在宅介護に役立つ介助方法・介助技術を介護のプロがご紹介。安全で、介助する側にも負担の少ない介助動作のポイントを流れにそってご紹介します。
今回は理学療法士が考えた教える「床に座った状態から車椅子へ移動する介助方法」です。
【1】体育座りになってもらう
高齢者に体育座りになってもらいましょう。そして、太ももとひざの間を空けてもらいます。

【2】両足で高齢者のお尻をはさむ
介助者は高齢者の横に座り、左足を高齢者の太ももとひざの間に入れ、右足を高齢者のお尻の後ろに置きましょう。高齢者のお尻を両足ではさむ体勢になります。
そして、高齢者に両足を伸ばしてもらいましょう。

【3】両手で腰をつかむ
高齢者の左手を介助者の左肩にかけてもらい、両手で介助者の背中をつかんでもらいます。
介助者は、高齢者の脇の間に頭を入れ胴体に両腕をまわし、手を組んで腰をしっかりつかみましょう。

【4】太ももにお尻を乗せる
組んだ手で高齢者の腰をしっかりつかんで持ち上げ、介助者の左足の太ももに高齢者のお尻を乗せましょう。
*お尻を太ももに乗せるコツ
腰を持ち上げる前に介助者が少し後ろに倒れ、高齢者もそれに合わせて介助者に寄りかかってもらいます。その後ろに倒れる力を利用して、高齢者の腰を持ち上げようとすると、お尻を乗せやすくなります。

【5】右手を後ろについて、右足を曲げる
介助者は右手を後ろについて、右足を曲げましょう。左手で高齢者の上半身をしっかり支えます。

【6】片ひざをつく
高齢者のお尻が乗っているほうのひざをゆっくり立てましょう。

【7】回りながら、車椅子に近づいていく
片ひざをついている右足を軸にして、高齢者のお尻を乗せた左足を時計回りにずりずり動かし、車椅子に近づいていきます。
両手で高齢者の背中と腰をしっかり支えながら行いましょう。

【8】車椅子に移動する
車椅子の前まで近づいたら、右手で車椅子のハンドルをつかんで、高齢者のお尻のほうに車椅子を引き寄せましょう。
そして、高齢者のお尻を、太ももから車椅子のシートへゆっくり移しましょう。車椅子に移す際も、背中と腰をしっかり支えて行いましょう。
*車椅子が動かないようにブレーキをかけておくと、より安全に行えます。
【9】車椅子に座ってもらう
高齢者が車椅子にしっかり座ったのを確認したら、終了です。

<協力・カイゴ大学>