44回目を迎えた、“親の介護の最新事情”がわかるシリーズ企画。介護に関わるさまざまな情報を、データを通じて客観的に見ていきます。
前回は、「認知症の不安」について見てみました。
今回と次回は、「軽費老人ホーム・ケアハウス」を取り上げます。まず、「軽費老人ホーム・ケアハウスの種別や入居者の状況」について探ります。
“経済事情や住まいなどに困難を抱える高齢者”が対象のホーム
「軽費老人ホーム・ケアハウス」とは、地方自治体や社会福祉法人などが運営主体となり、経済事情や家庭環境、住まいに困難を抱える高齢の方を援助する目的で設けられた「社会福祉施設」のひとつ。食事つきの「Aタイプ」と自炊型の「Bタイプ」、介護型の「ケアハウス(Cタイプ)」に分かれています。
なお、ケアハウスにニーズが集中していることもあり、現在では、A型・B型の改築、または新築で建てる場合は、ケアハウスに統一されています。
●軽費老人ホーム・ケアハウスについて詳しく
→「軽費老人ホーム・ケアハウス」の特徴・メリット・費用
全国老人福祉施設協議会/老施協総研は、全国の軽費老人ホーム・ケアハウス532施設からアンケート結果を得ました。以下はその調査結果となります。
まず、軽費老人ホーム・ケアハウスの種類別の内訳は、次の図のとおりです。

*公益社団法人 全国老人福祉施設協議会/老施協総研「第8回全国老人ホーム基礎調査報告書」平成27年<クリックで拡大>
ケアハウスが圧倒的多数の81.8%を占め、Aタイプが16.4%、Bタイプは1.5%という状況です。ケアハウスの数が圧倒的に多い理由には、前述の「軽費老人ホームはケアハウスに統一」というのが大きな理由でしょう。
入居者の要介護度や低収入者の割合は?
では、どういった人が入居しているのでしょうか。
年齢を見ると、男女とも80代後半がもっとも多く、続いて80代前半、90代前半と続いています。64歳以下、100歳以上の入居者もわずかにいるようです。
要介護度別では、次の図をご覧ください。

*公益社団法人 全国老人福祉施設協議会/老施協総研「第8回全国老人ホーム基礎調査報告書」平成27年<クリックで拡大>
「自立」の人が33.5%で最も多くを占めています。次に「要介護1」22.2%、「要支援2」12.9%、「要支援1」12.8%という順となっています。
冒頭で、軽費老人ホーム・ケアハウスは、経済事情や住まいに困難を抱える高齢者を対象とすることに触れましたが、税額などによる階層別の構成比は次のとおりです。

*公益社団法人 全国老人福祉施設協議会/老施協総研「第8回全国老人ホーム基礎調査報告書」平成27年<クリックで拡大>
「市町村民税非課税世帯」が74.6%と多数を占めていることから、低収入者が中心であることがわかります。
平均利用年数は、「5~5.5年未満」がもっとも多く15.7%。回答が得られた施設全体の平均は4.9(最小2.2~最大8.1)年でした。
では、退去の理由はどうなっているかというと、ほかの社会福祉施設などに移る人が32.7%、一般の医療機関への入院が21.1%、入院しての死亡が15.5%という順になっています。
次回は、軽費老人ホーム・ケアハウスの入居者の医療ケアや看取りの状況や、サービス内容について見ていきます。
<構成・文:髙橋光二>
老人ホームを検討される方は・・・
老人ホームや高齢者向け住宅を検討中の方は、こちらのページも、ぜひ参考にしてみてください。
●本人と家族にぴったりの老人ホームを探すには → 良い老人ホームの「見つけ方・選び方」
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