高齢者に急増する認知症。最近は情報が豊富になってきましたが、「家族がなったらどうしよう!?」「介護の自信がない…」と、不安や悩みを持つ方が多いのが現状です。
そこで、今回は、認知症の家族を支援し、理解を深める活動をしている「認知症カフェ」をご紹介。
東京・目黒区の「Dカフェ」を取材し、その様子をお伝えします。
厚生労働省も認知症カフェをサポート

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最近、「認知症カフェ」という言葉をよく耳にするようになりました。
カフェと言っても、喫茶店ではありません。認知症について、コーヒーを飲みながら気軽に語り合える場です。
認知症のご本人や家族、地域住民、医師、ヘルパーなど、だれもが参加できる場。認知症について情報交換をしたり、悩みや不安を解消したりできます。
認知症の介護には、さまざまなストレスがあります。
・誰にも相談できない
・何をしたらいいか分からない
・大切な人が変わっていくのがつらい
・介護がいつ終わるか分からない
・将来の生活やお金が不安…
こんな悩みや不安を抱えているのは、あなただけではありません。
認知症の人を支える家族にも、支えが必要なのです。
厚生労働省も、認知症カフェの普及をサポートしています。オレンジプラン(認知症施策推進5か年計画)という言葉を聞いたことがありませんか?
国の計画では、これまでの「病院・施設を中心とした認知症ケア施策」を、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けられる「在宅中心の認知症施策」へシフトすることを目指しています。
そのため、地域で開催する認知症カフェは、重要な役割を果たす、と考えているのです。
認知症カフェのさきがけ、目黒の「Dカフェ」
たとえば、東京・目黒区で展開しているDカフェ。
認知症の家族を介護をする人たちが中心となり、認知症のご本人や家族がいっしょに参加し、悩み解決や情報収集ができる場として、以前から活動をしてきました。
医師、自治体の職員、ケアマネジャーなど、専門家も参加。家族と専門家の間でも積極的な意見交換が行われ、まさに、厚生労働省の考える「認知症カフェ」を早くから実践。情報や人脈も豊富な組織です。
2014年からは、今まで運営してきた認知症介護の経験者たちが中心メンバーとなり、NPO『Dカフェまちづくりネットワーク』(略称 Dカフェnet)を設立。
2015年3月現在は目黒区内の3カ所で認知症カフェ(Dカフェ)を開催しています。
近日中には、さらにあらたなエリアでもオープン予定。
その実績を買われて、目黒区と協力し合いながら、地域の認知症ケアについて情報を発信し、積極的にカフェでの交流を続けています。
Dカフェの運営メンバーのほとんどは、認知症の介護経験者です。その大変さを理解しているからこそ、介護をしている人を支えたい、支え合いたいと思っています。
そしてDカフェのメンバーは、認知症介護のつらさだけでなく、楽しさや喜びも体験してきています。どうしたら症状が緩和されるか、どうしたら認知症の本人も家族も、イキイキと暮らせるか、一緒に考えサポートしていきます。
また、Dカフェに集まるのは、介護中の家族だけではありません。認知症のご本人も参加します。周囲と楽しくおしゃべりをしながら、気力や社会性を取り戻し、症状が緩和する人もいます。
さらに、ケアマネジャー・医師・看護師などの専門職の人もいれば、地域の住民や、認知症に興味を持つ一般の人も参加します。
参加者全員に共通しているのは、認知症に偏見を持たず、認知症を理解したい、みんなで支え合いたいという気持ちです。
活発で楽しい雰囲気のDカフェ。ここで開催される専門家をゲストにした懇談会も、和気あいあいの中で認知症介護の本質に触れる内容で、とてもためになります。
参加費はコーヒーとお茶菓子代の三百円のみ。東京だけでなく他県からの参加者も多数。一度足を運んでみてはいかがですか?
次回からは、実際の認知症カフェ「Dカフェ・ラミヨ」の活動の様子をリポートします。
「Dカフェ」に参加しているみなさんの感想はこちら。
Dカフェの最新情報はこちら → Dカフェまちづくりネットワーク 公式サイト