在宅介護に役立つ介助方法・介助技術を介護のプロがご紹介。安全で、介助する側にも負担の少ない介助動作のポイントを流れにそってご紹介します。
今回は理学療法士が教える「片麻痺の人の食事の介助方法」です。
毎日の食事を楽しんでもらいながら誤嚥を予防するためには、介助の工夫が必要です。ぜひご家庭でお試しください。
【1】介助者は高齢者の横に座る
介助者は、高齢者の横に座って同じ目線で食事の介助をしましょう。
立ったままで食事介助をすると、高齢者のあごと顔が上向きになり、むせたり誤って食事が喉頭や気管に入りやすい(誤嚥しやすい)状態になります。注意しましょう。
席に座って食事を高齢者の目の前に置いたら、1つずつメニューの説明をします。

【2】お茶や汁物で口の中を湿らせる
はじめに、お茶や汁物を飲んでもらい、高齢者の口の中を湿らせましょう。

【3】食べ物を麻痺していない動くほうの口の中に入れる
誤嚥を防ぐため、食べ物を麻痺していない動くほうの口の中に入れます。

【4】箸やスプーンは下から運ぶ
箸やスプーンは高齢者の顔の下から運びましょう。そうすることで、自然とあごと顔が下向きになり、誤嚥を防ぐことができます。
また、口の奥まで入れすぎないように注意します。

【5】食べ物を飲み込めているか確認する
高齢者が食べ物を飲み込めているか、都度確認しましょう。

【6】口に運ぶ食事の種類を変える
偏らないように、おかず→ご飯→汁物など、高齢者の口に運ぶ食事の種類を変えて進めます。

【7】最後にお茶を飲んでもらう
最後にお茶を飲んでもらい、口の中に食べ物が残らないようにしましょう。

●高齢者の食事前の準備方法はこちら
→食事の前の準備
→片麻痺がある高齢者の食事前の準備
→誤嚥予防になる食事前の口腔体操
<協力・カイゴ大学>