今回は“入浴介助の準備と注意点”について。入浴介助を実践するにあたり、まずはじめに準備する物を確認しておきましょう。
<取材・文/橋本範子、取材協力・明正会グループ>
必需品は“タオル”“椅子”“洗面器”
入浴介助の目的を理解したところで、実際に実践してみましょう。まず始はじめに、入浴介助に必要な物を準備することが基本。いくつかある中でも、特に必需品はこの3つです。
【準備する物~必需品~】
(1)バスタオル2枚(小さめのタオルでも可)
(2)椅子2脚(浴室、脱衣所にあるとベスト。特に浴室に準備する椅子に関しては、立ち上がりやすい高さのある物が良いでしょう)
(3)洗面器(浴中に足を温める為)
バスタオルは、椅子に敷く用と清拭用。椅子は、浴室での洗体時用と清拭時用に。洗面器は、浴室で身体や髪を洗う際に、冷えないよう足を温めておくのに使います。
そのほかには、あかすり、石鹸、シャンプー、リンス、ブラシ、ドライヤー、着替えを用意。耳栓、シャンプーハット、入浴補助用具なども必要に応じて準備しましょう。
人の皮膚が触れる場所は、必ず温めて
準備した椅子は、お尻の部分にタオルを敷き、人の肌がダイレクトに触れないようにします。洗体時用の椅子の場合は、タオルでなくともシャワーのお湯で濡らして温めておいてもいいでしょう。
浴槽に張るお湯は半分ほど溜まったら、シャワーからお湯を出して溜め足すのがおすすめ。こうすることで、湯気の熱気で浴室内が暖まります。浴室内だけではなく、脱衣所の室温管理もしっかり行いましょう。浴室と脱衣所の温度差があると寒く感じたり、体に負担がかかったりする為です。

画像左:椅子に敷くタオルは、小さいものでも可能。最低限、お尻の部分を温めて
画像右:清拭時に使用する椅子には、背もたれ部分もバスタオルを被せた方がより親切です

画像左:浴槽の7~8割までお湯を溜めて。シャワーを使えば、さらに効率的
画像右:浴槽の高さと浴槽で使用する椅子の高さは、なるべく平行になるように
プロフィール
よっし~
介護福祉士、ガイドヘルパー(全身性・視覚)。東京都葛飾区にある「ケアサービス新小岩」にて所長を務める。
