在宅介護のプロ“よっし~”が、簡単で分かりやすく介護術をお届けする大好評連載。今回のテーマは「清潔介助」について。清拭や入浴に関する基本的なことはもちろん、具体的な実践方法もご紹介します。
取材協力・明正会グループ http://www.meisei-g.com/
<取材・文/橋本範子>
清拭の必要性を理解し、実践しよう
「清拭」とは、身体を拭いて清潔に保つことです。寝たきりや麻痺の症状がある人など、入浴をすることが容易にできない人にとって、重要な生活習慣と言えるでしょう。清拭をすることで、体を清潔に保つのはもちろん、気分も快適になります。それ以外にもこんな相乗効果もあることを覚えておきましょう。
【清拭が果たす役割】
(1)血流促進
(2)皮膚の状態・早期発見
発汗することで体が痒くなったり、スキントラブルに繋がることがあります。清拭することで、これらの問題を防ぐこともできるのです。
事前に確認、準備すべき清拭の注意点
実践的な清拭に移る前に、覚えておきたい注意点をいくつか紹介します。
【清拭の注意点】
(1)その日の体調(熱、痛みなど)を確認
(2)急激な体温変化がないよう、室温を整える
(3)空腹時や食後は避け、日中の暖かい時間帯を選ぶ
(4)汗の溜まりやすい部分は丁寧に(首、脇、膝の後、臀部、しわの部分など)
(5)関節を支えながら行う
(6)肌の露出をなるべく避ける
先月まで紹介した「衣類の着脱」同様、関節を支えながら行うことがポイントです。羞恥心への配慮、体温低下予防の為、バスタオルなどを使って肌の露出を最低限に抑えることも、とても重要です。
プロフィール
よっし~
介護福祉士、ガイドヘルパー(全身性・視覚)。東京都葛飾区にある「ケアサービス新小岩」にて所長を務める。
