要介護認定をおこなって要介護度が決まっても、すぐに介護サービスを利用できるわけではありません。次にすることはケアプランの作成です。
介護サービスを利用したり特別養護老人ホームなどに入居するには、ケアプラン(介護計画)を立て、どんなサービスを利用するのかについてを盛り込む必要があります。
ケアマネジャーとケアプランを作る
ケアプランとは、一人ひとりに合わせた介護サービスの利用計画。
どのサービスを、週に何回、何分利用する、などと明示した介護の計画書です。
ケアマネジャー(介護支援専門員)と呼ばれる専門家が、本人の心身の状況や、家庭のサポート体制を確認しながら作成します。
ケアプランは自分で作成することも可能です。ただ、介護保険制度は複雑で、各介護サービスによってもさまざまなルールが存在しています。
要介護者や家族だけで使いこなすのは至難の業。一般的には、ケアマネジャーに作成をしてもらいます。
ケアマネジャーは、制度のわかりにくい部分をカバーして、それぞれのケースに応じたケアプランを作成。また、各サービス事業者との調整や連絡を行います。
介護保険制度と利用者を結びつける役割を果たしている、いわばまとめ役です。
なお、ケアプランは一定期間ごとに見直しを行います。
介護をする中で、本人や家族の状況も変わりますし、実際に利用するうちに、もっと使いたいサービス・いらないサービスなども出てきます。
それらをふまえ、必要に応じてプランを修正していきます。
ケアマネジャーは、介護福祉士、看護師、社会福祉士など一定の実務経験のある資格者が介護保険法に基づく試験に合格し、所定の研修を修了して従事しています。
その業務は、特定のサービス種類や事業者に偏ることのないよう、公正中立に行わねばなりません。
なお、ケアマネジャーは途中で変えることもできます。 知識や経験があり、親身になってくれる良いケアマネを見つけること。そして、そのケアマネにしっかり要望を伝え、自分達に合ったケアプランを作成してもらうことが重要です。
ケアマネジャーには、何でも相談を
ケアマネジャーは、地域の事業所や介護サービスに詳しい専門家。さまざまなケースのプランを作ってきています。
的確なプランを作るためには、状況を正しく知っておかなくてはなりません。
「家の事情やトラブルを話すなんてみっともない…」
「そんなことくらい家族がやるべきじゃないか…」
「親がこんな状態だなんて、恥ずかしくて言えない…」
「こんなに家族関係がひどいなんて、言いたくないし認めたくない…」
そんなふうに考えて、実際の状況を隠してしまうするケースは多々あります。
しかし、ケアマネジャーは介護のプロです。
病院で医師に診察してもらうときに、恥ずかしいから、と服を脱がない人はいないでしょう。
ケアマネジャーも同じです。介護に関することを隠さずしっかり話す必要があります。
その上で、初めて的確なケアプランを作成してもらうことができます。
また一方で、プロだから…と遠慮しすぎず、任せすぎずに、自分の要望をしっかりと伝えることも重要です。
利用するつもりのないサービスがケアプランに入っていた場合は、きちんと外してもらう必要があります。
逆に、必要と思う介護サービスは、しっかりケアプランに組み込んでもらってください。
ただし、プランに入れているからには理由があるはずです。
一方的に要望を通そうとしたり拒否するのではなく、ケアマネジャーの意図もしっかり確認しましょう。
ケアマネは自らの知識や経験をもとに最適と思うものを提案してくれているはず。なぜそのサービスを入れたのか、外したのか、の背景もきちんと確認してください。
逆に、外してほしいサービス、追加して欲しいサービスを伝えるときも、その理由をきちんと伝えることがより良いケアプラン作成につながります。
実際にケアプランに沿って介護サービスを受けはじめると、これは必要なかった、これはもっと入れて欲しい、などと気付く場合もあります。
ケアプランは一度決めたら変えられないのではなく、一定期間ごとに見直しを行います。要望はケアマネジャーに伝え、プランの修正をしてもらいましょう。
介護リフォーム、介護用品のレンタル・購入にもケアマネが必要
介護リフォーム・介護用品のレンタル・購入は、月々の計画であるケアプランの中には入りません。
しかし介護保険の給付を受けるには、ケアマネジャーに事前申請し、所定の手続きをする必要があります。
介護リフォームや介護用品は、サービス・商品がさまざまあり、どこまでが介護保険対象内で、どこからが保険外なのかが少し複雑です。
実際準備を始めるときには、ケアマネジャーに相談してみましょう。