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「介護を始めて心底笑ったことがない」…アンケートから見えた家族の負担

2016年4月28日

政府が「介護離職ゼロ」を新しい3つの主要政策「新三本の矢」として掲げる中、新聞社が実施した在宅介護者約1000人を対象としたアンケート(回答者245人)の結果が発表になりました(*1、2)。
それによると、「介護で精神的・肉体的に限界を感じたことがあるか」という問いに対し、73%が「ある」と回答。「介護中に被介護者に暴力をふるった経験がある」「介護している家族を殺してしまいたいと思ったり、一緒に死のうと考えたりしたことがある」という回答もそれぞれ約2割となっており、家族の負担が浮き彫りになったと伝えています。

 

さらに、アンケートの自由記述から、「とにかくいつもイライラしている。介護を始めて心底笑ったことがない」「休日は家事に追われてノイローゼになった」など、介護の苦しさを訴える介護家族の声についても紹介していました。

 

アンケートに回答しない介護者はどういう状況なのか?

image001インパクトのある調査結果であり、このアンケートは在宅介護の実態の一側面を表していると思います。ただ、少し注意をしてみる必要がありそうです。

 

2015年12月に厚労省が発表したデータによると、全国で要支援・要介護者の認定を受けている人の数は619万人でした(*3)。日本の人口の、約5%に相当します。
この中で、実際に在宅で介護サービスを利用している人数は350~400万人。しかし、この数字に表れてこない人たち、つまり介護サービスの利用を拒否したり、要介護認定を受けること自体を拒否し、家族の介護だけで暮らしている人もいます。それらの人々を含めると、実際に家で介護を受けている人が何百万人なのか、はっきりしていない部分があります。

 

そう考えると、わずか245人の声が数百万人を介護する介護者の声を代表しているとは言い切れません。テレビや新聞は、強い印象を与える一部の声を、あたかも全員の意見を代表しているかのように伝えることがあります。そのインパクトで、社会を動かしていくことにも意義はあります。一方で、受け手側としては、そうした情報を冷静に受け止め、よく吟味することも大切です。

 

この調査は、北海道から九州・福岡まで、全国8つの団体を通して、在宅介護者にアンケート用紙を配付して実施しています。アンケート用紙を受け取った約1000人のうち、回答してきたのは245人。回答しなかった700人あまりの介護者はどのような状況にあるのだろうかと気になります。

 

報道をきっかけにアクションが起きることを期待したい

image003こうしたアンケート調査とは異なりますが、埼玉県和光市では、毎年、65歳以上の住民の1/3に家族や生活状況、運動、閉じこもり、物忘れ、社会参加などについて尋ねる調査を行っています。3年に一度立案する市の介護保険事業計画のための基礎調査です。毎年、1/3ずつ調査を行い、3年間で65歳以上の住民全員の回答を得るという取り組みです。

 

郵送による88項目にも及ぶ調査ですが、回収率は7割に迫ると言います。返送者全員に、回答から作成した個別のアドバイスシートを送付しているのが、回収率の高さの大きな要因です。これは一人ひとりの回答結果から、生活機能全般、運動機能、栄養、口腔、記憶、心の健康などについて、その人がどの項目に注意が必要かを伝え、介護予防への意識を高めてもらうためのものです。

 

しかし、和光市においてもやはり回答してこない人が3割強います。そこで、「回答してこない人こそが、課題を抱えているに違いない」と考える和光市では、未回答者全員を個別訪問しています。もちろん、何も問題がなく、回答してこない人もいます。しかし中には、一人暮らしで郵便物をため込んでしまう人、開封しても読んで理解するのが難しい人などもいます。個別訪問により、そうした支援が必要な人を見つけ出し、早期に対応しているのです(和光市の取り組みについて詳しくはこちら)。

 

今回の新聞社の調査の未回答者はどうでしょうか。単に関心がなくて回答していないのなら、大きな問題はないかもしれません。しかし、回答する余力も、何かを訴える余裕もないとしたら…。
各市町村が、そうした支援を求める声すら上げられない介護者の存在を前提として、和光市のようなきめの細かい調査をしていくことを期待したい。また、私たち一般市民も、介護者の置かれた厳しい状況への理解を深め、支援や配慮をしていきたいですね。そうしたアクションにつながってこそ、インパクトのあるマスコミ報道が生きてくるのだと思います。

 

<文:宮下公美子 (社会福祉士・介護福祉ライター)>

 

*1 在宅介護 「限界」7割 毎日新聞調査、家族の負担浮き彫り(毎日新聞 2016年4月4日)
*2 介護家族 イライラ、笑ったことない/いっそ車にはねられたら 在宅介護者、重い負担 毎日新聞介護者アンケート(毎日新聞 2016年4月4日)
*3 介護保険事業状況報告の概要(厚生労働省 平成27年12月暫定版)【PDF】

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