介護の日ってどんな日?
「介護の日」とは、介護についての知識と理解を深め、介護従事者や介護家族を支援するものです。それと同時に、介護を取り巻く地域社会の支え合いや交流を通じて、国民全員に介護に対してより高い認識、理解をしてもらおう、という日になります。
11月11日が介護の日と呼ばれるようになったのは、2008年7月4日から7月18日の期間に厚生労働省が行った公募で、最も投票数が多かったからです。
3月15日(みな、かいご)や11月15日(いいかいご)などといった他の意見もありましたが、11月11日は投票数を2位と2倍以上の差をつけました。「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」という考えから、「いいひ、いいひ」と親しみやすい語呂を合わせ、11月11日に決定したそうです。
介護に関わる人もそうでない人も、11月11日は全員が介護に注目して知識と理解を深められるような日にしたい、という思いが込められています。
介護の日にはどんなことが行われている?
介護に日には、主にイベントやセミナーが行われています。
普段介護関係の仕事をしている人によると、一般の人からは、「こんな介護用具があるのか」「こんな使い方ができるのか」といった言葉をよく聞くそうです。そのため岩手県釜石市では、福祉用具の展示や認知症の理解を目的とした疑似体験など、介護を身近に感じてもらうためのイベントを過去開催しています。
福島県では2017年に、「『わがまま』のつながり方~被災地で地域包括ケアをつくるために~」というテーマでセミナーが行われました。
講演だけでなく、有名人によるトークショーや専門の相談員による相談会も開催されています。相談会では、参加者の質問に答えるだけではなく、実演しながら身体介護のコツや移動・移乗の技術を参加者に伝えられる形式で行われました。
このようなイベントやセミナーに参加することは、介護に携わる上で有効です。介護をしていくうえでの接し方や疑問をたくさんの人と共有でき、相談員が解決策を教えてくれるなど、介護をするうえでのヒントを得られることが期待できます。
また疑似体験では、実際に介護される人はどのような状態なのか、どのように介護されたいかがわかるようになるでしょう。
まだ間に合う!2018年開催「介護の日イベント」
●京都府 京都市勧業館みやこめっせ(11月11日)
生活するうえで必要な介護機器の体験やVRを使った認知症の疑似体験ができます。実際に、介護される側の体験をすることで、介護する側では分からなかった気づきが期待されるため、有意義なイベントになることでしょう。
人気芸人による漫才や、漫画「ヘルプマン!」で有名なくさか里樹さんのトークショーも予定しています。
●愛知県 イオンモール大高店(11月11日)
介護を受ける人、する人ともに毎日をいきいきと生活できるように、「顔ヨガエクササイズ」や実際に介護の現場で働く職員が、一般の人でもできる介護方法を教えてくれます。その他、高齢者になる疑似体験や車椅子に乗る体験をすることも可能です。
●沖縄県 沖縄リハビリテーション福祉学院(11月10日)
全国の介護職員の声を形にした映画「ケアニン~あなたでよかった~」の上映会と講演が行われます。
ケアニンは、認知症を抱えている女性と新人介護福祉士が出会い、「認知症になったまま人生を終わりにはさせない」と、新人介護福祉士が奮闘する姿を描いた作品です。この映画は、介護職に携わっていない一般の人でも認知症とは何か、どのように関われば良いか、などが学べる内容になっています。
●群馬県 けやきウィーク前橋けやきコート(11月10日)
午前10時から午後5時までイベントや相談会が行われます。
ここでも、映画ケアニンが上映されるほか、安全・快適に歩行をサポートする「ロボットアシストウォーカー」や、軽労化のために開発された「スマートスーツ」などの福祉用具が展示されます。介護をする際は、このような福祉用具の力を借りるのも良いかもしれません。
また、介護保険の悩みや介護に対する相談にのってくれる相談会も実施されます。
ここでは一部だけを紹介しましたが、多くの地域でイベントやセミナーが行われています。各都道府県や市町村のホームページなどには、介護関連のイベントやセミナー情報が記載されているので確認してみてください。
イベントによっては開催日が11月11日を多少前後することもあるため、注意しましょう。
今後、両親の介護を控えている人、またはすでに介護している人など、介護の悩みや介護の方法について知りたい人や相談したい人は、介護の日を活用してイベントやセミナーに参加してみてはいかがでしょうか。