※最終更新:2018年8月1日
介護にはあらゆる場面でお金が絡むもの。介護保険の仕組みがわかっても、実際さまざまな介護の場面でどのぐらいお金がかかるかは案外知られておらず、実際に困った経験がある人も少なくありません。
さまざまな介護の「困った」ケースを見て、自分の介護に役立てましょう。
<取材・文 興山英雄/協力 ファイナンシャルプランナー 山田静江さん>
実例

関節リウマチを患い、要介護2の認定を受けた利根川さん。自宅や外出先での移動には車いすが不可欠な状態となった。
身体障害者手帳を持っていない利根川さんにとって、車いすを入手する方法は、自費で購入するか、介護保険のレンタル車いすを使うかのどちらか。
利根川さんの目当ての車いすは「買えば数万円はする」という自走式のものだが、果たして、彼女にとってはどちらの入手方法を選ぶのが望ましいのだろう。
山田さんのワンポイントアドバイス
『その時々の身体の状態に合った車いすを選べるのがレンタルの良い点』
たとえば車いすの購入価格が20000円だったと仮定しましょう。標準的な車いすのレンタル料金は6000円~10000円で、介護保険を使えば自己負担は1~3割で済みますが、2年~3年以上継続して使うのであれば、購入する方が経済的ということになりますね。
でも、障害の進行などによって身体の機能が少しずつ変化していけば、座面の高さや幅など、一度購入した車いすが身体の状況に合わなくなり、買い替えが必要になることも十分に考えられます。
その点、レンタルであればその時々の身体の状況にあった用具に変更できるというメリットがあります。
購入かレンタル、どちらがいいかは一概に言えませんが、障害の程度がまだ固定していなければ、レンタル車いすを使用する方がいいかもしれません。
介護用品について、こちらでも詳しくご紹介しています。
介護保険で安くなる介護用品には何がある?レンタルと購入、どっちがいい?
→介護保険が適用される介護用品について
プロフィール
山田静江(やまだ・しずえ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP/FP技能士1級)。株式会社 WINKS 代表。日本FP協会埼玉支部幹事。
大学卒業後、都市銀行に入社。その後、会計事務所勤務、独立FP会社勤務を経て2001年にFPとして独立し、現在に至る。「損得ではない安心して暮らすためのプランニング」をモットーに活動している。
現在は介護や高齢者住宅問題のスペシャリストとして講演、執筆活動を展開している。
株式会社 WINKS