「清潔介助」。今回のテーマは、「手浴・足浴と手・足の清拭方法」について。各部位の拭き方やポイントなどを覚えておきましょう。
取材協力・明正会グループ http://www.meisei-g.com/
<取材・文/橋本範子>
手浴・足浴で身体を温めて、入眠促進効果も
身体全体を入浴することはできなくても、足や手など部分浴をするだけでも様々な効果が得られます。その効果と手順を確認しましょう。
【効果】
(1)血行促進
(2)入眠促進
(3)汚れ除去
【手順】
(1)ゴミ袋を下に敷いて、その上に乾式タオル、40℃ほどの湯を張った洗面器を置きます
(2)片手(片足)ずつ入れて、温めます
(3)マッサージしてあげながら行えば、さらに血流促進効果が期待されます
(4)指の間など、汗やあかがたまる部分は、特にしっかり洗い流します
(5)数分経ったら洗面器を外し、下に敷いた乾式タオルで水分を押さえます
温めるだけでなく、脱脂綿や布の切れ端に石けんをつけて洗ってあげてもいいでしょう。身体もポカポカして冷えも防げます。尚、石鹸を使用した場合は、新しいお湯でしっかり洗い流し、石鹸が残らないように注意しましょう。ペットボトルなどにお湯を入れて洗い流しても良いと思います。

画像左:温めることで、汚れが落ちるだけでなく、血行促進などの効果も得られます
画像右:ゴミ袋、乾式タオルを下に敷いて。シーツが濡れるのを防ぐと同時に、効率アップも図ります
手足の指や爪の隙間は、丁寧に拭いて
手浴・足浴をして温まった手足は、タオルでしっかり包み込む様に拭きましょう。特に麻痺の方の場合は、拘縮があり手を握っている状態の為、手を包み込んで拭く際に、指や爪の間も忘れずに丁寧に拭くことが大切です。
【ワンポイントアドバイス】
爪と皮膚の間には汚れが溜まっている場合があるので、つまようじの先にティッシュを巻いて取り除いても良いでしょう(傷つけないように注意して行いましょう)

画像左:指の間は汗やアカが溜まる部分。拭き忘れがないように
画像右:足の指の間も同様。水虫などにならないためにも、しっかりと拭きましょう
プロフィール
よっし~
介護福祉士、ガイドヘルパー(全身性・視覚)。東京都葛飾区にある「ケアサービス新小岩」にて所長を務める。
