介護に向けて食事を作るというと、特別なレシピが必要なイメージがありますが、実は普段家庭で作っている基本の料理をちょっと工夫するだけで十分な場合も多くあります。
できるだけ食べ慣れた料理を高齢者でも食べやすくするポイントを、ここではご紹介します。
1月のポイント
鍋料理
鍋料理は用いる食材の種類、組み合わせ、調理のタイミングなどによって、さまざまな味わいを楽しめるのが特徴。鍋は下準備さえきちんとしておけば、作り手も一緒に食卓を囲んで食事を楽しむことができるのも魅力です。
おでん
じっくり煮込んで味がしみ込んだおでんは、寒い日の定番メニュー。
魚の練り製品にはカルシウム・たんぱく質・EPA・DHA・ビタミン類・タウリンが豊富。さらに栄養のバランスも抜群(炭水化物・タンパク質・脂肪)。他にもタンパク質以外に、健康を維持・増進していく上でとても有効な成分が多数含まれています。

材料(2人分)
・昆布(7cm×15cm)1枚
・だし汁カップ2(昆布1枚+かつお節8g)
・大根(厚さ3cm)2枚
・里芋2個
・にんじん(1㎝)4枚
・ゆで卵1個
・ちくわ1/2本
・丸はんぺん2枚
・つみれ2個
・A(薄口醤油大さじ1、みりん大さじ1、砂糖小さじ2/3、塩小さじ1/4)
作り方
1. 昆布は水で戻し、食べやすい大きさに切り、結び昆布を作っておく(戻し汁はだし汁と合わせておく)
2. 大根は皮をむき輪切りにし、十文字に隠し包丁を入れておく。
3. 里芋は皮をむき塩でもみ水で洗っておく。にんじんは1㎝の厚さに切っておく。
4. ちくわは斜めに切り半分にする。
5. 鍋にだし汁、Aの調味料を入れ、1、2、3を茹で、卵を加え煮る。
6. 野菜が軟らかくなったらちくわ、丸はんぺん、つみれを加えひと煮する。
ワンポイントアドバイス
※だし取りした昆布は、おでんに入れても柔らかく、美味しく食べることができる。
※魚の練製品ばかりではなく野菜も一緒に取れるように。おいしく作るにはだし汁をしっかりと取ること。
※煮る時は大きいままで煮て、盛り付けの時に一口大に切ったり、材料に隠し包丁を入れて食べやすくする。
※練り製品はお湯で表面の油を流すことで、臭みのない上品なおでんに仕上がり、味の染み込みも良くなる。
※大根は米のとぎ汁で下ゆでをすると、大根の臭いやアクが和らぐ。下ゆでする際は、ゆで汁が沸騰したら、大根が少し踊るくらいの強すぎない火加減で煮て、竹串がすっと通るまで下ゆでする。下ゆでした大根は、鍋ごと流しにもっていき、蛇口からの水でそのまま冷めるまで水を入れ替え、冷めたらそっと手で取り出す。
プロフィール
佐藤昭子(さとう・あきこ)
弥生学園クッキングスクール講師7年半勤務(和食料理・中国料理・西洋料理・お菓子)
平成9年:世田谷区在宅栄養士会会員:北沢支部
*地域支え合い活動:高齢者・子ども・離乳食の献立作成と講師
*男の料理教室講師:DANCHU会・ヤローやろうー会・男前教室
*北沢地区健康教室講師:部会員の要望に合わせた健康に良い献立作成
月間冊子CGCふれあい交差点製作【6年間】
全国スーパーマーケット協会 青果スペシャリスト養成の料理講師:旬の食材・新しい食材を使っての調理方法・季節に合ったアイデア料理【10年間】