介護に向けて食事を作るというと、特別なレシピが必要なイメージがありますが、実は普段家庭で作っている基本の料理をちょっと工夫するだけで十分な場合も多くあります。
できるだけ食べ慣れた料理を高齢者でも食べやすくするポイントを、ここではご紹介します。
4月のポイント
旬の食材をよく噛んで食べる「脳を刺激する噛む・かむレシピ」
「噛む」という動作は、脳の働きと密接な関係にあり、その噛む回数が多いほど脳細胞が刺激され活性化されると言われています。「噛む」ということは素材その物を味わう、食べることの原点です。噛む、飲み込む力が低下しても、美味しい料理を食べたい、家族と同じ物が食べたいという願いは切実です。家族と同じ調理方で介護者も食べられる献立です。
あんかけ→卵とカニの甘酢あんかけ
ふんわりと卵のやさしい口当たりに、しょうが風味のとろみあんがアクセントで食べやすいです。
材料(2人分)
・卵2個
・カニのむき身80g
・A(酒小さじ1 コショウ)
・サラダ油大さじ1
・B(顆粒鶏がらだし小さじ1/2 コショウ 水150ml 酢大さじ2 砂糖小さじ1 塩少々 しょうがのすりおろし小さじ1)
・片栗粉大さじ1+水3
・万能ねぎみじん切り2本分
作り方
1. カニは軟骨を除きほぐし軽く汁気を絞る。
2. ボールに卵を割り入れ1、Aを加える。
3. フライパンを温め、油を入れ2を流し入れ、菜箸で大きく混ぜ、半熟状に火が通ったら、フライ返しで1回返し皿に盛る。
4. 鍋にBを入れ火にかけ、煮立ったら水溶き片栗粉を加え混ぜ、とろみを付け万能ねぎを加え、3にかける。
ワンポイントアドバイス
※卵の焼き目はかたく感じられて飲み込みにくいので、なるべく焼き目をつけないように仕上げましょう。硬く焼くと消化が悪くなるので半熟状態に仕上げましよう。
※卵はビタミンC,食物繊維以外の必要な栄養素をバランスよく含んだ、ほぼ完全な食品です。
プロフィール
佐藤昭子(さとう・あきこ)
弥生学園クッキングスクール講師7年半勤務(和食料理・中国料理・西洋料理・お菓子)
平成9年:世田谷区在宅栄養士会会員:北沢支部
*地域支え合い活動:高齢者・子ども・離乳食の献立作成と講師
*男の料理教室講師:DANCHU会・ヤローやろうー会・男前教室
*北沢地区健康教室講師:部会員の要望に合わせた健康に良い献立作成
月間冊子CGCふれあい交差点製作【6年間】
全国スーパーマーケット協会 青果スペシャリスト養成の料理講師:旬の食材・新しい食材を使っての調理方法・季節に合ったアイデア料理【10年間】