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「徘徊」という言葉は、もう使わない? …歩き回るのにはきちんと理由がある!

2015年8月13日

認知症の人の特徴的な行動として、よく「徘徊」が挙げられます。新聞やテレビなどでも、「徘徊」という言葉を目や耳にすることは多いですよね。徘徊とは、当てもなく歩き回ること。しかし、第三者には「当てもなく」歩いているように見えても、本人は「家に帰る」など、目的を持って歩いていると言われています。それを理解している介護関係者には、「徘徊」という言葉を使わない人が徐々に増えています。

 

「安心して徘徊できる町」大牟田市の決断

o1一方、家から出かけて戻れなくなった(徘徊する)認知症の人を安全に保護しようという取り組みは、各地で進められています。中でも、早くから住民に認知症についての理解を促し、「徘徊SOSネットワーク模擬訓練」などに積極的に取り組んできたのが、福岡県大牟田市。大牟田市は長年、「安心して徘徊できる町」と謳って、認知症になっても暮らしやすい街づくりを進めてきました。

 

その大牟田市が、2015年7月、「徘徊」という言葉を使うのをやめると発表しました(*)。「徘徊SOSネットワーク模擬訓練」は、「認知症SOSネットワーク模擬訓練」と名称を変える予定とのことです。「徘徊SOSネットワーク模擬訓練」は、今や100以上の市町村で行われており、全国的に使われている通称です。その本家である大牟田市が下したこの決断をきっかけに、これから「徘徊」という言葉は使われなくなっていくかもしれません。

 

使う言葉が変われば視点も変わる

o2認知症に関する言葉には、「徘徊」のほかにも、介護関係者が今ではほとんど使わなくなっている言葉があります。それは「問題行動」。
「徘徊」も「問題行動」の一つとされますが、そのほかにも、昼夜逆転(夜寝ないで起きていて昼間眠ること)、物盗られ妄想(見当たらなくなった物を誰かが盗ったと言いつのること)、暴力・暴言なども「問題行動」といわれていました。

 
 

さて、この「問題行動」の「問題」とは何でしょう。誰にとっての「問題」でしょうか。実は、これは認知症の人の周囲の人たちが「問題」だと考え、困っているということ。学校で、先生を困らせる生徒が「問題児」と呼ばれるのと同じです。「問題行動」という言葉を使うと、なんとなく相手に「問題」があると考えてしまいがちですね。

 

しかし、実は「問題」を抱えて困っているのは認知症の人の方。「問題行動」は、何か「問題」があって認知症の人が困り果てた結果、とった行動なのです。夜中に眼が覚めたときにどこにいるのかわからなくなり、不安で大きな声を出す。大事なサイフが見当たらなくて探し回る。自分がなくすはずがないと思うから、人が盗ったと思う。認知症の人の立場になって考えれば、それはたしかに不安だろう、そういう行動もとりたくなるだろう、と理解できることはたくさんあるはずなのです。

 

そこで「問題行動」といわれていたさまざまな行動は、今では「BPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia)」や「周辺症状」と呼ばれるようになっています。これは、「認知症が引き起こす行動と心理的な症状」という意味。起きている現象だけを伝え、偏見を招かない表現です。

 

「問題行動」を「BPSD」という言葉に置き換えることで、言われた側の受けとめ方も変わってきます。「問題」は、「認知症の人自身」でも、認知症の人の「行動」や「心理症状」でもないということ。本当の「問題」は、認知症の人を困らせ、そうした「行動」や「心理症状」を引き起こさせている「状況」であることに気づきやすくなります。そうなると、認知症の人を何とかしようと考えるのではなく、認知症の人を困らせている状況を何とかしよう、と考えるようになります。言葉が変わることで、視点も変わっていくのです。

 

「徘徊」という言葉が使われなくなっていくことで、少しずつでも周囲の人の視点が変わっていくといいですね。なぜ、認知症のその人は外に出たいと思うのか。なぜ町を歩き回ろうとするのか。行動の背景にある「思い」「理由」について、多くの人が考えていけるようになればと思います。

 

<文:宮下公美子(介護福祉ライター・社会福祉士)>

 

*「徘徊」使いません 大牟田市、訓練の名称変更(西日本新聞 2015年07月22日 )

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