発作を起こしたとき、病院へ行くべきか迷うことがあります。自宅での対処法と受診すべき場合についてまとめています。また、薬を使っているのに効果が不十分な場合、吸入が正しくできているかも疑ってみましょう。高齢者では、吸入が正しくできていない場合も少なくありません。
<監修:上條内科クリニック 院長・医学博士 上條武雄/文:星野美穂>
発作が起きた!こんなときは直ちに受診を
季節の変わり目は喘息の発作が出やすいといわれています。特に秋から冬に変わっていくこの時期は、昼間と朝・夕の気温差が大きく、これが刺激となり発作を引き起こしやすくなります。
喘息の発作が起きたとき、苦しくても横になれる程度なら短時間作用性β2刺激薬を吸入して様子をみます。1回1~2噴霧で、1時間までは20分おきに、以後1時間に1回を目安に使用します。
これで発作が収まり、薬の効果が3~4時間持続するときはそのまま自宅で様子をみます。
しかし、3時間以内に発作が収まらない、短時間作用性β2刺激薬を1~2時間おきに必要とする、症状が悪化していく場合には医療機関を受診しましょう。
また、歩行や会話が困難な場合、以前にも意識を失うような発作を起こしたことがある場合、普段から経口ステロイド薬を使用している場合には、直ちに医療機関を受診しましょう。

●こんなときは直ちに受診を!
①歩行・会話が困難
②以前に意識を失うような発作を起こしたことがある
③普段から経口ステロイド薬を使用している
④短時間作用型β2刺激薬を使用しても症状が悪化していく
使えていますか?吸入薬
ステロイドやβ2刺激薬を吸入するという治療法は、パウダー状の薬を吸い込むことで、患部である気管支や肺に直接薬を届けることができるというメリットがあります。ただし、正しく使用しないと薬が気道に吸入されず効果が得られないばかりか、薬が口の中に残り、口内炎など副作用を生じやすくしてしまいます。
吸い込む力が弱くなった高齢者では、薬が上手く吸い込めていないこともあります。また、使い方をきちんと理解せずに、自己流で使っていることも少なくありません。
薬を使っているのに効果が得られない場合は、薬剤師に相談して、吸入器の使い方を確認してもらうとよいでしょう。

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