介護に向けて食事を作るというと、特別なレシピが必要なイメージがありますが、実は普段家庭で作っている基本の料理をちょっと工夫するだけで十分な場合も多くあります。
できるだけ食べ慣れた料理を高齢者でも食べやすくするポイントを、ここではご紹介します。
9月のポイント
敬老の祝い膳
9月に入りましたが、まだまだ暑さが残ります。今年の夏は暑かったですね。
夏野菜からだいぶ秋らしい食材が出回って来ます。旬の食材は栄養価も高く、価格も安くなります。果物・きのこ類・芋類を中心とした秋の野菜は、夏の間に奪われた体力を回復し、冬に向けてエネルギーを蓄える効果もあります。
介護されていても、長寿を祝うとともに、家族全員が揃って美味しいものを囲んで食べたいもの。1週目~4週目、計4品の献立を一度に作って頂くと、汁物・主食・主菜・副菜、一汁三菜の基本の食事形態になります。
煮物→季節の野菜とやわらかがんもどき
揚げずに煮て作るがんもどきなので、口に入れるとほろりとくずれるやわらかさです。また、ゆずの香りが食欲増進につながります。
材料(2人分)
・木綿豆腐1/5丁(80g)
・はんぺん1/2枚(50g)
・むき海老30g
・にんじん1/4本(40g)
・小松菜1把(20g)
・豚ひき肉40g
・塩小さじ1/4
・片栗粉大さじ1
・A(出し汁カップ2、砂糖大さじ1/2、みりん大さじ1、塩小さじ1/3、薄口醤油小さじ2)
<付け合せ>
・にんじん10g
・れんこん50g
・松茸1本
・水溶き片栗粉(水大さじ1に片栗粉大さじ1/2で溶いたもの)
・柚子の輪切り2切
作り方
1. 豆腐はペーパータオルに乗せ水を切る。
2. 海老は背ワタを除きみじんに切る。
3. 小松菜、にんじんは茹でてからみじんに切る。
4. ボールに1.2.3.とはんぺん、豚肉、塩、片栗粉を加えよく練り混ぜ、梅干し大に丸める。それを耐熱皿に並べ、ふんわりとラップをかけ、電子レンジで(600W)4分加熱する。
5. 鍋にAを合わせ輪切りに切ったれんこん、にんじんを入れやわらかく煮る。
6. 4等分に切った松茸、がんもどきを加え、水溶き片栗粉でトロミを付け、器に盛り付け煮汁をかけ、輪切りにした柚子を添える。
ワンポイントアドバイス
※噛む飲み込む力によって食材の硬さの調整や、細かく切ったりしてください。必要以上に薄く切らない方が食べやすいです。
※材料を合わせフードプロセッサーで撹拌(かくはん)すると、時間短縮ができます。
※豆腐の原料は大豆です。大豆は“畑の肉”といわれるように、良質なタンパク質や脂質の含有量が多い、栄養価の高い食品です、そのほかミネラル、ビタミンも含まれています。大豆は消化のあまり良くない食物と言われていますが、豆腐となった場合、その吸収率は極めて高く、92~98%が消化吸収されるとされています。
プロフィール
佐藤昭子(さとう・あきこ)
弥生学園クッキングスクール講師7年半勤務(和食料理・中国料理・西洋料理・お菓子)
平成9年:世田谷区在宅栄養士会会員:北沢支部
*地域支え合い活動:高齢者・子ども・離乳食の献立作成と講師
*男の料理教室講師:DANCHU会・ヤローやろうー会・男前教室
*北沢地区健康教室講師:部会員の要望に合わせた健康に良い献立作成
月間冊子CGCふれあい交差点製作【6年間】
全国スーパーマーケット協会 青果スペシャリスト養成の料理講師:旬の食材・新しい食材を使っての調理方法・季節に合ったアイデア料理【10年間】