「入浴介助」シリーズ、今回のテーマは“浴槽への入り方、あがり方”について。正しい手順と方法を順々に追っていきます。
取材協力・明正会グループ
<取材・文/橋本範子>
麻痺のない側を、浴槽に入る方に
身体が自分で動かせる方は、通常通り浴槽に入ることが可能だと思います。しかし、麻痺がある方の場合は、そう上手くもいきません。左麻痺の方の場合を例に、説明していきます。
【浴槽への入り方(入湯方法)※左麻痺の場合】
(1)麻痺ではない方の身体を浴槽に近づけ、椅子に座ります
(2)右足から入湯します(手すりがある場合、手すりに掴まりながら)
(3)足をバランスの良い位置に移動します
(3)左足を入湯します
(4)左右の足をバランス良く並べたら腰を下ろします
浴槽内の足元は滑りやすいので、あらかじめ滑り止めマットを敷いておくといいでしょう。また、腰痛がありしゃがむのが辛いなどという方のために、腰掛け用の台や椅子を用意しておくと役立ちます。

画像左:椅子の中央より、やや浴槽に近づいて座ります
画像右:右足の着地位置が重要。あまり手前すぎると左足が入れにくくなる可能性が

画像左:左足を入れる際、介護者の方はかかとをしっかり持って
画像右:しゃがむのが辛く、立ち上がる力がない方には、浴槽内に椅子を置いて対応する方法も。この場合、肩が出てしまうので肩にタオルを掛けたり、かけ湯をしたりして冷やさないような気配りが重要です
麻痺のある方が、浴槽からあがる方
浴槽からあがる際の手順も追っていきます。
【浴槽からのあがり方】
(1)お尻を椅子の方に向けます
(2)ゆっくりと椅子に腰を下ろします
(3)徐々に足を移動して、通常通り椅子に座ります
椅子に腰を下ろしてもらう際は、介護者は椅子をしっかり押さえることを忘れずに。椅子がずれて滑ってしまうことを防ぎます。

画像左:浴槽からあがるのは、足からではなくお尻から
画像右:お尻をしっかり椅子に下ろしてから、足をあげていきます
プロフィール
よっし~
介護福祉士、ガイドヘルパー(全身性・視覚)。東京都葛飾区にある「ケアサービス新小岩」にて所長を務める。
