在宅介護に役立つ介助方法・介助技術を介護のプロがご紹介。安全で、介助する側にも負担の少ない介助動作のポイントを流れにそってご紹介します。
今回は理学療法士が教える「T字杖の正しい握り方」です。
間違った握り方をすると、杖が不安定になり手首を痛めたり転倒の原因になるので正しく握りましょう。
杖にはさまざまな種類がありますが、今回は一番一般的な「T字杖」を使います。握り方は2種類。身体の状態に合わせて選びましょう。
※適正な杖の長さの確認方法などを「伸縮や折りたたみ機能も!定番人気のT字杖」で詳しく説明しています。あわせてご覧ください。
【1】グリップの長い方を後ろに向けて握る
グリップのT字の長い方を、高齢者の身体の後ろに向くようにして握りましょう。

【2】握り方・その1 1歩ずつゆっくり歩く高齢者におすすめの握り方
1つめの握り方は、人差し指を杖のシャフト(支柱)に沿わせ、残りの指はグリップを握る方法です。
この場合、体重をかけやすくなるので、1歩ずつゆっくり歩く高齢者におすすめです。

【3】握り方・その2 スタスタ歩ける高齢者におすすめの握り方
2つめの握り方は、人差し指と中指の間にシャフト(支柱)を通し、すべての指でグリップを握る方法です。
この場合、杖に体重をかけづらいですが杖をコントロールしやすいため、スタスタ歩く高齢者におすすめです。

この握り方だと、人差し指と中指の間に杖のシャフトが入るため、持ちにくいと感じることも。その場合、スリムネックタイプを選びましょう。
スリムネックタイプは、グリップの下のシャフトが細くなっているため、握った際に人差し指と中指の間が狭くなり、体重をかけやすく、コントロールもしやすくなります。

●こちらのページも参考にしてください。
→ 杖歩行/杖を使った歩き方・2動作歩行~写真でわかる高齢者介護
→ 杖歩行/杖を使った歩き方・3動作歩行~写真でわかる高齢者介護
<協力・カイゴ大学>